イオンが「デジタルシフト」を加速――米ベンチャーへ出資、デジタル事業担当を新設
イオンは2020年に向けた中期経営方針でデジタルシフトの加速を掲げている
イオンは4月11日、米国でECビジネスを手がけるBoxedへの出資、構造改革の一環として「デジタル事業担当」を新設すると発表した。中期経営方針で掲げたデジタルシフトの加速を進める。
Boxedが持つ物流自動化システムや人工知能(AI)のノウハウを獲得するのが狙い。
Boxedは2013年に設立した米国のスタートアップ企業。イオンによると、Boxedは自動化された物流システムのノウハウを持つほか、AIを活用したアルゴリズムによる顧客提案を行えるとしている。
イオンは出資のメリットとして次の2点をあげている。
- 物流におけるパートナーシップ:Boxedの物流幹部を招聘し、イオン独自の専任チームを組成することで、物流ノウハウを習得
- データプラットフォームにおけるパートナーシップ:オンラインビジネスにおけるデータ管理・活用、AI技術のノウハウを習得
デジタルシフトの一環として「デジタル事業担当」を4月11日付で新設。その執行役にイオンドットコム社長の齊藤岳彦氏が就いた。
齊藤氏はイオンのEコマース事業最高経営責任者補佐、イオンダイレクト(当時、現在はイオンドットコム)社長、イオンリテールのオムニチャネル推進本部長、取締役執行役員 営業推進本部長などを歴任。現在はイオンドットコム社長も務める。
イオンは2017年12月、2020年に向けた中期経営方針を発表し、グループ戦略の1つにデジタルシフトの加速を掲げた。これまでの店舗を中心とした投資から、ITやデジタル、物流への「投資のシフト」を打ち出している。
グループのデジタル事業を強化するため、ECのマーケットプレイス運営に参入する計画もある。中小事業者や生産者、テナント、グループ会社の出品・出店を見込んでいるという。
グループ売上高に占めるデジタル売上高は2016年時点で0.7%。この比率を2020年に12%まで引き上げる計画だ。2017年2月期の連結売上高は約8兆2100億円だったため、単純計算でデジタル売上高は約570億円。
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