米Amazon、自社の「Amazonリテール広告サービス」を小売事業者向けに本格提供
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米Amazonは1月9日、販売事業者向けの広告ソリューション「Amazon Ads」において、小売事業者が自社のリテールメディアに導入できる「Amazonリテール広告サービス」の本格的提供を始めた。「Amazon Ads」を利用しているブランドは、「Amazonリテール広告サービス」を導入している小売事業者のリテールメディアに広告を出稿できるようになる。
「Amazonリテール広告サービス」は現在、ベータ版として、オーガニック商品や日用品のECを展開するiHerb、パーティー用品などをECで販売するOriental Trading Company、生鮮食品ECのWeee! などの小売事業者が導入している。今後はアパレル企業のTilly'sなど他の小売業者も導入するという。
Amazonの広告ロジックを小売事業者に提供
小売事業者は「Amazonリテール広告サービス」を利用することで、自社ECサイトなどのリテールメディア化を実現。適切なタイミングで、費用対効果の高い方法で広告を配信できるようになる。参加する小売事業者は他社のリテールメディアへの広告出稿も可能。
「Amazonリテール広告サービス」を利用すると、ユーザーが新しい商品を見つけたり、購入の判断を後押しするのに役立つ検索ページ、閲覧ページ、商品ページに商品広告を表示できるようになる。
広告主となるブランドや小売事業者は、「Amazon Ads」で広告を設定・配信できる広告コンソール、または広告効果を測定・分析できる「Amazon Ads API」で、「Amazonリテール広告サービス」を導入している事業者を確認できる。
「Amazonリテール広告サービス」を導入している事業者ごとに広告キャンペーンを作成して管理し、広告主は使い慣れた既存の「Amazon Ads」ワークフローから、キャンペーン中の広告のレポートにシームレスにアクセスすることが可能。広告出稿の管理の一元化により、広告主は効率的にリーチを拡大できる。
広告には、ユーザーの検索クエリ、閲覧したカテゴリや商品などのコンテキスト情報に加えて、在庫状況や価格を組み込むことができ、顧客の好みに合い、注文可能な商品の広告を表示するという。
Amazonストアでのパフォーマンスを向上させるための同じ広告技術と機械学習モデルを使用する。
エンゲージメント+コンバージョンアップにつながる
Amazon Adsの広告効果測定担当副社長のPaula Despins氏は、次のように説明している。
「Amazonリテール広告サービス」は、顧客をECサイトに誘導できる関連性の高い広告を提供し、オンラインユーザーによる商品の発見と、購入を後押しすることで、小売事業者が顧客に提供する購入体験の向上に役立ちます。(Paula Despins氏)
広告クリエイティブのフォーマット、アプリやWebサイトで広告を表示する場所、表示する広告の数は、「Amazonリテール広告サービス」を利用する広告主が決められる。また、商品ページへの誘導、商品の「クイックビュー」表示、ユーザーがカートに直接商品を追加できるようにするなど、広告をクリックした後にユーザーに表示される内容も広告主が決定できる。
iHerbのNeil Folgate氏(グローバルマーケティング担当上級副社長)は「Amazonリテール広告サービス」について、「エンドユーザーにとってより関連性が高くパーソナライズされた広告を配信し、買い物中の購入体験を向上させながら、エンゲージメントとコンバージョンを強化できます」と説明している。
iHerbで「Amazon Ads」を活用している出品ブランドはすでに1200を超えています。広告主となっている小売事業者は、iHerbの購買意欲の高い顧客とAWSアカウントつながる機会を得ています。(iHerb社 Neil Folgate氏)
広告のパフォーマンス向上と最適化が期待される
FlywheelのDrew Habeck氏(メディア担当SVP)は、「高性能なアドテックを活用し、単一のサービスプロバイダーとして「Amazon Ads」を通じてアクセスできるため、広告のキャンペーン管理がしやすくなります。複数の小売事業者にまたがる広告出稿を効率的に管理し、リーチを最大化することができます」と説明している。
異なるリテールプラットフォームに対しての一貫した効果測定、レポート、購入データは、広告キャンペーンのパフォーマンス向上と最適化に非常に役立ちます。(Flywheel社 Drew Habeck氏)
「Amazonリテール広告サービス」は、厳格なアクセス制御を備えた専用システムで運営する。小売業事業者の情報は「Amazon Ads」やその他のAmazonのビジネスからは分離されているという。Amazon Web Service(AWS)上で構築しており、小売事業者はAWSアカウントでデータを管理する。
検索クエリや商品属性などのコンテキスト情報を処理する機械学習モデルを使用して、関連性の高い広告を配信する。広告の効果測定はAWSクリーンルーム内で行うため、「Amazonリテール広告サービス」を導入している小売事業者と、その広告主向けに集計された匿名化されたレポートを生成できる。