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GoogleやFacebookから広告予算がシフトしているAmazon広告。多くの小売事業者が利用する5つの理由

今、多くのブランドがAmazon広告に飛びついています。Amazon広告が支持される5つの理由とは?

Digital Commerce 360

2021年7月1日 8:00

ECでの適正な販売価格を自動調整する「Feedvisor」の運営会社が、米国の1000以上のブランドを対象に実施した調査によると、回答者の88%が「Amazon広告を積極的に活用してECビジネスの成長を促進している」(2019年比で21ポイント増)と答えました。さらに、41%のブランドが「コロナ禍において、マーケティング計画の中にAmazonでの綿密な広告戦略を取り入れる必要性」を感じています。多くのブランドがAmazon広告に飛びつき、GoogleやFacebookからAmazonに広告予算をシフトしています。それはなぜなのでしょうか? 5つの理由からその答えを探っていきます。

Amazon広告がブランドに支持される理由

小売事業者がAmazonなどのショッピングプラットフォーム上で顧客と関わる方法は、この1年で大きく変わりました。ブランドは、その変化に新たな戦略と成長機会を見出しています。現在、Amazonに広告を出していない企業は少数派です。

多くのブランドがAmazon広告に飛びつき、GoogleやFacebookから広告予算をシフトしています。それはなぜでしょうか? 答えは簡単です。Amazonでの広告が効果的だからです

もしあなたの会社がAmazonで商品を販売しているにもかかわらず、広告出稿をしていないのであれば、収益に影響があるかもしれません。その理由を説明します。

Amazon広告の紹介ページ
Amazon広告の紹介ページ(画像:サイトから編集部がキャプチャ)

1. Amazon広告からの強力なリターン

より多くのブランドがAmazonで広告を出している理由は、このプラットフォームが強力なリターン(費用対効果)を生み出す能力を持っているからです。具体的な数字を見ると、「2020年にAmazonへの広告出稿で7倍以上のリターンを得たブランド」は51%と、前年の47%から大きく増加しました。さらに、39%のブランドが「Amazon広告の支出に対して4~6倍のリターンを得られる」と考えています。

2. 競争激化でAmazon広告への支出が拡大

Amazon広告は競争が激化しています。それは、新規ブランドの参入、既存ブランドがAmazon広告への出稿を拡大したためです。

このような競争の激化が、大きなROI(投資利益率)と相まって、企業がAmazon広告への支出を増加させる要因となっています。「Feedvisor」の調査によると、ブランドは「2020年のデジタルメディア予算の28%をAmazonに割り当てている」と回答、2019年の25%から増加しています。一方、「Google」「SNS広告」への予算はそれぞれ22%、23%。ブランドのメディア支出がAmazonへと大幅にシフトしていることがわかりました。

デジタルマーケティング市場調査を行うeMarketer社によると、このシフトの結果、2020年のAmazonの広告収入は157億ドル以上に増加し、米国のデジタル広告におけるシェアが10%以上へと拡大しました。Amazonは2021年、広告サービスをさらに強化する方針です。ブランドが継続的にリターンを得られるようになるため、ますますAmazonへの広告費を拡大していくブランドが増えることが予想されています。

Amazonが提供している広告メニュー一例
Amazonが提供している広告メニューの一例(画像:サイトから編集部がキャプチャ)

3. 有料広告モデルに価値を見出しているブランド

Amazonのマーケットプレイスでは、広告の占める割合が年々増加しており、商品リコメンドや検索結果に取って代わることが多くなっています。広告は今やAmazonの戦略に不可欠な要素であり、ブランドは結果が出るAmazonの広告戦略に投資したいと考えています。

Amazon広告を利用しているブランドの64%が「Amazonの顧客獲得コスト(CAC)は他のプラットフォームよりも高い」と答え、2019年の55%から増加しました。27%は「AmazonのCACは他のチャネルと同じ」と答え、10%が「低い」と回答しています。

CACが高いにもかかわらず、100%のブランドが「Amazon広告に価値を見出している」と答えており、2019年の98%から増加しています。これらの数字は、激しい競争環境下でビジネスをする際の、ペイ・トゥ・プレイ戦略(ゲームに参加するために支払う)の利点と重要性を表していると言えます。

