物価高騰の影響によるライフスタイルの変化、半数超が「ネットで食品を購入する機会が増えた」

クラダシが実施した「物価高騰の影響によるライフスタイルの変化についての調査」の調査結果によると、インターネットで食品を購入する機会が増えたと回答した人は52.1%にのぼった

高野 真維

2022年11月11日 8:00

フードロス削減に向けたECサイト「Kuradashi(クラダシ)」を運営するクラダシは、「Kuradashi」利用者を対象とした「物価高騰の影響によるライフスタイルの変化についての調査」を実施した。

調査結果によると、回答者全体の87.2%が、物価高騰が家計に影響していると回答。また、同52.1%が、物価高騰を受けてインターネットで食品を購入する機会が増えたと答えた。

9割近くが“家計に物価高騰の影響あり”

「昨今の物価の高騰は、家計にどの程度の影響があるか」という質問には、物価高騰の家計への影響について「とても影響がある」と48.4%が回答。「やや影響がある」が38.8%で続いた。回答者全体の87.2%が物価高騰の影響があると感じている。

「昨今の物価の高騰は、家計にどの程度の影響があるか」に対する回答

年代別結果では、「とても影響がある」と回答した人が50%を超えたのは、20代~40代とその他という結果だった。40代以降は、年代が上がるにつれて「とても影響がある」と回答した人の割合が減少しており、物価高騰は特に20代~40代の働き盛りの世代に対してより深刻な影響を与えているようだ。 

「昨今の物価の高騰は、家計にどの程度の影響があるか」に対する年代別の回答結果

食品の購入は「お得」を追求する人が増加

「昨今の物価の高騰を受けて、あなたの食生活はどのように変化したか」(n=8035/複数回答)という質問には、「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」という回答が最も多く57.1%、次いで「明らかに価格が高騰した食材は購入する頻度を減らした」が42.7%だった。

「昨今の物価の高騰を受けて、あなたの食生活はどのように変化したか」に対する回答

年代別結果では、「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」という回答は、20歳~29歳は72.1%、50歳~59歳では54.0%。年代によって約20%の差が見られた。

「昨今の物価の高騰を受けて、あなたの食生活はどのように変化したか」に対する年代別の回答結果

「お得に買いたいが、方法や場所がわからない」層が存在

「昨今の物価の高騰を受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」という質問には、「とても思う」と65.2%、「まあ思う」との回答が31.6%となり、回答者全体の96.8%が「よりお得に食品を購入したい」という考えている。

「昨今の物価の高騰を受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」に対する回答

一方で、食生活の変化を尋ねる設問で「よりお得に購入できる方法や場所で食品を購入するようになった」と回答した人は57.1%にとどまっていたことから、「よりお得に食品を購入したいと思っているが、その方法や場所がわからない・手間がかかるなどのハードルがあるために、実践することができていない」という人が一定数存在していることが推察される。

年代別結果では、「その他」を除くと、「とても思う」と回答した人が最も多かったのは20歳~29歳で85.2%だった。「とても思う」と回答した割合は年代が上がるにつれて減少する傾向にあり、若い世代の方がより物価高騰を受けて「よりお得に食品を購入したい」と考えていることがわかる。

「昨今の物価の高騰を受けて、よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」に対する年代別の回答結果

ネットで食品を購入する機会が増えた人は52.1%

「昨今の物価の高騰を受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」という質問には、インターネットで食品を購入する機会は「変わらない」と45.1%が回答した。「とても増えた」「まあ増えた」の回答を合計は全体の52.1%。

「昨今の物価の高騰を受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」に対する回答

年代別結果では、19歳以下と「その他」を除くと、「とても増えた」「まあ増えた」の合計が最も多かったのは70歳以上で57.1%だった。

「昨今の物価の高騰を受けて、インターネットで食品を購入する機会はどのように変化したか」に対する年代別の回答結果

多くの人が“価格の安さ”を賞味期限よりも重視

「食品をよりお得に購入できるとしたら、賞味期限が通常価格の商品より短くても気になりらないか」という質問には、「気にならない」と55.6%が回答、「卵や乳製品など、一部の食品については気になる」と42.3%が答えた。多くの人が賞味期限の長さよりも価格の安さを重視する傾向にある。

「食品をよりお得に購入できるとしたら、賞味期限が通常価格の商品より短くても気になりらないか」に対する回答

年代別結果では、19歳を除いたすべての年代で「気にならない」という回答が50%を超えている。60歳~69歳、70歳以上では約50%と相対的に低く、「その他」を除いて最も多かったのは30歳~39歳で60.8%だった。

