テーマは「Amazonの成長戦略」「LINE@のEC活用」など。ネッ担フォーラムin札幌に80人超が参加
インプレスは7月10日、「Amazonの成長戦略」「ネット通販こそLINE@」などセッションを用意した「ネットショップ担当者フォーラム2015 in 札幌」を札幌市内で開催(今年で2回目)、あまり北海道では聞くことができないテーマを聴講しようと、道内のEC事業者など80人超が会場に集まった。
基調講演はアマゾン、LINE
オープニング基調講演はアマゾンジャパン。講演テーマは「Amazonの成長戦略」で、セラーサービス事業本部事業開発部の井野川拓也部長が登壇した。
基調講演のポイント
- スマホ経由のアクセスが伸長し、昨年にPC経由を逆転
- 米国では物流のロボット化、ボタンを押すとあらかじめ設定した商品を自動で再注文できる「amazon dash」などを展開
- 数年後には販売事業社経由の流通額が全体の半数を超える見通し
「Amazon」の戦略と題して、米国で展開している新サービスなどの説明のほか、外部企業が利用できるサービスなどを解説。井野川氏は次のように、外部企業による販売の状況を説明した。
販売事業者(による販売額)は(全体に対して)4割ちょっと。Amazonの直販は5割超。毎年数%ずつ販売事業者経由の割合が増えている。数年後には販売事業者経由が半分を超えるのではないか。直販部門の品ぞろえと比べると、2倍弱に拡大。販売事業者の品ぞろえは7年間で6.5%に拡大している。
これに関連し、「成長の起点は品ぞろえ」(井野川氏)と言及。中古車、新車、ウェディングなど新たな商材の取り扱いを進めていることを説明した。
クロージング基調講演はLINE Business Partners。「ネット通販こそLINE@ ~顧客コミュニケーションを活性化しネット通販を成功に導いた事例を一挙ご紹介!~」と題し、長福久弘氏が講演した。
講演のポイント
- LINE@の通販・EC企業の利用が増えていて、「低コスト」「実際に売り上げにつながっている」ことがその理由
- 新規購入者率が20%、客単価が1000円も増加した事例もある
- 「興味を持っている人」にプッシュするので、値引き販売を避けることが可能
長福社長は無料通話・無料メールスマートフォンアプリ「LINE(ライン)」の現状を説明し、LINE@の効果などを含めた事例を紹介。抹茶スイーツ通販の「伊藤久右衛門」といった有名EC企業も利用していることを明らかにした(参考記事はこちら)。
「LINE@」は無料プランと有料プランの2プランを用意。月間のメッセージ総配信数が1000通(LINE@から送信する吹き出しの数で、1吹き出し1通)まで無料。1000通を超える場合は月額5400円が必要になる。月間総配信数が5万通を超える場合は、別途1通あたり1.08円の費用が発生するというサービス内容。
富士通、スクロール、ユーザーローカルも登壇
セッションには、富士通、スクロール360、ユーザーローカルが登壇した。
「オムニチャネル時代の戦略とシナリオ~実践に向けたアプローチとは~」(富士通)
講演のポイント
- 今後のEC集客では「コンテンツマーケティング」が重要ワード
- デジタルマーケティングは変貌する顧客を理解し、顧客価値を向上させる打ち手を講じることが重要
オムニチャネルを中心に、デジタルマーケティングなどへの取り組み方法を解説。「デジタルテクノロジーを利用することではなく、変貌する顧客を理解し、顧客価値を向上させる打ち手を講じること」と、デジタルマーケティングについて、富士通の統合商品戦略本部ビッグデータイニシアティブセンターの西本伸一マネージャーは説明した。
「成功事例で学ぶ物流コスト最適化」(スクロール360)
講演のポイント
- 北海道から浜松へ物流拠点を移転し、物流費を10%以上削減した事例もある
- 物流以外にも親会社のスクロールのリソースを活用した販促支援も実施している
2015年3月に稼働した日本初、コスメ・サプリ通販・EC専門の物流倉庫にも言及。化粧品や健康食品の物流業務に特化した体制を組んでいることも説明した。また、事例では年間で1000万円以上もコストダウンした物流拠点の移転ケースも解説した。
「成長している100サイト分析して分かったコンバージョンが増えるサイトのつくり方」(ユーザーローカル)
講演のポイント
- “ウリコンテンツ”が1000pxくらいあり面白そうな内容だと思われれば最後まで読まれる
- スマホサイトでスワイプを2つ以上使っているサイトはCVRが「1つ」「なし」よりも低い
次回の「ネットショップ担当者フォーラム2015」は大阪で行う予定。