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「フェアトレード」ってご存じですか? 途上国の原材料や製品を生産者から公正な値段で継続的に買い取る貿易のことです。ピープル・ツリーさんは1993年から、チョコレートやコーヒーなどの食品、衣類やアクセサリーなどのアパレルや生活雑貨の販売を通して、フェアトレードの普及に取り組んでいます。さてさて、どんな商品と出会えるのでしょうか? 写真◎吉田 浩章

突然ですが、エシカルファッションショーをご覧ください!

「フェアトレードの服」と聞くと「ファッションとしてはちょっと…」というイメージを持っている方もいるかもしれません。でもちょっと見てください!

オーラ・カイリー・オーガニックコットン・サテン・ロータスフラワー・ノースリーブドレス 3連フープ・ガラスパールネックレス
ロンドンのデザイナー、オーラ・カイリーとのコラボワンピース。オーガニックコットン100%です。パールに見えるネックレスはハンドメイドのガラス製。
手織りイカットドット・Aラインドレス・ブルー系
インドの生産者団体「サシャ」で作られたハンドプリントのワンピース。布のプリントには多くの水を使いますが、サシャでは手作りの浄水設備で、プリントによる排水をすべて浄水しているそうです。環境にも配慮しているんですね。
手織りイカットドット・Aラインドレス・ブルー系
少しずつ形が違うドットが、絶妙なリズムを生んでいます。
手織りシルク・ツリーブランチ・ギャザーブラウス・イエロー系
こちらも「サシャ」のブラウス。手織りのシルク生地に、ローラーブラシなどで1枚ずつプリントしているそうです(生産風景はこちら!)。型になっているのはなんとインドの新聞! 持っているのはバングラデシュからやって来たマクラメ編みのトートバッグです。
フラワー手刺繍コットンシルクタックドレス
バングラデシュで作られたコットンシルクのドレス。ゴールドの手刺繍がきれいです。
コインモチーフ・ロングネックレス・シルバー
長ーいコインモチーフのネックレスはケニア製。1つ1つのモチーフを手で型抜きされているのです。ピープル・ツリーでは、アクセサリーが200個売れたらケニアの子供たちに車いすを1台プレゼントするキャンペーンも行っています。
白いドレス
4枚の布を縫い合わせて作ったショート丈のウエディングドレス。トルコのデザイナー、ボラ・アクスとのコラボ。リボンの結び方でスカートの広がり方やドレープのラインが変わるのが、すっごく素敵でした!

次々と可愛いお洋服を着せていただいて、テンションが上がりまくってしまった私は、撮影が終わるころには酸欠気味でした(笑)

安くて気軽なファストファッション。その裏側にあるもの

ところで、ピープル・ツリーのフェアトレードってどういうものなのでしょうか? フェアトレードカンパニーの広報担当の鈴木 啓美さんにお話を伺いました。

「大量生産されている商品の生産現場の中には、生産者が正当な対価を貰えず、苦しい状況の中で働いていることがあります。

例えばインドではアクセサリー作りが盛んですが、手が小さな子どもが制作者として重宝されることがあります。ちゃんと学校に行きながら手伝っているなら良いのですが、現実には学校に通えず、大人の3分の1くらいの安い賃金で働かされている子どもたちがいます。そういう子どもたちは文字が読めず、計算もできないまま大人になってしまいます。手が大きくなって細かい作業ができなくなって解雇されてしまっても、ほかの仕事に就けない。それでは貧困のサイクルから抜け出せません。

私たちはフェアトレードを通して、生産者がきちんと人間らしい生活を送れるよう、援助活動をしています。具体的には生産者への仕事の機会の提供、公正な対価の支払い、児童労働や強制労働の排除といった、WFTO(世界フェアトレード機関:World Fair Trade Organization)の『10の指針』に沿った活動を行っています。

例えば、仕事の機会の提供ということで言うと、機械での大量生産だと、スイッチを入れる人がいれば良いだけになってしまうので、人手ってあんまり必要ないですよね。私たちは人の手でしかできない刺繍、編み物などの手仕事の製品を継続的に依頼することで、たくさんの人たちに仕事の機会を持ってもらう活動をしています」(鈴木さん)

最近はびっくりするほど安い値段で、可愛い洋服やアクセサリーが手に入ります。でもその裏側で、つらい目に遭っている人たちがいるとしたら……。うすうす知っていながら見ないようにしていた現実を突きつけられた気がして、ちょっとショックです。

