藤田遥 2020/3/19 7:00

フェリシモはPC上で行う作業を自動化するソリューションであるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入し、ECサイトの在庫管理やカタログの印刷原稿チェックといった業務を自動化、年間約3,000時間の工数削減を実現した。

在庫チェック・受注予測を自動化。発注ロス率も軽減

フェリシモが導入したRPAは、ブレインパッドが提供する「ブレインロボ(BrainRobo)」。データ入力などの定型業務やWebサイトの情報収集・調査といった人が行っていた作業を、ノンコーディングで自動化・効率化するソリューション。ブレインパッドのAI(人工知能)や機械学習技術などを付加し、人が判断しなければならない高度な業務の効率化を可能にしている。

フェリシモの調達部門では、ユーザーからの受注数予測と合わせて、在庫の過剰や不足を算出する作業を毎日実施。業務の重要度が高いため属人化が進んでいた。

「ブレインロボ」を用いて、在庫数の計測とシステムへの入力作業をすべて自動化するプログラムを構築し、月あたり約40時間の作業がゼロになった。また、削減した作業時間は仕入れ先との交渉などに充当、人が介在しなければならない業務へリソースを割くことで調達実績が向上したという。

加えて、ロボットによる在庫チェック回数を増やすことで受注予測の正確性を向上、発注ロス率が大幅に軽減した。

カタログ原稿チェックの自動化

商品カタログを用いた通信販売事業において、印刷原稿のチェックはユーザーに正確な商品情報を伝えるために重要な業務。しかし、商品のマスタデータと印刷原稿を照合し、商品名・商品コード・価格などが正しく記載されているかの確認作業には、手慣れた社員でも1商品につき1分は必要で、商品数が300個の場合は約5時間かかっていた。1種のカタログに対して複数回チェックを行うため、膨大な工数が発生していたという。

チェック業務の自動化に向け、原稿のPDFファイルからテキストデータを自動抽出してマスタデータと照合するプログラムを構築。その結果、原稿チェックが数秒で自動的に完了できるようになった。また、チェックの見落としがなくなり、業務時間の大幅な削減につながった。

導入による工数削減に対し、フェリシモMC本部業務基盤グループリーダー兼経営企画室広報部部長の吉川貴志氏は以下のようにコメントしている。

「ブレインロボ(BrainRobo)」の導入は、業務の効率化だけでなく現場スタッフが自分自身の業務を見直すきっかけになりました。社員発案による「フェリシモ こびと隊」によって「この作業は属人化しているから自動化できる」「自分がロボットを作るならこうしたい」といった意見がたびたび出てくるようになり、RPAの活用意欲が高まってきていると感じます。

導入背景とフェリシモ発案の「こびと隊」

導入の背景についてブレインパッドは、「フェリシモはかねてより積極的なIT活用に取り組んでおり、業務効率化を目的としたITシステムを導入してきた。結果、個々の業務効率は向上したが、複数のITシステムを併用することによって生じるシステム間の連携などを人の手で行うこととなり、煩雑化と属人化が課題となっていた。課題の解決およびさらなる業務効率化のため『ブレインロボ(BrainRobo)』を導入した」と説明。

フェリシモは導入に際し、RPAの活用を社内に浸透させるためにロボットをキャラクター化して「フェリシモ こびと隊」と名付け、「社員とともに業務を行う仲間としてRPAを迎え入れる」という取り組みを行った。

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