グローバルECの世界的な大手プロバイダーであり、海外展開するブランドのオンラインストアを数多く構築・運用を支援しているデジタルリバー。シニアセールスマネージャーの高橋実氏が、「オンラインストアの海外展開を成功に導くベストプラクティス~複雑なグローバルEコマースを短期間・ローリスク・ローコストで実現する方法」と題した講演を行った。写真◎Lab

デジタルリバー
シニアセールスマネージャー
高橋実氏

グローバル展開とは国ごとにローカル化を進めること

ECのグローバル化というと、従来は世界全ての地域をひとつの市場として展開することと考えられていた。しかし、国や地域によって顧客の嗜好、社会常識、税制、法律が異なる。そのため国際展開は、国ごとにローカル化を進めるプロジェクトとして考え直す必要がある。ECの市場規模が大きく伸びているのがアジア・パシフィックの地域だが、個々の国についてEC環境を見ると、以下のような違いがある。

【中国】
  • 強烈な速度で成長。2015年には約54兆円のEC市場規模、2020年には米国、英国、日本、ドイツ、フランスの合計規模より大きくなると予想される
  • 64%がモバイルより購入
  • 最もポピュラーな買い物は、アパレル、履物、アクセサリー
  • 49%がALIPAYで決済
【米国】
  • 中国に市場規模は抜かれたものの、安定して2桁成長を続けると予想されている、世界第2位の市場
  • 最もポピュラーな買い物は、本、エンタータイメント、アパレル、一般家電、アクセサリー
  • 主な決済方法は、クレジット、デビット、Paypalなど
【インド】
  • マーケットは比較的小さいが、大きく伸びている
  • 18~24才の年齢層がEコマースの鍵となっている
  • 最もポピュラーな買い物は、一般家電、アパレル、ゲーム
  • クレジット決済は44%。Cash on Delivery(代引き)を好む

このように、国によって好まれる商品や決済方法などに特長がある。例えば日本なら、コンビニ決済に対応しているがどうかで、コンバージョン率は変わってくる。

グローバル化というと、まず現地の言語や通貨に対応することを考えるが、それ以外にも、決済、商取引に関する法律、税金、環境保護に対する法律、消費者保護の基準、デザイン、トランザクションフロー、カスタマーサービス、顧客の期待・嗜好などに合わせて、ターゲットの国ごとにECを設計することが必要だ。

会場は満席となり、海外ECへの関心が高いことが垣間見れた

ECを海外展開するさまざまなアプローチ

ECを海外展開するアプローチには以下のようなものがある。

①自然の成り行き任せ型

自社の母国語だけでサイトを構成。海外顧客向けにサイトを構築していなくても、インターネットでは海外顧客がサイトを訪れる。コンテンツの閲覧や製品の選択は買い物客の意思と能力に委ねている。

メリット:ローカル化に伴うコストはほとんどかからない。

デメリット:現地の法律に抵触している可能性がある。外国語のためにカートの離脱率が高くなるリスク、セキュリティの不安など。

②ざっくりなローカル化型

言語や通貨だけをローカル化した同様のサイトを国や地域別に用意する「疑似ローカル化」。

メリット:コストはさほどかからないので、ローカル化の効果を事前に試してみたい場合にはお勧め。

デメリット:現地の税制や細かい情報に則していない。セキュリティやコンプライアンスは万全ではない。管理が繁雑。

③市場限定型

ローカル市場向けに設計された、ターゲットをしぼったECソリューション。国単位でサイトのイメージを統一して地域ごとの嗜好を反映させるやり方と、国ごとに現地スタッフの裁量に任せるやり方がある。

メリット:現地の顧客の期待に応えている。規制、法律、税制の要件に準拠している。現地の顧客が求めるショッピング体験を提供している。

デメリット:ローカル化したソリューションは各国で管理やオペレーションの担当者が必要になり、高コストで拡張性が乏しい。また、グローバル全体での管理・調整の工数が膨大になる。現地の裁量による自由なデザインの場合は、会社のイメージとかけ離れる危険性もある。

④多国籍型

グローバルなプラットフォーム上に、地域ごとのローカライズをする。

メリット現地顧客の期待に応え、規制・法律・税制の要件に準拠し、顧客が求めるショッピング体験を提供している。そのうえで、一元管理によるコスト削減と効率アップを実現する。

デメリット:期待通りの収益を上げられなければ、コスト超過になる。海外でのマーケティング目標を総合的かつ正当に評価し、全体をコントロールする人材やノウハウが必要。

①から順にステップアップすることが考えられるが、特に世界レベルの野心的な目標を定めた企業には④のアプローチが適している。また、物流に着目すると、以下のような3つのオプションがある。

ローカリゼーション クロスボーダーペイメント 海外現地法人 デジタルマーケティング

物流も含めた海外展開オプション

グローバル化を進めるに当たっては、市場機会の評価、現地顧客の把握、税体系の評価、現地規制の基準、マーケティングのローカル化といった項目を検討する必要がある。

使用するソリューションについては、柔軟性、管理性、拡張性、透明性、ビジネス目的に合うか、ローカル化のノウハウはあるかといったことを検討したうえで、「すべて委託」か「すべて自前」か「それらの中間」かを選ぶのがよいだろう

デジタルリバーのグローバルECソリューション

従来、大手企業ではECパッケージソフトウェアを使い、オンプレミスでシステム構築してECを展開してきた。こうしたソリューションでグローバル展開しようとすると、いくつかの問題が出てくる。しっかりした内部統制が実現するものの、国内に最適化されているために世界規模の拡張に応じたスケーラビリティがない場合があることだ。また、開発・構築に先行投資が必要で、アップグレードが頻繁にできない、市場導入までのリードタイムが長いといった課題もある。

デジタルリバーは、これらの課題を解決するマルチテナント型SaaSのEC基盤を提供している。クラウドホスティングによりシームレスなスケーラビリティを実現し、必要な部分だけのカスタマイズを行うことで市場導入までの期間を短縮している。また、複数データセンターでの冗長構成により高可用性を確保し、さまざまなECの機能をサービスとして利用できる。

デジタルリバーのサービスの特徴

また、以下のような特長がある。

【マーケティングサービス】

海外EC対象国の市場に精通した同社のデジタルマーケティングエージェンシーが、SEO/SEM・アフィリエイト・PPC広告・リターゲティング・Eメールマーケティング等の企画・実行する。各国ごとに最適化されたプログラムで売上増大を図る。

【コマース体験】

ショッピングカートから管理ツールまでの一連のEC機能のほか、販売代理店などの既存チャネルとの共存を図るWHER TO BUYや、アプリ内ストアでの購入処理によりコンバージョンレートをアップさせるIn-Appといったソリューションも提供する。

【コマースビジネスインフラストラクチャー】

海外展開にはテクノロジー以外にも現地法人設立や税制といった課題がある。デジタルリバーが代理店のような機能を果たすことで、海外に現地法人がなくてもオンラインストアで海外販売できる。税制対応、オーダー管理や返金処理、分析やレポートなどのビジネスインテリジェンス、コールセンターサポートなど、さまざまな機能をデジタルリバーに任せることができる。

【ペイメント】

メジャーな決済法は国によって違うため、多様な決済方法に対応する。また、税理サービスやコンプライアンス、外国為替など、多様な機能を提供する。

デジタルリバーのサービスは、ECにおいてショッピングカートの背後にあるさまざまな面倒ごとを請け負うものだ。多様なサービスから、必要な部分だけを利用することもできる。これにより、海外展開のリードタイムを短縮し、コストの最適化が可能となる。

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