フェアトレード鈴木さん、店長の稲葉さんと
フェアトレードカンパニー株式会社 広報担当の鈴木 啓美さん(左)と、自由が丘店ショプ・マネージャーの稲葉 かほりさん(右)。鈴木さんは入社するずっと前からピープル・ツリーでのお買い物を楽しんでいたそう。一番のお気に入りは「フェアトレード・ドライマンゴ」。添加物を使用せず、フィリピンの太陽で天日干しされたマンゴーの味に惚れ込んでいるんだとか。

ファッション文化がまったく異なる国での服作り

とはいえ、やっぱり「安くて良いものが欲しい」というのが消費者の本音ですよね。

「だからデザインが大切なんです。洋服はバングラデシュ製とインド製が中心なんですが、そもそも日本と現地とはファッションの感覚がまったく違います。彼らが日常的に着ている服とは違う服を作ってもらっているので、分からなくて当然なんですが、デザインの『ここの1センチが大事なんです!』と書類に書いても伝わらないんです。どうしてこのサイズ感が必要なのか、どうしてこれじゃ売れないのかを、現地の人と直接のコミュニケーションを重ねて理解してもらうことは大事な仕事です」(鈴木さん)

「現地で作れる」ことと「日本で売れる」こと。両立するのは大変そうです。生産部門の人たちが現地に行くのはもちろん、逆に現地の生産者団体のリーダーを日本に来てもらい、「日本ってこうなんだ」と、感覚をつかんでもらうことも行っているそうです。

「ファストファッションのように商品を早く入れ替えることはできないんです。手仕事が中心なので、商品の企画から完成までにとても時間がかかります。だいたい2年先の話をしなきゃいけないんですよね。出来上がった製品を運ぶのにも、できるだけ環境に負荷がかからない方法でということで、船便にしたりするので輸送にも時間がかかります。だから、流行と関係なくベーシックに着られる服が中心になりますが、そうは言っても2年先の気分をキャッチできるように、デザインチームががんばっています」(鈴木さん)

ピープル・ツリー×Leeコラボデニム
ピープル・ツリーではさまざまな企業とのコラボレーションも行われています。こちらはデニムブランド「Lee」とのコラボ。こちらもオーガニックコットン使用。インドから原綿を輸入し、紡績から最終加工までを日本で行った商品です。こちらの動画でその様子が見られます。
ピープル・ツリーのオーガニックコットンシリーズ
オーガニックコットン商品も人気です。オーガニックコットンとは、3年間農薬や化学肥料を使わずに育てられた綿のこと。オーガニックにすることで、農薬による健康被害や、農薬代の経済的な負担に苦しんでいた農家の人たちを支援することになります。オーガニックコットンは綿全体の1%〜2%くらいしか生産されていません。そんな希少なオーガニックコットンは、鈴木さん曰く「肌当たりが柔らかく、身に付けるとホコホコとあたたかい気分になる」そうです。
ピープル・ツリーのオーガニックコットンベビー服
安全なオーガニックコットンだから、出産祝いにも喜ばれています。口に入れても心配ありません。

理想は「気に入ったから買った。そしたらフェアトレードだった」。

ピープル・ツリーではチョコレートが一番人気ですが「美味しいから買っていたらフェアトレードだった」というお客さまが多いそうです。鈴木さんにとってもそれは理想的なかたち。

「『良いものだから買ってください』とか『フェアトレードだから買ってください』とか言っても、1回だったら買ってくれるかもしれない。でも、どんなものでも気に入らなかったりすぐダメになってしまったりしたら、2回目はないですよね。それではサステイナブルではない。やっぱり、自分が好きだからフェアトレードのコーヒーを飲む、気に入ったからフェアトレードのチョコレートを食べるってならないと。『自分が好きなものを楽しくお買い物して、その先にいる人たちを支援できたら、一石二鳥だな』っていう、シンプルな気持ちで、買い物を楽しむ人たちが増えてくれたら嬉しいなと思います」(鈴木さん)

フェアトレードチョコレート
プレゼントとしても人気のチョコレート。バラエティショップなどで目にした方も多いのでは? こちらの板チョコ(50g)は、ミルクやヘーゼルナッツといったベーシックなフレーバーから、ホワイトジンジャー&レモンやシナモンといった珍しいフレーバーまで10種類あります。
フェアトレードチョコレートフィリングタイプ

