高野 真維 2023/1/26 11:00

​ネットショップ支援室は、ECカートシステム「楽楽リピート」にCRMの成果を可視化する顧客分析手法「新CPM分析機能」を搭載した。

「新CPM分析」は、購入回数や最終購買日といったデータから顧客の稼働状態や維持状態を分析し、顧客を資産として捉える「顧客BS」、顧客推移の全体像を可視化する「ゴールド顧客育成マップ」の両軸でCRMの成果を可視化する顧客分析手法。

LTVの他に、「顧客維持率」「稼働顧客数」「顧客残存率」の新たな指標を用いてCRMの成果を可視化する。

さまざまな要因によって新規獲得コストが高騰するなか、改めて既存顧客の維持・育成(CRM)を重視する事業者が増加している。本質的なCRMに取り組む通販企業を支援するため、機能開発・提供を通して“新CPM分析”の考え方と理論を普及するため、開発した。

「顧客BS」「ゴールド顧客育成マップ」とは

5年先までの顧客数と売上を測る「顧客BS」機能

「顧客BS」機能は、現在の継続率(顧客維持率)を元に、5年先までの顧客数と売り上げを予測・表示する。

顧客BSのポイントは、「新規顧客を獲得せずに既存顧客だけで売上を構築するとどうなるか」を予測する点。 ショップあるいはブランドを支持しファンになってくれた方の人数(稼働顧客数)と得られる売り上げ(5年間の売上累計額)を、CRMの成果として数字で測ることができる。

顧客のグループごとに、5年先までの顧客数と売り上げを予測・表示する
顧客のグループごとに、5年先までの顧客数と売り上げを予測・表示する

「顧客BS」はこのほか、稼働顧客の離脱による売上減少の兆候を察知し、原因特定や対策を講じて歯止めをかけるための役割を果たす。

顧客維持率と売り上げは密接に関係する。顧客数が減り始めてから売り上げが下がるまでは3か月~半年ほどのタイムラグがあるといい、日々の売り上げやLTVのような指標だけでなく、定期的に顧客数や顧客維持率の変化を見ることが重要だという。

顧客の「残存率」を表す「ゴールド顧客育成マップ」機能

「ゴールド顧客育成マップ」機能は、F1~F5までの顧客分類ごとの維持率・離脱率・復帰率をマップにし、最終的に新規獲得顧客がどのくらい「F5(ゴールド顧客)継続」まで残存するかを「残存率」という指数で表す。「残存率」は、新規獲得に依存したEC運営になっていないかどうかを判断する指標になる。

※FはFrequency(頻度)。F1は初回顧客、F2は2回目の購入につながった顧客。F3~F5はn回目の定義を自由に設定可能

顧客分類ごとの維持率・離脱率・復帰率を可視化する「ゴールド顧客育成マップ」
顧客分類ごとの維持率・離脱率・復帰率を可視化する「ゴールド顧客育成マップ」
顧客分類の定義は「F3」以降、任意で変更できる
顧客分類の定義は「F3」以降、任意で変更できる

「ゴールド顧客育成マップ」は、「顧客BS」と併用してCRMのPDCAサイクルを回していくこともできる。

たとえば「顧客BS」で顧客維持率の低下(=継続率の低下)が見られた場合、「ゴールド顧客育成マップ」を用いて維持率・離脱率・復帰率を確認し、どのグループに対するCRM施策に改善の余地があるのかを判断できる。

多くの通販事業者が抱えるLTVの課題とは?

ネットショップ支援室は、ほとんどの通販企業が「ネットショップの運営において、LTVの向上は切っても切り離せない」と考えているにもかかわらず「既存個客のLTVがなかなか伸びない」「LTVを重視しているが、思うようにKPIを達成できない」といった課題を抱えていると指摘。

LTV向上には優良顧客を育成するCRMが欠かせないことから多くの企業が取り組むものの、次の3つの問題点からCRMを上手く活用できず、売上アップにつなげられていないのが実状だという。

現状のCRMの3つの問題点

  • 成果が見えにくい
  • 成果が出るまでに時間がかかる
  • やるべきことが絞れない

CRMは長期的・総合的に売上向上に寄与するため、その効果を直接測ることは難しい。ネットショップ支援室は、LTVだけをCRMという長期的手法の指標として使うのには限界があることに着目し、新たに「顧客維持率」「稼働顧客数」「顧客残存率」の指標を取り入れた。

「新CPM分析機能」は、「楽楽リピート」の標準機能として提供。「新CPM分析機能」機能単独での利用料金は発生しない。

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