2018年に注目すべきEC・デジタルマーケティングのトレンドまとめ[Criteo発表]
ディスプレー広告の配信ネットワークを提供するCriteoは1月10日、2018年に注目すべきECのマーケティングトレンドをまとめた「2018年デジタルコマース&マーケティングの展望」を公表した。
2018年のキートレンドとして8項目をあげ、それぞれの動向を次のように予想している。
①音声ショッピングの台頭
「Google Home」や「Amazon Echo」といったデバイスを通じ、これまで以上に音声でショッピングを行うユーザーが増加。Appleの「HomePod」、Googleの「Home Max」、Facebookの「Aloha」などがこの競争に加わる。音声広告においては、商品や広告コンテンツがパーソナライズされるようになるという。
CriteoとKantar/MillwardBrownのTransition Reportの調査によると、多くの企業のブランドマネージャーは、音声AIアシスタントや家庭用スマートスピーカーが今後2年間で活用されるようになると考えている。
②ソーシャルコマースの相関性
ソーシャル・ネットワーキング・サービスとECの境界線が希薄化する。FacebookはMarketplaceサービスを米国、英国、オーストラリアなどで提供。Amazonは「Amazon Spark」の提供を通じてソーシャル領域へと事業を拡大している。
主要なソーシャルネットワークが顧客データを囲い込むようになると、広告主と小売業者は、顧客との関係を掌握する方法と、それに付随するデータを追求する必要がある。
③オフラインからオンラインへの販売の接続
オフラインとオンラインのデータ連携が進む。たとえば、小売業者は見込み客をオンライン上で見つけてリーチするために、実店舗のCRMデータを活用し、リエンゲージメントやアップセルのためのパーソナライズされたキャンペーンを実施するほか、オフラインでの購買行動のデータを、オンラインの取引データと連携することに重点を置くようになる。
④データコラボレーションの必要性の高まり
小売業者やブランドは、より良好な顧客関係を構築するために、これまで以上にデータを活用してコンテンツを個人に最適化することが求められる。マーケティング部門の幹部の多くがデータ連携が収益の増加、利益の増加、顧客満足度の向上につながると考えている。
⑤製品フィード最適化の力
優れた買い物の体験を提供するために、「コンテクスト商品の写真」「高解像度のクローズアップ」「360度の画像」などが重要になる。広告主にとって、店舗のデータをユーザーレビューなどのコンテンツと統合しつつ、ブランドや小売業者からの製品情報を関連付けていくには、データ管理がこれまで以上に重要になる。
⑥一般データ保護規制(GDPR)とデータ管理の理解
2018年5月25日に発効する欧州における一般データ保護規制(GDPR)は、欧州連合(EU)で事業を行う企業に影響を与える。マーケティング担当者はオーディエンスデータをより慎重に管理する必要がある。
⑦動画の戦い
より多くの動画コンテンツに広告が挿入され、新しいプログラマティック動画広告枠の可能性が拡大する。Facebook、YouTube、Instagram、Snapchatなどのソーシャルプラットフォームは動画をより優先するようになる。
消費者がオンライン動画を視聴する時間は着実に増加。動画の消費量が増えるほど、広告が多くなり、広告主とそのパートナーにとって新たな戦いが起こる。
⑧買収とパートナーシップの成長
2017年はAmazonとWhole Foods、AmazonとKohl'sなど、大規模な小売買収とパートナーシップが行われた。WalmartはModCloth、Bonobos、Shoes.comを買収した。2018年も多くの小売業者やブランドが、競争力を維持し、事業の拡大と強化を図るため、戦略的買収とパートナーシップを模索する。
Criteoはこうしたトレンドを踏まえ、2018年は「大手との競争力を保つために、データを連携してプール化」「シームレスで関連性の高いショッピング体験をすべてのデバイスやチャンネルに提供」「買い物客に刺激を与えるための体験を提供」を考慮する必要があると指摘している。