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寒くなってきましたね〜。寒くなってくると無性に食べたくなるのがラーメン。でも、有名店はどこも行列です。並ぶのは嫌。っていうか、寒いから出掛けるのも嫌! でも人気店の美味しいラーメンが食べたい! そんなワガママをかなえてくれるネットショップが、宅麺なんです! 写真◎吉田 浩章

日本中の美味しいラーメンが食べられます

宅麺とは、ラーメン・つけ麺専門のお取り寄せサイト。日本各地のラーメン店で提供しているスープ、麺、具材をお店でそのまま冷凍しています。届いたら解凍するだけ。月に15,000食から20,000食も売れているそうです。

ど・みその特みそこってり
東京でみそラーメンと言えばここ! 自分でもやしとコーンを茹でて、ゆで卵を添えれば「ど・みそ」の特みそこってりも自宅で再現できます。
琴平荘のあっさり中華蕎麦
1年のうち数か月しか食べられない、山形県鶴岡市の旅館「琴平荘」(こんぴらそう)のあっさり中華そばも食べられます。東北の人なら誰もが知っている大人気の味です! 大きなチャーシューとメンマがスープと別のパウチに入っていました。
とみ田のつけそば
宅麺のつけ麺ランキングで1位だった、とみ田のつけそばも注文してみました。千葉県松戸市にあるお店です。つけ麺のスープはしょっぱいイメージでしたが、だしの風味が濃くて美味しいスープでした。大迫力の極太麺も初めての食感でした。
届いたばかりの宅麺
ちなみに届いた時の状態はこんな感じです。同封されていたお手紙によると、ラーメン屋さんで買ったお土産ラーメンを奥さんやお母さんがとても喜んだことが、このサービスを立ち上げたきっかけになったとか。また、この人気のラーメン屋さんのラーメンが食べたくても、混雑した店内ではゆっくり話をしながらラーメンを楽しむことは難しいし、小さなお子さんがいたり忙しかったりで行けない……そんな人にもラーメン楽しんで欲しいと書いてありました。

宅麺のラーメンってどうやってできてるの?

とはいえ、実際どうやって商品を作っているのかピンとこなかったので、東京スタイルみそらーめん「ど・みそ」さんの厨房に潜入して見せてもらいました。

ど・みそ代表取締役 齋藤 賢治さん
案内してくれたのはこの方、「ど・みそ」代表取締役にして釣を愛する齋藤 賢治さん。
みそを入れる
普通にお店のお客さまに出すようにラーメンを作ります。まずは特製のみそだれをどんぶりにイン。
背脂を入れる
味をまろやかにするために、ていねいに煮込んだ背脂を入れます。
パックに詰める
スープを入れで混ぜたら、そのまま宅麺の容器に流し込みます。ホントにお店で食べるラーメンそのものなんですね。
チャーシューをいれる
野菜や卵は冷凍に向かないので入れませんが、冷凍できるチャーシューなどの具はスープの中に入れます。
スープ出来上がり
ぴちっと封をしたら準備完了です。こうした作業がお店で負担にならないかと聞いたところ「昼と夜の営業時間のアイドルタイムにやるので負担にならないよ」とおっしゃっていました。
出荷前
麺と作り方を書いた紙とセットにして、店の中で冷凍してしまいます。この状態で宅麺の配送センターに出発です。毎月100食から200食出荷しているそうです。
齋藤さんと
私もラーメンをいただきました。宅麺さんについておうかがいしたところ「宅麺さんはいきなり飛び込みで来たけど、将来のビジョンとか聞いて、ラーメンだけじゃなくいろいろ考えている人だなと思ってやらせてもらいました。人が良かったんでしょうね」とのことでした。

ITと飲食で生きてきた2人が出会って生まれた宅麺

ところで、宅麺を作った人はどんな人なのでしょうか? グルメイノベーションさんを訪ねました。

グルメイノベーション株式会社 代表取締役 井上 琢磨さん
グルメイノベーション株式会社 代表取締役 井上 琢磨さん
グルメイノベーション株式会社 取締役 営業部長 野間口 兼一さん
グルメイノベーション株式会社 取締役 営業部長 野間口 兼一さん

宅麺は代表取締役の井上さんと取締役の野間口さんの2人で設立されました。井上さんと野間口さんは中学高校の同級生。久しぶりに再会したとき、井上さんはサイバーエージェントをはじめ、IT業界で10数年の経験を持ち、野間口さんは飲食業一筋。井上さんから宅麺のアイデアを聞いた野間口さんは「面白い!」とすぐに決断したそうです。飲食業者の気持ちがわかる野間口さんが営業として取り扱うラーメンを増やすことを担当し、ITに強い井上さんが集客や告知を担当する、という作業分担でスタートしました。

「営業としては、飛び込みでラーメン屋さんに行きました。客として通い詰めたり、子どもを連れて行って美味しいって言わせたりして、1軒1軒賛同を得ていきました。ピーク時は年間400食くらいラーメンを食べていました。あんな営業はできる人はいないと思いますね」(野間口さん)

Twitterで知らない人をご招待!?

