口コミラボ[転載元] 2022/9/26 7:00

ダイレクトマーケティングとは、企業が顧客一人ひとりと直接コミュニケーションを取るマーケティング手法です。顧客との距離が近い飲食店や小売業など、BtoC事業においても高い効果が期待できます。

具体的には、手紙やハガキを送付するダイレクトメールや電話営業のほか、インターネットを活用したプロモーションなどです。

本記事では、ダイレクトマーケティング取り組み時の注意点や手法、ダイレクトマーケティングに成功している企業事例について解説します。

ダイレクトマーケティングとは

ダイレクトマーケティングとは、企業と顧客が1対1で直接コミュニケーションを取りながらアピールするマーケティング手法です。手紙や電話のほか、インターネットを活用する方法も多く見られます。

ダイレクトマーケティングはマスマーケティングに対する批判から生まれています。マスマーケティングは、マスメディアを利用した、企業から不特定多数への一方的なマーケティング手法です。

大量生産・大量消費を前提とした商品には有効な方法ですが、現代のような情報であふれ、多種多様なニーズを持つ顧客への対応としては難しくなってきました。ダイレクトマーケティングであれば顧客それぞれの特性に応じた方法でアプローチするため、より細やかな対応が可能となります。

ダイレクトマーケティングに向いている業種

ダイレクトマーケティングが向いている業種は、BtoC事業の場合、個人の趣向やニーズが多種多様に広がっている分野です。

例えば化粧品やアパレル、教育、食品などは個人によって関心度や意識の高さが異なります。一人ひとりに違った対応をする必要があるため、ダイレクトマーケティングが活かしやすいです。

また、自社のECサイトを持っている場合は特にダイレクトマーケティングが向いています。顧客の居住地域や年齢、さらに購買情報まで把握できるため、顧客分析がしやすく効率的に施策が進められます。

ダイレクトマーケティング取り組み時の注意点

顧客に応じて細やかなアプローチができるダイレクトマーケティングですが、次の2点に注意が必要です。

  • 長期的に取り組む必要がある
  • 顧客理解を深めておく必要がある

この2点を理解せずに取り組んでしまうと、思うような結果が得られず無駄なコストが発生してしまう可能性もあります。

長期的に取り組む必要がある

1つ目は、長期的に取り組む必要がある点です。

ダイレクトマーケティングは顧客情報が必要不可欠なため、まずは情報を蓄積しなければなりません。できるだけ多くの情報を集めるために、時間をかけた集客が必要です。

また、実際にダイレクトマーケティングに取り組む際には印刷費や郵送費、人件費等のコストがかかります。すぐに効果が出るとは限らないうえに、顧客の反応を見てさらに改良を加えなければならない可能性も生じます。

ダイレクトマーケティングに取り組む際は、顧客情報の蓄積、初期投資の回収それぞれに時間がかかることを理解し、長期的に取り組みましょう。

顧客理解を深めておく必要がある

2つ目は、顧客理解を深めておく必要がある点です。

ダイレクトマーケティングに取り組む際には、ターゲットを明確にし、顧客情報を分析しなければなりません。

例えば、若者世代には電話よりもインターネットを利用した手法のほうが効果が見込めるでしょう。しかしインターネットといっても、web広告なのか、SNSなのか、さらにどのSNS媒体を利用するかによって見込まれる結果は変わります。

また、ターゲットが10代なのか30代なのかによって、媒体だけでなく、内容やデザイン、さらに発信する時間帯にいたるまで分析する必要があります。あらかじめ顧客理解を深めておかなければ、せっかくダイレクトマーケティングを行っても思うような結果が得られません。

6つのダイレクトマーケティング手法

ダイレクトマーケティングの手法は、主に次の6つです。

  • ダイレクトメール
  • 電話
  • Eメール
  • web広告
  • SNS
  • レコメンデーション

ターゲットの属性や自社商品との相性から、もっとも適した手法を選びましょう。

ダイレクトメール

ダイレクトメールは、ターゲットに対して、ハガキや手紙を直接顧客の家へ送付する手法です。ダイレクトメールのメリットは、顧客が何度も見返せるので、自社商品について深く知ってもらうきっかけが生まれる点です。

また、クーポンや商品サンプルを同梱することで、顧客からのレスポンス率の向上も期待できます。ただし印刷費や郵送費など、コストがかかりやすい点には注意が必要です。

電話

電話は、消費者からの連絡を受けるインバウンド方式と、企業から販売促進のための営業を行うアウトバウンド方式の2種類あります。

電話のメリットは、何より顧客と直接対話できる点です。文章ではわかりにくい顧客の感情が読み取れ、よりリアルな反応が感じられます。また、対話だからこその安心感が生まれ、顧客の不安が取り除かれやすいでしょう。

