中小企業の半数が「物価高騰」「円安によるコスト増」のあおりを実感。人手不足の課題は3割超【ペイパル調査】
ペイパルが公開した「中小企業によるEコマース活用実態調査2024」によると、国内の約半数の中小企業が過去1年で「物価高騰」「円安による仕入れ価格などのコスト増」のあおりを受けたと実感していることがわかった。また、「人手不足」も35%強の中小企業が課題に感じている。
「中小企業によるEコマース活用実態調査」は2024年4月にオンラインで実施。日本国内でEC事業を展開する従業員数4人~299人の中小企業の意思決定者310人を対象とした。
中小企業の現状の実態把握として、円安の影響と過去1年間に影響を受けた「社外の要因」「社内の要因」についてまとめた。
円安による影響
「仕入れ価格、その他コストの増加」(49.0%)が最も高く、次いで「売上高の減少」(13.9%)だった。
年間売上高別では、1億円未満では「仕入れ価格、その他コストの増加」が38.3%と1億円以上に比べて低く、「売上高の減少」「日本人による購買の減少」が19.1%とやや高い傾向にあった。
従業員規模別では、50~99人では「仕入れ価格、その他コストの増加」が58.5%とやや高く、100~299人では42.5%とやや低い傾向が見られた。
外的な影響の面
全体では「物価の高騰」が50.0%と突出して高い。次いで「景気」(34.8%)、「為替レート」(31.0%)と続いた。
年間売上高別では、1億円未満では「物価の高騰」「競合の動向」が1億円以上に比べて低く、「新型コロナウイルス感染症の5類移行」がやや高い傾向にあった。
社内的な影響
「人手不足」(35.5%)がトップ。僅差で「価格転嫁」(35.2%)が2位で、「賃上げ」(27.1%)、「新規開拓不足」(21.0%)が続いた。
年間売上高別では、5億円以上で「人手不足」が44.3%と、5億円未満に比べて高かった。1億円未満では「人手不足」「価格転嫁」は低いものの、「借入金の返済」「売掛金の回収不能」といった資金繰り関連の影響が1億円以上に比べてやや高い。
ペイパルでは調査結果から中小企業の現状について「新規開拓をしていきたい意向はあっても、資金や人手不足などが影響し、攻めの一手を打ちづらい状況にある」と分析している。