商品点数が多いECサイトにおいて、もはや必須のツールである「サイト内検索」。ユーザーにとって最適な商品を表示できるかどうかで、サイト全体の売り上げにも大きく影響するようになっている。本講演では、売り上げをアップさせるためにサイト内検索をどのようにカスタマイズさせていくべきかをについて、5つのベストプラクティスに分けてSLIシステムズ・最高マーケティング責任者(CMO)のティム カラン氏が紹介した。写真◎Lab

SLIシステムズ
最高マーケティング責任者
ティム カラン(Tim Callan)氏

サイト内検索の利用者こそ最高の買い手

訪問者の満足度を向上させECサイトの売上を伸ばすためには、サイト内検索の最適化が不可欠だ。ティム・カラン氏は、「進化するサイト内検索エンジンが売上アップを実現する!~米国EC向けサイト内検索ベンダー(SaaS型)シェア首位の導入事例について~」と題し、最適なサイト内検索を実現するための手法について、事例を交えながら解説した。

SLIシステムズはニュージーランド株式市場に上場するソフトウェア企業であり、800以上のEC/Webサイトに対して、SaaSによるサイト内検索やナビゲーション、マーチャンダイジング、レコメンデーションといったソリューションを提供している。中でもサイト内検索ソリューションについては、トップ500のECサイトにおいてトップシェアを誇るとしている。

冒頭、カラン氏は、「ECサイト内で検索機能を活用するユーザーは、売り手にとって最も価値のある顧客であり、サイト内検索を最適化することで、コンバージョン率(CVR)を向上し、平均購入価格を上げられるようになる」と強調した。

実際、カラン氏が米国の導入ECサイトを対象に分析を行ったところ、サイト内検索機能を利用していないユーザーのCVRは2.13%だったのに対し、利用ユーザーは14.63%と6倍だったという。同様に、一人当たりの購買金額もサイト内検索を利用していないユーザーが0.77ドルだったのに対し、利用ユーザーは4.98ドルと5.5倍にも達していたケースもあったと説明する。

しかし、単にサイト内検索機能を付加しただけでは、十分な効果を上げることはできないとカラン氏は訴える。

あるファッション通販サイトでユーザーが“黒いドレス”とキーワードを入れて検索したところ、検索結果にはサンダルやスカートなどが表示された。これでは買い物をしないどころか、二度とそのサイトに戻ってくることはないだろう。CVRを向上させるためには、訪問者が望む最適な検索結果を表示させるような仕組みが不可欠だ

サイト内検索を利用しているユーザーとしていないユーザーの数値上の違い
(クライアントである200社以上を対象に導き出した数値)

入力補助や画像を表示させることでCTRが10倍に

カラン氏は、顧客満足度を向上し、サイトの売り上げを増やすためには、サイト内検索をどのように最適化すればいいのかについて、次の5つのポイントを挙げる。

  1. サイト内検索の最適化による収益の最適化
  2. 正しいマーチャンダイジングの実践
  3. クロスセル/アップセルの機会拡大
  4. リッチコンテンツの活用
  5. モバイルユーザーへの対応

まず、①として検索キーワードに対して入力補助(サジェスト機能)や、関連する画像を表示させるなどして、顧客が求める製品を迅速かつ的確に表示し、購買意欲につなげることが重要と話す。

SLIシステムズが提供するリッチオートコンプリート機能では、検索ボックスに入力された文字に対して、これまで収集された膨大なデータに基づき、特許取得済みの学習型検索技術である「ラーニングサーチ(学習型検索)」 がユーザーの求める商品を予測し、最適化された検索結果を表示する。言葉だけでなく関連する製品の画像、さらに説明文なども表示されるので、ユーザーの購買意欲を喚起させることが可能だ。この機能を使うことで、クリックレート(CTR)が10倍高くなったケースもある

②の「正しいマーチャンダイジングの実践」について、正しい検索結果を表示するだけでなく、特定の検索用語に対してカスタム化されたランディングページを用意したり “シューズ”や“スニーカー”といった同義語にも対応したりするなど、ユーザーが本当に求めているものをより的確に表示させるような仕組みを施すことが重要となる。

また、ユーザー自身がどんな商品を求めているのか、明確に分かっていない場合には、検索条件をECサイト側が用意しておき、ユーザーはそれを選ぶだけでコンテンツを絞り込んでいける仕組み、すなわち「ファセットナビゲーション」も有効となる。

例えば、私たちの顧客である、英国のガーデニング販売サイト『トンプソン&モーガン』では、植物の色や土壌、湿度、植え付けの時期といった複数の検索条件をページに用意し、ユーザーがそれを選ぶことで、お求めの植物を絞り込めるようにしている

このほか、一致する結果が見つからない場合でも、ページに「見つかりません」を表示するだけでなく、売れ筋商品やセール商品を掲示することで購買につなげていくことも重要だ、とカラン氏は説明する。

検索キーワードに対して入力補助や、関連する画像を表示

リッチコンテンツの活用やモバイル対応も不可欠

③の「クロスセル/アップセルの機会拡大」におけるポイントの1つが「レコメンデーション」である。検索した言葉からユーザーが他にもどんな商品に関心をもっているのか、関連する商品を提示、推奨することで、クロスセル/アップセルに繋げるという手法だ。

「例えば、化粧品の販売サイトで顧客がマスカラを購入したら、おそらく口紅やリップペンなども買うだろう。ターゲットに関連する商品も表示することで、一度当たりの訪問における購買金額を高められる」

④の「リッチコンテンツの活用」では単なる商品リストを表示させるだけでなく、ビデオによる商品紹介をはじめ、該当商品に関して記載されているブログ、さらにはSNSでの評判などもECサイトに取り込むことで、売上向上につなげることが可能になる。

そして⑤の「モバイルユーザーへの対応」について、スマートフォンやタブレットを利用したネットショッピングが急激に増えているため、早急に行うべきと強調する。

ただし、スマートフォンやタブレットなどで入力しようした場合、キーボードが表示されて画面が隠れてしまうケースがある。したがって、キーボードが表示されても必要な情報を提示できるように画面を構成する必要があるとした。

キーボードが表示されても必要な情報を表示

これまで説明してきたヒントを踏まえ、カラン氏は、次のようにポイントをまとめた。

  1. サイト検索を活用する売り手こそが、逃してはならない顧客から多くの勝ちを生み出している
  2. サイト内検索の最適化により、商品ランク、CVR、利益を向上させられる
  3. 商品に関係しない情報やコンテンツも検索結果に表示させることで、より豊かなカスタマー・エクスペリエンスを創出できる
  4. ユーザーが何に関心をもっているのか、どのようなキーワードをいれるのか、その内容を理解し、付加していく
  5. カスタマー・エクスペリエンスを最適化し、さらなるビジネスチャンスを獲得するためにはサーチ・アナリティクスの活用が有効

カラン氏は、これらを実践していくにあたり、「ECサイト向けラーニングサーチ」をはじめとした多彩なソリューションをSLIシステムズが用意していることをアピールし、講演を締め括った。

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