注意点は、スムーズに会話を進めなければならないため、営業担当やオペレーターの育成が必要な点です。

Eメール

Eメールには、主に次の3つの方法があります。

  • 定期的に配信するメールマガジン
  • 商品購入などのアクションに応じて段階的に送信するステップメール
  • 特定の顧客層だけに送信するセグメントメール

Eメールのメリットは、手軽に低コストで始められる点です。また、自社サイトの閲覧に繋げやすい点も挙げられます。ただし、あまりにも配信頻度が高いとわずらわしく思われてしまうので注意しましょう。

web広告

web広告は、ターゲットが閲覧しているwebサイトやスマートフォンアプリなどに自社の広告を表示させる手法です。

web広告のメリットは、施策の効果が計りやすい点です。広告がクリックされた回数や、そこから購入に繋がった回数などが記録されるため、より効果が出るよう改善できますweb広告媒体にもトレンドがあるので、常に最新の情報に注目しなければならない点には注意しましょう。

SNS

SNSを利用したダイレクトマーケティングには、主に次の3つの方法があります。

  • 自社のSNSアカウントを作成し情報発信
  • SNS上での広告配信
  • SNS上でのキャンペーン

SNSのメリットは、自社のファンを増やすきっかけを作れる点です。顧客と直接繋がれるので、素直な意見が聞ける、ダイレクトに意見交換ができるのが特徴です。

また、顧客がSNSで発信した自社商品へのコメントやレビューなどは、商品開発はもちろん、SNSでのダイレクトマーケティングを進めるにあたって非常に貴重な情報です。一方的な発信だけでなく、双方向のコミュニケーションとなるよう意識しましょう。

レコメンデーション

レコメンデーションは、顧客の購入履歴や閲覧履歴から、興味がありそうな関連商品などを表示させる方法です。特にECサイト上でよく利用されています。

レコメンデーションのメリットは、顧客のニーズが満たされやすい点です。また、顧客により豊かな選択肢を与えることで、満足度の向上も期待できます。

ただし、システム上のルールによってはニッチな商品などが表示されにくくなってしまうので、注意が必要です。

ダイレクトマーケティングの成功事例

ここでは、実際にダイレクトマーケティングに取り組み、成功している企業の事例を解説します。

DHC|顧客の流出を防ぐダイレクトマーケティング

化粧品や健康食品を販売しているDHCでは、主にダイレクトメールやEメールによるダイレクトマーケティングを行っています。

例えば、健康食品を定期購入に繋げるため、初回購入日から3か月目にプレゼントを進呈します。このプレゼントは顧客の属性に基づき選別されており、より次の購買へとつなげやすくなっています。

顧客分析を徹底したうえで直接働きかけることで、顧客の流出を防ぎ止めています。

ベネッセ|子供の成長に合わせたダイレクトマーケティング

通信教育分野に携わっているベネッセでは、主にダイレクトメールによるダイレクトマーケティングを行っています。

例えば、顧客の子供の幼稚園入園や小学校入学の時期に合わせてダイレクトメールを送付します。同梱物はお試し用教材や絵本、マンガなど、子供も興味を持ちやすい内容になっている点もポイントです。

親子ともに新しい環境への関心が高まる時期にダイレクトメールを送付することで、契約率が高まります。

CHIPPRUSON|最適なSNS選択によるダイレクトマーケティング

京都にあるパン屋であるCHIPPRUSONでは、SNSを活用したダイレクトマーケティングを行っています。

CHIPPRUSONは現在1店舗のみを展開している個人経営のパン屋です。にもかかわらず、Instagramのフォロワーは5万人を超え、多くのファンを獲得しています。投稿しているのは、商品であるパンや店舗の写真が中心で、どれも暖かみのある雰囲気です。

おいしそうかつオシャレな写真や、オーナーの人柄が伝わる文章がターゲットからの共感を呼んでいます。商品、ターゲットともに相性のいいSNSを選択したことで、ファンの増加に成功しました。

ダイレクトマーケティングで顧客の心を掴もう

ダイレクトマーケティングは、顧客の多種多様なニーズに応え、一人ひとりに寄り添った提案ができます。顧客の心を掴み、自社のファンになってもらうことが大切な飲食店や小売業においても、ぜひ取り入れたいアプローチ方法です。

まずは顧客情報を集め、その情報を分析することでより効果的に施策を進められるように努めましょう。ターゲットが明確になれば、自ずと取るべき手法も見えてくるはずです。

この記事を書いた「口コミラボ」さんについて

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