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サイトのタイプ別にSEO施策を解説するシリーズの2回目。規模のあまり大きくない単品系通販サイトについて解説していきます。単品系通販サイトの特徴は「商品のバリエーションが限られる」「商品数が限られる」「自社商品しか扱っていない」といったところで、メーカーEC、メーカーブランドサイト、ショップEC、輸入商品ECなどが該当します。

アイテムキーワードの対策は難しい!? 最近のSEO事情

単品系通販サイトの具体例で言うと、チーズケーキ専門サイト、チョコレートメーカーのECサイト、ジュエリーブランドのブランドECサイト、マットレスなど寝具の専門サイトなど、さまざまなサイトがあります。ただ、このタイプのサイトではSEOがかなり難しい状況になってきています。なぜなら、GoogleはECサイトにおいて、関連性、オリジナル性、信頼性などを重視。そして、もう1つ、網羅性も求められるからです。

たとえば「マットレス」など、比較ニーズのあるアイテムキーワードにおいては網羅性が重要で、あらゆるメーカーの商品を数多く扱っているECサイトがヒットしやすいという傾向があります(最近はあらゆる商品を比較解説する記事もよく目にしますが)。

もう1つ、信頼性の一環として「知名度」もアイテムキーワードにおいてはかなり重視されてきていると感じます。たとえば「ネックレス」の検索結果。

「ネックレス」のスマホの検索結果
スマホで「ネックレス」を検索した結果

ネックレスは比較検討するより、自分のお気に入りのブランドがすでにあることが多い商材でしょう。Googleはその意図を汲んでか、女性なら誰でも目にしたことのあるメーカーサイトが検索上位に並んでいます

前回解説した指名検索やサイテーションが効いてくるので、どうしても大手サイトが強くなりがちなのです(詳しくはこちらの記事を参照)。つまり、新興メーカーや個人がネックレスをデザインしてネットで販売しても、そう簡単には「ネックレス」で上位には表示されません。

そのため、単品系通販サイトのSEOにおいてはアイテムキーワードの対策は最低限頑張りつつ、もう少しセグメントを狭めて商品名、ユーザーの悩み、ハウツーなどの周辺ニーズからコンテンツを作って集客することが一案となります。

そして、広告の併用も重要です。SEO × 広告でさまざまなチャネルを活用し、ユーザーとの接点を持ち、コミュニケーションを取りながら、丁寧な施策で販売につなげる、それがこのジャンルのポイントです。

サイトの構造と検索ニーズを俯瞰してみる

さて、今回もSEOの最初のステップ、サイトの構造と検索ニーズを俯瞰して見ていきましょう。例として醤油を販売しているメーカーサイトの構造を作ってみました。

醤油メーカーの構造例
 

これに「know(知りたい)」「go(行きたい)」「do(やりたい)」「buy(買いたい)という4つのモーメントを当てはめます(モーメントに関してはこちらの記事を参照)。

醤油メーカーの構造例とモーメント
 

こうしたECサイトに共通してよく見られる構造は、

  • カテゴリはある場合もあるし、商品数によってはないこともある
  • メーカーサイトの場合、自社紹介やブランド訴求ページなどがある
  • 末端に商品やサービスがある
  • リアルビジネスがある場合、店舗ページがある

これらのサイトにおいて今、どんなSEO施策が重要なのか解説していきます。

ここに注力! 今気にすべき5つのSEO施策

前回の繰り返しになりますが、SEO施策には内部施策、外部施策、コンテンツ施策、ローカル施策などいろいろな種類があります。さらに、たとえば内部施策にはtitleのチューニング、内部リンクの設置、カテゴリの設計など各種作業があります。Googleの順位を決めるアルゴリズムが数百あるわけですから、やるべき作業もたくさんあるのです。

その数あるなかから、今回は単品系通販サイトが今注力した方が良いポイントを5つに絞って解説します。

前編(今回)

ポイント① アイテムキーワードでなく商品名に注力する

ポイント② アイテム以外の周辺ニーズを対策する

ポイント③ 周辺ニーズをコンテンツ化する

後編(次回)