「よりお得に食品を購入したいと思うようになったか」という質問の年代別結果と合わせても、「若い世代の方がより価格の安さを重視する傾向にある」と推察される。

「食品をよりお得に購入できるとしたら、賞味期限が通常価格の商品より短くても気になりらないか」に対する年代別の回答結果

「日頃、食品を購入する際に意識していることは何か(優先度の高いものを3つまで選択)」という質問は、「より価格の安いものを購入すること」という回答が54.7%で最多。次いで「できるだけ国産の商品を購入すること」が43.8%となった。

「その他」を除いて最も少なかった回答は「オンラインではなく実店舗で自分の目で見て商品を選ぶこと」で6.0%だった。

クラダシは、「自分の目で見て商品を選ぶこと」の優先度が高くないということが、先述の「インターネットで食品を購入する機会が増えたと答えた方が回答者全体の52.1%」という結果につながっていると分析している。

「日頃、食品を購入する際に意識していることは何か」に対する回答

年代別結果では、「より価格の安いものを購入すること」、「できるだけ国産の商品を購入すること」の回答では年代による差が大きく、優先していることの違いが見られた。

「より価格の安いものを購入すること」を選択した人の割合は、20歳~29歳が最も多く73.8%。そこから年代が上がるにつれて回答者の割合は減少し、70歳以上が最も少なく43.2%だった。

一方で「できるだけ国産の商品を購入すること」を選択した方の割合は、70歳以上が最も多く57.1%で、20歳~29歳が最も少なく19.7%だった。

「日頃、食品を購入する際に意識していることは何か」に対する年代別の回答結果

フードロスの意識は家庭の食費抑制に作用か

「フードロス削減を意識するようになってから、食品の購入や食費全般にかかるコストはどのように変化したか」の質問には、「変わらない」と65.0%が答えた。

「減った」と回答した人は29.5%で、「増えた」と回答した人は5.4%にとどまっている。クラダシは「フードロス削減を意識することで家庭の食に関わるコストは変わらない、もしくはどちらかというと減少する傾向にあるといえる」と指摘している。

「フードロス削減を意識するようになってから、食品の購入や食費全般にかかるコストはどのように変化したか」に対する回答

年代別結果では、19歳以下を除くと、「減った」という回答が30%を超えているのは50歳~59歳、60歳~69歳だった。

「フードロス削減を意識するようになってから、食品の購入や食費全般にかかるコストはどのように変化したか」に対する年代別の回答結果

「 『Kuradashi』 を利用する理由として当てはまるものをすべて選択」(n=1万2227/複数回答)という質問には、「お得にお買い物ができるから」が最も多く86.2%、次いで「フードロス削減に貢献できるから」で73.0%だった。

「 『Kuradashi』 を利用する理由として当てはまるものをすべて選択」に対する回答

年代別結果では、各回答の割合に年代ごとに大きな差は見られなかった。

「 『Kuradashi』 を利用する理由として当てはまるものをすべて選択」に対する年代別の回答結果

「この1年間で『Kuradashi』の使い方に変化はあったか」という選択式の質問には、「割引率の高い商品を購入する頻度が増えた」と回答した人が最も多く34.8%で、よりお得感を求めて「Kuradashi」を利用していることが推察された。次いで多かったのは「『Kuradashi』で購入する頻度が増えた」で29.8%だった。

「この1年間で『Kuradashi』の使い方に変化はあったか」に対する回答

年代別結果では、30歳~39歳では「家計を節約するために『Kuradashi』で購入するようになった」という回答が2番目に多く、他の年代と比較して家計節約の目的での「Kuradashi」利用が増えている。

60歳~69歳、70歳以上では「割引率の高い商品を購入する頻度が増えた」「冷凍や常温保温できる商品を購入する頻度が増えた」「おすそ分けできる商品を購入する頻度が増えた」という回答が他の年代と比較して多くなっている。

「この1年間で『Kuradashi』の使い方に変化はあったか」に対する年代別の回答結果

調査概要

  • 調査名:フードロス削減に関するアンケート
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査期間:2022年9月2日~9月9日
  • 有効回答数:4322人
  • 有効回答者属性の年齢 19歳以下:0.1%/20歳~29歳:1.4%/30歳~39歳:8.1%/40歳~49歳:26.7%/50歳~59歳:36.3%/60歳~69歳:21.0%/70歳以上:6.3%/その他:0.1%
  • 有効回答者属性の性別 男性:28.7%/女性:70.7%/その他:0.6%
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