4. 「Amazon DSP」を広告に組み込むブランド

2020年には、より多くのブランドが、広告パフォーマンスを最大化するための補完的な方法として、「Amazon DSP」を利用し始めました。「Amazon DSP」は、広告バイヤーがAmazonやその他のプラットフォーム上でディスプレイ広告、ビデオ広告、オーディオ広告を購入することができるデマンドサイドプラットフォームです。

2020年に「Amazon DSP」を活用したブランドの数は、前年に比べて26%増加しました。また、Amazonで販売するブランドの51%が、広告費に対する最大のリターン(ROAS)を生み出すものとしてDSPを挙げています

「Amazon DSP」のクリックアトリビューション(※編注:コンバージョンへの寄与を図る指標)は低いものの、カスタマージャーニーにおけるその重要な役割を、ブランドは認識するようになっています。Amazonが自社と他社のプラットフォームでの広告提供を拡大していくなかで、ファネル全体で消費者にリーチするために、ブランドは「Amazon DSP」の機能を研究。DSP戦略をスポンサー広告と統合し、新しいタイプの広告を模索していくでしょう。

「AmazonDSP」紹介ページ
「Amazon DSP」紹介ページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

5. スポンサープロダクトが最大のROASを生む

ブランドは、Amazonが提供する複数の広告それぞれに大きな価値を見出していますが、本レポートで調査した中では「スポンサープロダクト」が際立っていました。半数以上(56%)のブランドが、「スポンサープロダクトが最大のROASを生み出している」と回答しており、「スポンサーブランド」と「スポンサーディスプレイ」がそれぞれ2位と3位にランクインしています。

Amazonは、スポンサー広告のターゲティング機能の強化、スポンサーブランドビデオなどの新機能の追加、Amazonアトリビューションの導入などを進めてきました。そうすることで、ブランドが広告戦略を向上させ、パーソナライズされた方法でフルファネルのリーチを拡大するための新たな扉を開いたのです。

Amazon広告がますます複雑になる中、ブランドは戦略的なテクノロジーパートナーを活用して、ターゲットオーディエンスへのリーチ、支出の最大化、コンバージョンの増加を目指して広告を最適化する必要があります。

たとえば、手動と自動のスポンサープロダクトキャンペーンを組み合わせることで、広告のためのキーワード収集を最適化し、関連する検索クエリを包括的にカバーすることができます。

また、商品を適切な広告グループに分類することで、キャンペーンのパフォーマンスに大きな影響を与えることができます。分類することで、商品ごとの価格やコンバージョン率の違いを考慮しながら、より正確できめ細かい入札を行うことが可能になるのです。

Amazonの「スポンサープロダクト広告」紹介ページ
Amazonの「スポンサープロダクト広告」紹介ページ(画像:サイトより編集部がキャプチャ)

新しい広告戦略の必要性

小売事業者がAmazonなどのプラットフォーム上で顧客と関わる方法は、この1年で大きく変わりました。ブランドは、その変化に新たな戦略と成長機会を見出しています。

競争が激化し、予算が増えるにつれ、ブランドはAmazonでの広告に戦略的に取り組むことの重要性を認識しています。さらに最近の報道によると、AmazonはGoogleとFacebookの二大企業に少しずつ近づいていくと予測されています。これは、増え続けるオンラインショッピングの利用者に直接アプローチする方法として、ブランドがAmazonにますます注目していることを示しています。

ブランドがAmazonに投資する際、Amazonのメリットを最大限に活かしてEC利用者と繋がるためには、データ主導の適切な戦略を採用することが必要です。たとえば、Amazonストアでは、ブランドのストーリーや価値観を伝えることで、消費者の心に響くブランド体験をカスタマイズして実現できます。また、スポンサー・ブランド、スポンサー・ブランド・ビデオ、スポンサード・ディスプレイの新しいカスタマイズ機能により、ブランドは画像、ビデオ、ヘッドライン、ロゴを好きなように編集できます。

◇   ◇   ◇

急速に進化する環境で成功するためには、Amazonでの広告を最適化するための適切な戦略とパートナーを持つ必要があります。そうすることで、予算が成果を上げるために使われ、競合他社に取り残されることがなくなるのです。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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