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連載を始めてからいくつかお問い合わせをいただいた「地域活性と高校野球」。仕事柄、出張で全国各地域を回っている私が、自治体や地元の方々とお話し、いつも話題に上るのが「おらが町の高校野球」(ご挨拶の際、だいたい私がその話を振っているというのもありますが……笑)です。

高校球児たちがめざす「甲子園」。ECと甲子園――あまり関係のないこの単語の組み合わせが、今後の地域活性とECを支える存在になるかもしれません。

地方のネット通販会社は野球好きが多い

私は昔から野球全般が好き過ぎて、小学生のときからの趣味が「プロ野球名鑑に載っている選手の出身高校を覚える」ことでした。

そんな変態的な趣味が高じて、47都道府県すべての土地の人と、地元の野球強豪校、出身プロ野球選手について「それなりに」語り合うことができるが私の特技。実はこれ、“地域活性”という仕事で全国を回る際、ビジネスに生かすことができているんです(と信じています)。

全国各地の店舗さんのなかには、地元愛のカタチとして高校野球に熱い想いを持っている方が多く、優勝しようものなら店舗でお祝いセールが開催されたりしています。

ネット通販においてGショックの販売量が全国トップクラスである「加藤時計店」(高知県)の加藤社長は、土佐高校のご出身。高知県大会の地方予選の速報は、ネットのニュースよりも加藤さんのFacebookの投稿を見た方が早いというくらい、県内の高校野球、特に土佐高校に対しての思い入れは相当のもの。

土佐高校は、高知県内で文武両道の学校として名が通っていて、野球の強豪校でもあります。特に攻守交代の際の全力疾走は有名であ、ネット販売でも常に全力疾走している加藤さんと球児たちが、勝手に私のなかでシンクロします。

また、総務省のアドバイザーとして伺った広島県福山市役所の課長さんとは広島県内の高校野球話で大盛り上がり。5月にお邪魔した愛媛県新居浜市役所とは現在、楽天でふるさと納税を開始し、2015年比で何十倍もの寄付額を集めているという報告を受けています。

このように全国の自治体の方や、各地で商売をされている店舗さんたちと、そのご当地の高校野球トークをするのもこれまた醍醐味。高校野球の話がキッカケでお互いの壁が一気になくなり、仕事の話もスムーズに進んでいくこという効果もあるんです。

もうひとつの熱い「甲子園」

ここまで「高校野球」の話がメインとなってしまいました……ベースボールマガジン社の「週刊ベースボール」ではなく、インプレス社の「ネットショップ担当者フォーラム」ですから、ここからはECに関連する「もうひとつの甲子園」を紹介します。

高校球児たちの熱量に負けずとも劣らない、ITに関する高校生たちの戦いの舞台「甲子園」はご存知でしょうか? その名も「楽天IT学校甲子園」です。

「楽天IT学校」という楽天のCSR活動としてスタート。サイト上には以下のような説明があります。

高校生にインターネットの可能性・ビジネスチャンスの広がりを理解いただくため、「楽天市場店舗・楽天トラベル施設」×「学校」×「楽天」の3者連携により実施する、 電子商取引授業の取り組みです。授業では、楽天のネットショップ運営における成功のフレームワークや、楽天独自のB2B2Cモデルを伝える他、地元市場店舗・トラベル施設のもつ、ビジネスの実体験・ノウハウを伝えます。

1年間に及ぶ授業を通じて、高校生は自ら商品企画・立案を行い、実際にネット販売まで行う実践的な取り組み内容となります。楽天はこの取り組みを通じて、高校生にインターネットの可能性やビジネスの楽しさ・厳しさを伝える事で、高校生のアントレプレナーシップ育成による雇用創出、地域創生への寄与を目指しています。

楽天IT学校甲子園決勝で東京に訪れた全国の高校生たち

2008年頃からトライアルの授業を開始。2015年には全国47都道府県すべての高校(合計60校近く)で、授業を開催しています。

「楽天IT学校甲子園」の講師をする店舗さんらは、次のような熱いメッセージが高校生に送っています。

自分が今までECの世界で学んできたことを、若い世代に継承していきたい

地元の高校生たちにeコマースで頑張っている会社があることを知ってもらいたい

都市部ではなくても、地元でも仕事があることを知ってほしい

「楽天IT学校甲子園」を受け入れた高校の先生からは、「社会で実際に仕事をする上での厳しさを生徒たちに体感させたい」という期待の声をいただきます。実際、チームごとに1か月ほどネット販売期間を行うと、優劣がつきます。

なぜ売れたのか? なぜ売れなかったのか? もっと売れるようになるためにはどうすればいいか? 振り返りと試行錯誤のプロセスを学び、経験して生徒たちは大きく成長していきます。

私も伏見工業・大分商業・高岡商業・岐阜商業など(高校野球かラグビーの強豪校ばかり。たまたまですが)で講師をしました。生徒たちの目の色が変わり本気になっていく様子を見ると、講師側の私たちも感情移入し、何としても「売れてほしい」「頑張ってほしい」と思うのです。

「楽天IT学校甲子園」は、47都道府県のIT学校開催校から、優秀な成績を収めた代表チームが東京に集結。学びの成果を発表するという場として開催しています。

この発表の審査員は、楽天の店舗さんたちにお願いをしています。プロの視点で、「商品の魅力は伝わるページか?」「買いたくなるページか?」「グッとくるプレゼンができているか?」などを厳しく審査します。

2015年度の「楽天IT学校甲子園」の優勝校は、愛媛県代表の今治北高校。この優勝を支えたのが、同じ愛媛県の新居浜市で店舗運営をしている「抹茶と茶道具 ティーフォーユー 香月園」の大久保眞樹社長です。

大久保社長は「楽天IT学校甲子園」の趣旨に理解・賛同。「楽天IT学校甲子園」の直前には、往復2時間もかかる新居浜(会社)~今治(学校)間を、週に何度も通い、生徒たちに熱い指導をしていました。

生徒たちには、最初の頃から「全国優勝を目標にやっていこう」と話していた大久保さんですが、自身の経験をもとに「eコマースなくして四国の未来なし」というメッセージも常日頃、口酸っぱくお話しています。

そうした実績に基づいた説得力のあるメッセージが、生徒たちにもしっかり伝わり、もうひとつの甲子園の「優勝」につながったのだと思います。

甲子園で活躍した高校球児たちがその後、プロ野球などの世界でさらに飛躍していくように、この「IT学校甲子園」でECを学んだ高校生たちが、今後、EC業界で活躍する姿をみることができる日も近いと思います。

2015年度の楽天IT学校甲子園にて見事優勝した今治北高校の生徒と、「香月園」の大久保社長(写真最右)

2015年度の楽天IT学校甲子園にて見事優勝した今治北高校の生徒と、「香月園」の大久保社長(写真最右)
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塩沢 友孝

楽天株式会社 ECカンパニー 地域活性課 シニアマネージャー

楽天には2003年8月入社、社員番号は555番、今年で14年目。無類の野球好き(とくに高校野球)、2児の父(NHKの『おとうさんスイッチ』に5年前に出ました)。普段は全国の地方自治体への事業提案などで弾丸出張の機会が多く、今回の連載では、「どうやったら地元を元気にできるか?」と常日頃からお考えの自治体職員の皆さまに特にお読みいただきたく、何か少しでもヒントになれば幸いです。

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