ポイント④ ユーザー行動を分析して離脱されないサイトに

ポイント⑤ スニペットを徹底的に最適化、CTR向上を

おまけ:SEO以外のチャネルを活用する

ポイント① アイテムキーワードでなく商品名に注力する

前述したように「マットレス」「アクセサリー」「チーズケーキ」といったアイテム1語での上位獲得は難しくなる傾向にあります。比較ニーズがあれば大規模サイトやモールがヒットし、「チーズケーキ」のように作りたいニーズ(do)やお店に買いに行きたいニーズ(go)があると、レシピサイトやGoogleマップが最上部に表示されてしまうのです。

もちろん、そのジャンルで非常に話題となり知名度が上がり、サイテーションが発生すれば、アイテム名で上位に来ることもあります。ただ商品力も関係しますし、Web上での話題作りも必須なので簡単ではないと思います。

とりあえず最低限の施策、たとえばメインワードをTOPページのtitleや見出しにしっかり記載する、メインワードに関連するテーマのページを作成してテーマ性を高めるということはやっておくと良いでしょう。

後は商品名への注力です。商品名はユニークであることが多いので、何もしなくても上位に表示されることが多いです。ただSEO視点ではいくつか気を付けたほうがいいポイントがあります。

最近話題になっている豆でできた麺「ZENB(ゼンブ)」を例に見ていきます。

SEO視点で見る商品名のポイント
  • 覚えやすい、打ちやすい(入力しやすい)商品名にする
  • できれば英語は使わない。使うならカナも併記する(ゼンブも「ZENB」はなかなか覚えられない)
  • Googleで検索してみて同音異義語がないか確認する(あると大変。上位に来にくくサイテーションも得にくい)
  • できればメインキーワードを入れる(ゼンブなら「ゼンブ麺」「ゼンブヌードル」など)
  • うろ覚え検索に対応する(ゼンブなら「豆の麺」など記憶の断片検索。ちなみにゼンブは「豆の麺」ではヒットしないが広告が出る)

もちろん商品名はそう簡単に調整できる部分ではありませんが、新規で命名する際には上記を意識してみてください。

また、商品名の認知と獲得には広告を活用してもいいでしょう。認知を促すところから始める商品の場合、そもそも商品名が検索されないと、広告もなかなか表示されないので、まずはSNSやSNS広告・ディスプレイ広告などで認知させることが重要です。

そしてGoogleショッピングも活用したほうがいいでしょう。商品データベースがなくても、スプレッドシートで簡易DBを作ってマーチャントセンターに送ることも一案です。詳しくは広告の回でまた解説します。

ポイント② アイテム以外の周辺ニーズを対策する

単品系通販サイトではアイテム以外の周辺ニーズの刈り取りがポイントです。その商品を利用するユーザーの検索シーンを考えてみてください。商品につながるような課題、お悩み、情報収集、ハウツー、利用シーン、こういった切り口でキーワード調査を行うと対策できるニーズが案外見つかります。

ECサイトの場合、やはり商材へつなげることが1つの目的なので、商材からニーズを考えることが重要です。たとえばフォーマルドレスの通販サイトだったら、

ちょっと華やかな新作スーツを重点的に売りたい → 「フォーマルスーツ」のようなアイテムキーワードはカテゴリや商品で対策している → そのようなスーツを買う利用シーンはどんなものがあるだろう?→ パーティ? 会食? 同窓会?

といった感じで、商材からシーンやハウツーを連想していくと良いでしょう。いくつかニーズを考えたら以下のように表にまとめてみます。

種類ターゲットメインワードニーズ
情報収集初めて礼服を買うユーザー礼服とは(3,600)「礼服 スーツ 違い」「礼服 と喪服の違い」などの検索もあり、礼服について情報検索するニーズ
ハウツー結婚式の参列者結婚式お呼ばれドレス(18,100)、結婚式 参列 ドレス(4,400)他にも+メイク、ネイル、マナーなどの検索もあり。「お呼ばれ」や「参列」を入れることで花嫁ではなく参列者の検索に絞ることができる(=購入ターゲット)。
シーン40代〜60代の主に女性同窓会服装(12,100)+ドレス、ワンピース、年代などもあり。同窓会でどんな服装をしたら良いかの検索