こちらはちょっと大きめのチョコクリームが入ったフィリングタイプの板チョコ(100g)。カプチーノ、ラム、プラリネの3種類。ピープル・ツリーのチョコレートはとても溶けやすいデリケートなココアバターが使用されているので、販売は寒い季節だけ。この記事が公開される頃には、残念ながらしばしのお別れです。

リサイクルサリーからウエディングドレスまで。ピープル・ツリーの商品をご紹介

最後に店内を見せていただきました。

インドのアクセサリー
細工が美しいインドのアクセサリー。これからの季節にピッタリなビーズのブレスレットやネックレス。
リサイクルサリーのバッグ
こちらはリサイクルサリーのバッグ。さまざまな柄のサリーを使ってパッチワークしているだけに、2つと同じものはありません。インドやバングラデシュの女性たちが使ったサリーが、こうして日本でバッグになっているなんて、ロマンを感じます! 使い込まれた布の風合いもすてきです。
ピープル・ツリーのウエディングドレス
なんとウエディングドレスも! 写真ではわかりにくいと思いますが、全体に美しい手刺繍が入っています。式が終わったら丈を詰めて、ワンピースとして着続ける方もいるそうです。
赤いきつね
ビーズでできたきつねのコインケース。「これカエル?」っておっしゃるお客さまもいるそうですが、きつねです!
ハッピー・ホースのちょこっとブラシ
レディーアイテムだけでなく、メンズアイテムや、こんな可愛い生活雑貨もあります。これは「ハッピー・ホースのちょこっとブラシ」。しっぽがブラシになっています。
ピープル・ツリー自由が丘店ショプ・マネージャー 稲葉 かほりさん
案内して下さったピープル・ツリー自由が丘店店長の稲葉 かほりさん。お気に入りはブロックプリントの草木染めシリーズ。職人さんが手彫りした木版を使って、ひとつひとつ手で押して模様を作っています。かすれ具合も味わいのうち(プレゼントにご提供いただいたので、記事の最後を見て下さい!)。
ピープル・ツリー自由が丘店店内
ECは本店サイトのほか楽天にも出店していて、直営店は今回うかがった自由が丘店をはじめ関東に3店舗。顔が見える製品作りをしているピープル・ツリーにとって、実店舗はとても大切な場所。イベントや勉強会が催されることもあるそうです。
♡♡♡

“世界一のブランド国”とも言われる、豊かな社会で暮らすことができる私たちは、着るものも、食べるものも、住む場所も自分で選択して生きていくことができます。

選ばなければ職があり、働けば最低賃金が保証される日本では「なんとか食いつないで生きる」というハードルは、ほとんどの場合クリアできます。

でも、生まれた場所が違うだけで、子どもの頃から毎日働かなくてはならなかったり、女性は家事をこなす機械のように扱われたり、身を売って生活をするしかなかったり……。そんな人たちが世界中にたくさんいるのだということを改めて学びました。

もし逆の立場で、そんな生活を強いられる環境に生まれていたら、この日本という国は自分の目にどんな風に映るのだろう?

私たち日本人の多くは「自分の人生をどう生きるか」「どんな仕事をするか」という課題を抱えているけれど、そのほとんどは恵まれた生活水準の高さの上にある悩みなのだと、再認識しなければいけないような気がします。

誰かに必要とされたり、人の役に立てたりすること。そして、人に喜んでもらえた数だけ、自分も対価が得られるという、希望が持てる公平な世の中であってほしい。たとえどんな場所に生まれたとしても。

たくさんの人を幸せにできるフェアトレードの精神が、1人でも多くの人の日常に届きますように。

ピープル・ツリー自由が丘店内にて

動画でもレポートしています。こちらもご覧ください!

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はぴさや

2007年よりWeb媒体を中心としたメディア番組やCMでモデル、レポーターとして活動を始める。

2011年以降、地元福島で起きた震災をきっかけに“東北の今”を伝えるメッセンジャーとして、国内外で行われたイベントに多数参加。

現在はフリーランスとしてメディアへの原稿執筆や企画・デザインを行う他、地方創生を目的としたドローンの活用や魅力を発信している。

好きなものは、旅と茶道と美味しいごはん

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