宅麺を設立したのは2010年。当時はTwitterが流行し始めた頃で、クーポンサイトが盛り上がっていました。宅麺はクーポンサイトで徐々に知名度を上げていきました。

「当時オフィスが渋谷にあったんですが、“宅麺”ってつぶやきを検索して、つぶやいている人をオフィスにどんどん呼んで、ラーメンを食べてもらっていたんです。そうするとまた『宅麺おいしい!』ってつぶやいてくれる。SNSで広がっていくと、だんだん宅麺のオフィスに行ってラーメンを食べるのがステイタスみたいになってきて、色んな人が来てくれるようになりました。そのうち『投資したい』っていう人が現れたり、テレビに出ることになったりして、どんどん拡散していったんです」(野間口さん)

大胆なマーケティング手法です! お2人のキャラクターがあったからこそ成功したんでしょうね。真似できないです(笑)

「電車に乗っていたら、知らない人たちが宅麺の話をしていたことがあって、こういうのが醍醐味だなあって思ったんです。みんなが宅麺を使ってくれて、すごく良かったって言ってくれて、どんどん可能性が広がっていく。ゾクゾクしますね」(野間口さん)

いつの間にか日本のラーメン業界に横串が刺さってた!

そんなこんなでわずか4年で知名度を上げた宅麺。この秋、海外進出のニュースが話題になりました。

「ラーメン屋さんって個人事業主の集まりなんですよね。7,000億円くらいの市場って言われているんですが、トップシェアでも400億くらい。それくらいたくさんのラーメン屋さんがあるんですが、僕らはそのトップランナーたちを束ねてるってことに途中で気がついたんです。日本中にリーチできないラーメン店が1つもない。こんな風に横串を刺せる企業は他にないです」(野間口さん)

気がついたらそんな状態になっていたなんてびっくりですね。さらにドバイやシンガポールなど、世界中から「日本のラーメンでビジネスをしたい」という相談が持ちかけられるそうです。

「海外に行くと実感しますが、日本のラーメンはすごいんです。ラーメンとアニメは日本のキラーコンテンツだと思いますね。世界中で日本のラーメンはすでに認知されていて、日本のラーメンでビジネスをしたいと思っている人は世界中にいる。僕らも何かできないかと思ったんです」(野間口さん)

「本当の日本のラーメン」を世界中に知ってもらいたい

そんなわけで始まった宅麺の海外進出。1つの店舗で6つの店のラーメン(ど・みそさんも入ってます!)を食べられる、おそらく世界初の店舗をシンガポールに立て続けに2店舗オープンさせました。でもなんでシンガポールだったんでしょうか?

「情報発信力とマーケットサイズがちょうど良かったのがシンガポールだったんです。タレは輸入ですが、店からレシピを預かって、スープはシンガポールのセントラルキッチンで作っています。スタッフは基本的に日本人。人件費が高いから単価も高いんですが、その代わり『本物を出します』『種類も豊富です』っていうスタンスでやっています。それに、日本だとラーメン1杯が1,000円を超えることってあんまりないですけど、シンガポールでは1,500円くらい。日本食として現地の人に受け入れられているので、マーケットとして日本より魅力的と言えます」(井上さん)

日本で好まれる味が、海外でもそのまま好まれるんでしょうか?

「海外ではスープの塩分濃度が日本と同じだと『しょっぱい』って言われるんです。でもあえてそのままにして、麺をもっと食べてもらいたいと思っています。海外でラーメンを食べても、現地向けにローカライズされているので日本人が食べて美味しいものはないですよね。うちは真っ向から日本人向け。ローカライズした減塩タイプも出していますが、日本人向けのしょっぱいのがメイン。現地の日本人はすごく喜んでくれますよ。シンガポールの人も最初はしょっぱいと思うかもしれないけど、徐々にはまっていくはずなんです。そういう啓蒙活動も僕たちはしていこうと思っています。これが本当の日本のラーメンですって、世界中に発信し続けたいんです」(井上さん)

宅麺の海外進出は、ラーメン店にとってもチャンスです。なんといっても、まったく金銭的なリスクを負うことなく海外進出できるのです。お店には売れた杯数に応じてロイヤリティーが支払われますが、もし100店舗、1,000店舗になったら…すごいです!

