ローソンと佐川急便、店頭からの荷物配送&御用聞きサービス提供の事業会社を共同設立
ローソンと佐川急便を傘下に持つSGホールディングスは4月7日、コンビニエンスストアを拠点とする宅配サービスで新会社を設立すると発表した。まずはローソンの店舗で荷物を受け取れるサービスを開始。店舗から半径500メートル以内の個人宅に、専門スタッフが荷物の配送を手がけるほか、多機能タブレットを用いて、ローソンで販売する弁当の販売や食材宅配サービス「ローソンフレッシュ」の案内も行う。
平日の昼間は家にいない共働き世帯や単身者に受け取りやすいサービスを展開。買い物が困難な高齢者や時間に余裕のない共働きの世帯に買い物サービスを展開することで、ユーザーの利便性を向上し、売り上げ拡大につなげる。
共同事業会社「SGローソン株式会社」はローソンが51%、SGホールディングスが49%を出資して6月に設立する予定。東京都世田谷区を中心としたローソン20店舗で、新サービス「SGローソン マチの暮らしサポート」の開始する。
「SGローソン マチの暮らしサポート」は、佐川急便の荷物をローソンの店頭で受け取ることができるほか、専任配送担当者が直接荷物を届けるサービスも展開する。荷物を届ける際、ローソン店頭で販売する弁当類などの商品、「ローソンフレッシュ」の商品の注文を聞く「御用聞きサービス」も展開する。
コンビニ受け取りに関しては、7月から全国1万1125店舗のローソンで展開する予定。このほか、専用配送担当者が荷物を届けるサービスや御用聞きサービスは、2015年中に東京都内約100店舗へサービスを拡大する予定としている。
4月7日に記者会見した玉塚元一社長は「佐川急便の配送のノウハウを吸収することで、効率的な配送が可能になる。コンビニが異業種と組み『御用聞き』まで展開すれば競争力は高まる」と強調。
SGホールディングスの町田公志社長は「半径500メートル以内という、地域住民と密接な関係を作れる範囲の配送を行うことで、たとえば、この人はこの時間に自宅にいるということがわかるようになり、より効率的な配送が行えるようになるのではないか」と話した。
ネットショップ運営者にとって、今回のローソンとSGホールディングスの提携は、プラスの面よりもマイナス面の方が大きいのではないかと考えられる。
コンビニで商品を受け取ることができるようになることで、利便性は高まるだろう。たが、コンビニで商品を受け取る人は一定数いるものの、少数であることは間違いない。そのため、大きなメリットは期待しにくい。
一方で、配送を新会社に委託することへのマイナス面は多いと考えられる。まず、密接な関係構築を不快に感じるユーザーも出てくる可能性がある。「御用聞きサービス」は密接な関係構築をしたのちに提案していくとしているが、そうした関係づくり自体が不快と感じる一般消費者も少なくないと思われる。
また、「御用聞きサービス」のセールスが不快と感じるケースもあるだろう。「御用聞きサービス」でネットショップが取り扱う商品と同様のモノが販売されていた場合、、通販・EC会社はせっかく獲得した顧客を配送窓口で取り逃がしてしまうことも考えられる。