カッコ内の数字はキーワードツールの検索ボリュームです。キーワードツールは以前紹介した「Ubersuggest」がおすすめです。

ポイント③ 周辺ニーズをコンテンツ化する

検索ニーズの調査が終わったら、次はメインキーワードをGoogleで検索し、検索結果を調べてみます。どんなページが1位から10位にヒットしているか、先ほどの表に入れてみてください。

種類ターゲットメインワードニーズ検索結果1ページ目の記事数
情報収集初めて礼服を買うユーザー礼服とは(3,600)「礼服 スーツ 違い」「礼服 と喪服の違い」などの検索もあり、礼服について情報検索するニーズ9
ハウツー結婚式の参列者結婚式お呼ばれドレス(18,100)、結婚式 参列 ドレス(4,400)他にも+メイク、ネイル、マナーなどの検索もあり。「お呼ばれ」や「参列」を入れることで花嫁ではなく参列者の検索に絞ることができる(=購入ターゲット)。7
シーン40代〜60代の主に女性同窓会服装(12,100)+ドレス、ワンピース、年代などもあり。同窓会でどんな服装をしたら良いかの検索7

Googleの検索結果の大半を記事ページが占めていればユーザーのニーズは「know(知りたい)」か「do(やりたい)」になりますので、記事などのコンテンツで対策していくことが正解となります。

もしECサイトのカテゴリや商品ページが大半を占めているようであれば、ニーズは「buy(買いたい)」になりますので、コンテンツでの対策が難しいワードということになります。

商品の羅列、文字の羅列のコンテンツはNG

コンテンツでの対策が決まったら、コラムやブログ、特集ページなどを作成していきます。コンテンツの効果的な作り方については、別の回で詳しく解説したいと思いますが、今回お伝えしたいポイントは2つ。「商品の羅列にしない」そして逆の「文章の羅列にしない」ということです

●良くない例(商品の羅列)

ECサイトの記事や特集は商品を前面に押し出したものになっていることが多いのですが、ユーザーが知りたいのは答えです。検索ニーズを汲んだ構成にした上で、まず答えを提示してください。

「礼服とは」であれば礼服が何なのかを解説する、スーツや喪服との違いを解説する。「同窓会の服装」であれば、どんな種類の服装が良いのか年代別に解説する、マナーやNGポイントも取り上げるなど、答えを提示した上で、最善の商品を提示してみてください。疑問や不安が解決した後の商品誘導は購入につながりやすいです。

良くないコンテンツの例(商品の羅列)
良くないコンテンツの例(商品の羅列)
特に解説もなく商品一覧のみが掲載されているケース。なぜこの商品がおすすめなのか理由がわからず、ユーザーのニーズにも応えていないので上位に来にくい

●良くない例(文章の羅列)

逆もしかりです。記事が集客に有効だからといって、単なるブログ記事では購入につながりません。

良くないコンテンツの例(文字の羅列)
良くないコンテンツの例(文字の羅列)
完全に読み物になっていて、最後に一応、関連商品が掲載されているケース。商品も関連性の薄い自動表示の場合もあり、あまり購入にはつながらない

●良い例

解説と解説の合い間の適切な位置にその悩みや課題を解決する商品を提示してみてください。かなりのCTRになるはずです。

良いコンテンツの例
良いコンテンツの例。解説して答えを提示しつつ、ブロックごとに最適な商材を提案。なぜその商材がおすすめなのかも記載し、価格やレビュー点数も出すと親切
◇◇◇

最近、このようなコンテンツ(記事、特集)は広告にも活用できるのではと感じています。ユーザーのニーズに応じた最適なコンテンツがあれば、それはきっと広告からの入り口としても活用できるはずです。

SEO側から見ても、広告でのコンテンツデリバリーの重要性は高まっています。記事が乱立する昨今、ただ書いて公開してもあまり効果はなく、広告で露出することでサイテーションが獲得でき、結果的にSEO効果も期待できるように感じています。

特にSNSやYahoo!のインフィード、Googleのファインドなど、記事に溶け込む形の広告プロダクトを活用することで、違和感なく記事を拡散することが可能です。

詳しくは広告の回で解説しますが、広告出稿する場合は、広告用にクリエイティブ(複数の写真、タイトル、説明文)を用意することもおすすめします。記事をそのまま出稿するより高い効果が得られることが多いです。

次回は後編として、残りの2つポイントについて解説します。

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