井上さん野間口さんと
どこの国に出店するか決めていたい段階で、ご家族を連れてマレーシアに移住してしまった井上さん。この日はたまたま日本に戻っていました。「『日本にいて海外うんぬん言ってても仕方ないから行ってくるわ』って感じで行っちゃったんです」(野間口さん)。お2人のやり取りは漫才みたいでした。

世界一のラーメンカンパニーを目指して

今後の予定や野望はなんでしょう?

「シンガポールのお店を5店舗くらいに増やして、アジアを中心に世界中に展開していきたいです。1つのブランド固定で海外に展開するって、すごく難しいと思うんですよね。日本のラーメンも流行があって、ブランドだけじゃなくて味のブームがある。うちは日本の『いま旬の味』を海外にレシピごと持って行けるのが強みです。今はとんこつラーメンが中心ですが、とんこつ以外も二郎系とか、ベースはとんこつなんですが家系とか、あと鶏白湯とかタンタンメンとか、ラーメンにもいろんなジャンルがあるんだよってことも海外の人に知ってもらいたい。それぞれにファンが付けば、とんこつ以外のラーメン市場できて市場全体が大きくなると思います。アジアで20%のシェアを取り続けることができたら、市場が1兆円になったとき、僕らは2千億の会社になれるんです。そのときにはラーメン屋さんの中でトップシェアを取れることになりますから」(井上さん)

「目標は世界一のラーメンカンパニーです。『世界を目指すぜ』って言ってるベンチャーっていっぱいあると思うんですけど、競合にGoogleとか入ってたらもう無理じゃないですか。僕らは競合がいないでしょ? だから現実味がある」(野間口さん)

♡♡♡

強烈でした宅麺さん!!! お2人の話しを聞いて衝撃を受けた私は、早速実家の母に宅麺を送ったり、会う人会う人に「宅麺がすごかったー!」と言い回ったり、ラーメン屋さんに足を運ぶ回数が増えたりと、ラーメンに対してテンションが上がりっぱなしです(笑)

みんなが大好きなラーメン♡ いま世界中で起きているこのラーメンブームは一体なんなんだ?! とびっくりすることが多々ありますが、そう感じているのは私だけではないと思います。

今年パリに滞在した際も、見渡す限りラーメン屋さんが立ち並ぶ日本人街によく行きました。1杯12ユーロ(1,800円弱)もする日本のラーメンを求めて行列が途切れない上に、ラーメン屋をはしごするフランス人を見かけたことも。

遠く南米の地から日本にやって来たコスタリカ人の友人は、日本のラーメンの美味しさに衝撃を受けて帰国しましたが、その後もラーメンの話題でやり取りが続いています。

また、自宅の近所にバックパッカーズホテルがあるのですが、「ラーメンを食べに日本に来ました!」という外国人を見かけたことは、一度や二度ではありません。

ラーメンは私たち日本人にとって国民食ですが、いまや世界中から愛されて、日本の食文化を代表する存在になっているのです! 一杯のラーメンで、日本と世界がつながっていっているのだと思うとゾクゾクします。

日本のラーメン業界に横串を刺すという、誰もやっていないことをやってみせて、「今後の目標は世界征服」と真顔で答えたお2人。言葉より何より、私はこの時の2人の目の強さが忘れられません。それは近い未来に、きっと実現されるビジョン。

宅麺が世界征服を果たすということは、日本の美味しいラーメンで世界中の人が幸せな気持ちになること。そして、日本がもっと愛される国になるということ。なんだかもう、最高じゃないですか! がんばれ、日本のヒーローTAKUMEN!

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はぴさや

2007年よりWeb媒体を中心としたメディア番組やCMでモデル、レポーターとして活動を始める。

2011年以降、地元福島で起きた震災をきっかけに“東北の今”を伝えるメッセンジャーとして、国内外で行われたイベントに多数参加。

現在はフリーランスとしてメディアへの原稿執筆や企画・デザインを行う他、地方創生を目的としたドローンの活用や魅力を発信している。

好きなものは、旅と茶道と美味しいごはん

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