松本 順士 2015/8/17 6:00

「楽天市場」で店舗を運営していて、朝一でやる何でしょうか? 会議でしょうか? デザインやコーディング? いえいえ、違います。効果測定です。それは、1日のはじめに前日の成果を確認し、仕事を始める前に優先順位を付けるためです。朝礼や会議をするにはデータがないと始まりませんよね。貴社では、だらだらと朝礼や会議をしていませんか? 朝市の効果測定から「検証」→「改善」のPDCAサイクルを回すことで、貴社のECサイトは劇的に変わります。

朝一で前日の効果測定、その後に素早い「検証」→「改善」のPDCAサイクルを回す

まずは、「楽天市場の検証・効果測定」をするために、朝市で必要なデータを準備しましょう。検証・効果測定に必要なデータは次の通り。

■全体

  • 売上高
  • 売上件数
  • アクセス数・人数
  • 転換率

■商品

  • 商品別売上高
  • 商品ページランキング
  • カテゴリーページランキング
  • 店舗内検索キーワード

ちなみに私は、セカンドブレイン(図1参照)というツールを使っています。1クリックで全14項目の解析レポートをダウンロードできます。出社して1クリックするだけでデータが取得できるので、効率的に1日のやることを整理できます。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方①
図1 セカンドブレイン解析レポート例

1日のはじめである朝に前日の効果測定を行うことは、本当に重要なことなんです。その日に「やること」「やらないこと」を“ミエル化”するのです。ちなみに、「楽天市場」店の検証・効果測定を実施して、PDCAサイクルを回すためには、まずは“継続”できるような仕組みが必要です。

当社のコンサルティングの場合、クライアント側に、まず改善担当者を置いてもらいます。もしスタッフを用意できないというときは、当社でスタッフを割り当てます。そして、業務を“ミエル化”して無駄な組織・販売システム・業務フローを見ていきます

その後にやることは、“ヤメル化”です。販売につながらない無駄な仕事(作業・広告など)を取り除きます。そして販売サイトの改善(システム化・標準化)を行い、サイトを改善していくわけです。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方②
図2 「楽天市場」店のPDCAサイクル

ポイントは、レポート作りに時間をかけるのではなく、「CHECK(検証)」 ⇒ 「ACT(改善)」を素早く行うことです。

楽天店の効果を検証する5つの改善項目

効果検証の業務の次は、そのデータをもとに行う改善です。「楽天市場」店の効果検証における改善項目5つを押さえておきましょう。

① サイトデザイン(実店舗でいう内装)

お店の顔となるサイトデザインに安心感があり、お客さまの属性に好まれるデザインになっていますか? PCサイト、スマホサイトともにファーストビューでどのようなお店か、ということを一目でわかるようにしましょう

ポイント

サイトで使うカラーやフォント、バナーデザインなどは自社でガイドラインをしっかり作ること

② 商品画像(実店舗でいう、手に取ろうとする意思決定)

購入者の大半が写真を見て、購入の意思決定をしています。そのため、画像は特に重要です。ネット通販は手に取って見ることができないため、商品イメージをどのように伝えるのかが大切になります。商品画像は多ければ多い方がいい。また、スマホの商品ページに動画を用意するだけで、コンバージョンが10倍に上がった事例もありますよ。

ポイント

使い方が必要な商品であれば、必ず動画を入れよう。尺は長くせず、5秒ぐらいでもいい。PCサイトの場合、正方形の画像が使われているケースが多いが、スマホでは縦長画像がインパクトがあって見やすくて良い。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方③
図3 サイトや画像のデザイン

③ 商品タイトル、説明文(実店舗でいう接客)

商品に対する情報は、お客さまが買いたくなるように伝えましょう。ただ商品のスペックを記載している店舗が多いのが実情。それでは他社と同じです。何も記載していない空の商品ページの店舗も多い。商品タイトルや説明文はSEO対策にもなります。他社と差をつけるために、オリジナルの説明文を作りましょう

ポイント

担当者は自分のネタ帳を作り、売れるキャッチを蓄積していこう。アイデアやネタがたまればたまるほど、上手な説明文が作れるようになります。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方④
図4 商品タイトル、説明文で使えるキャッチ

④ カテゴリー(実店舗でいう棚割り)

お客さまが目的に商品にたどり着けるよう、探しやすいカテゴリーを付けます。

ポイント

スマホの場合はメニューデザイン、メニューバーが重要となります。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方⑤
図5 カテゴリー例

⑤ 商品ページのかご周り(実店舗でいうレジ付近)

コンビニなどのレジ周りには何が売られているか知ってますか? ついでに買うものですよね。「楽天市場」でも同様で、関連商品、あと少しで送料無料になる商品、セット商品を並べます

ポイント

商品ページと関係ないものは見せないこと。特に買い物カゴの前後は商品以外のものは並べない。フッターはレビュー、観覧、カテゴリーのランキングを見せる。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方⑥
図6 商品ページのかご周り

以上のことを、「楽天市場」のデータをもとに改善を繰り返していきます。サイトの改善に終わりはありません。

売れる店は改善を繰り返し行っています。担当者は意識して仕事をし、自分が担当した作業が良かったのか、悪かったのかを検証し日々の業務に生かすことが重要です。

楽天市場の店舗を伸ばす検証・効果測定のやり方⑦
図7 改善は終わりがない

まとめ

売り上げを最大化するためには、「CHECK(検証)」⇒「ACT(改善)」の素早い対応が重要です。そして、効果的な「ACT(改善)」には、改善内容の指標となる「CHECK(検証)」が不可欠です。

ただ、この作業を行うためのデータ取得に多くの時間を割いてしまう、つまり“作業のための作業”に時間を費やしてしまっては本末転倒です。ツールにできることは、システム化してしまった方がいいでしょう。

私はセカンドブレインを使って「CHECK(検証)」するためのデータを1クリックでダウンロードし、「ACT(改善)」に時間を使うようにしています。自社にとって何が適切なツールなのか、探してみるのもいいでしょう。

「楽天市場」内のアクセス解析を使い、無駄な「PLAN(企画)」と無駄な「DO(実行)」をなくし、PDCAサイクルを加速させましょう。

次回は「楽天市場の行動分析のやり方」を解説します。

【楽天市場で売れるための店舗分析セミナーのお知らせ】

エスアンドティーパートナーズとインタセクト・コミュニケーションズは共同で、「楽天市場で売れるための店舗分析セミナー」を10月22日(木)に開催する。

エスアンドティーパートナーズ代表取締役の松本順士氏が、「楽天市場」に構えたECサイトの売り上げをアップさせるための「分析・解析・改善」について、必要なノウハウを紹介。ネット通販テストマーケティング「Bee-Store卸プラン」を紹介する時間も用意する。

  • 開催日時:10月22日(木)14:00~18:00
  • 場所:インタセクト・コミュニケーションズ株式会社 セミナールーム(東京都千代田区神田錦町3丁目14番地12号)
  • 定員:30人
  • 料金:無料
  • 参加特典:「無料でできる売上アップの10の法則」をプレゼント
  • 申し込みと詳細http://eventregist.com/e/secondbrain20151022
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