中川 昌俊 2015/8/17 8:00

楽天市場内に出稿した広告の効果測定、ある広告枠にはどんな他の店舗が出稿しているかわかれば、自社店舗の運営に役立つに違いない。そんな要望に応えるため、EC企業向けシステム開発のハングリードは2014年7月に、楽天市場内の広告枠に広告を出稿した際の効果測定が行えるツール「ad Robot(アドロボット)」の提供を開始。8月4日から、出稿する前にある広告枠の効果を測定したり、どんな店舗が出稿しているかなどを知ることができる「ad Nint(アドニント)」の提供を始めた。「ad Nint」の機能や仕組みなどを取材した。

広告を出稿しなくても、広告枠の有用性を指標として可視化

「ad Nint(アドニント)」でできること

  • 「楽天市場」の広告枠企画枠に、過去3か月間でいくつのECサイトが出稿(購入)しているか閲覧できる
  • 広告枠を購入したECサイトが、当月に過去7日間と比べてどのくらい売り上げを伸ばしたか把握
  • ある広告枠を購入した店舗が、他にどんな枠に出稿しているのかを教えてくれる機能
  • 広告を出稿した他社商品の直近30日の売り上げデータを表示
  • 特定広告枠での、広告クリエイティブの違いによる売り上げの差異の把握

楽天市場の広告枠は効果測定ができず、出店者は過去に出稿した際の経験則をもとに広告を打つケースが多い。いわゆる経験に基づいた“勘”だ。

こうした“勘”に頼る店舗運営から、データに基づいた広告出稿ができるようにするため、ハングリードは「ad Robot」の提供を開始した。ただ、「ad Robot」は広告出稿の結果を分析するサービスで、まずは広告を出稿しなければ効果を分析することができない。

広告を出稿する前に効果や実績を調べたい……こんなニーズに応えるために開発したのが「ad Nint」。自社で広告を出稿しなくても、どの広告枠が有効なのか数値として指標化する

具体的には、いくつかある広告枠企画の枠に、過去3か月間でいくつのECサイトが出稿(購入)しているか閲覧できる機能を搭載。この指標を見ることで、広告枠のリピート率を測り、リピート率が高い枠ほど効果が出ていると推測できる。

また、広告枠を購入したECサイトが、当月に過去7日間と比べてどのくらい売り上げを伸ばしたか、を調べることも可能。ある広告枠を購入した店舗が、他にどんな枠に出稿しているのかを教えてくれる「レコメンド機能」もある。これまで認識していなかった新たな広告枠を知ることもできるようになっている。

「ad Nint」のレコメンド機能のイメージ

レコメンド機能のイメージ

広告を出稿した他社商品の直近30日の売り上げデータを表示することも可能。加えて、広告データのクリエイティブも売り上げデータに紐付いており、同じ広告枠でも広告クリエイティブの違いでどのくらい売り上げが異なるか、といったデータも見ることができる。どのようなクリエイティブが売り上げにつながりやすいのかを、データとして知ることができるようになっている。

「ad Nint」は他社商品の売り上げも見ることができる

ある広告枠を利用している他社商品の売り上げを見ることもできる

対象となる広告枠は純広告だけでなく、サーチワード、イベント広告、メルマガ広告など様々な広告に対応している

アドウェイズテクノロジーのシステムを広告に特化して提供

こうした機能を搭載した新サービスは、アフィリエイトサービスなどを提供するアドウェイズのグループ会社であるアドウェイズテクノロジーが提供する「Nint」を利用したもの

アドウェイズテクノロジーは、中国最大のECモール「Tmall」の出店者の売り上げ分析などを外部企業でも行える「情報通」を提供しており、これを楽天市場向けにカスタマイズした。ハングリードはアドウェイズと業務提供し、さまざまなデータのなかから広告に関係する機能だけをわかりやすく利用できるようにしたのが、「ad Nint」という。

ハングリードの吉武修平社長このサービスを提供することの狙いを次のように話す。

事前にこれくらいの売り上げになると予測できれば、EC事業者は広告が出稿しやすくなり、広告出稿の促進につながります。そうなれば、楽天にとってもプラスになるはず。

料金は月額5万3500円からで、半年契約と1年契約で料金が異なる。月額利用料は契約時の一括支払い。純広告の調査には5ポイント消費するといったポイント制を採用。利用できるポイント数に応じてプランが異なる。

「ad Nint」の料金体系

料金体系

契約できるのは楽天に出店している店舗のみで、広告代理店などは契約できない。

これまで、自社のクリエイティブが悪いのに、「広告効果が悪い」といって広告出稿を止めてきたEC事業者も多かったでしょう。「ad Robot(アドロボット)」とあわせて使用すると、他社広告のクリエイティブや効果を見ながら、自社の広告効果を分析して、クリエイティブの改善につなげることができます。広告効果が高まれば、今までは利用できなかった広告枠も、費用対効果を高めることができ、売り上げアップにつながります。両サービスをあわせて使用することで、いろんな広告枠を利用してほしい。(吉武修平社長)

ハングリードの吉武修平社長

吉武修平社長
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