21時以降の配達時間延長や「再配達なし」でポイント付与案など、再配達削減で国交省検討会が提言
再配達の削減に向けた基本的な考え方や具体的対策などを公表
国土交通省は10月14日、通販・ECなどの宅配に関する再配達の削減対策として開催していた「宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会」で、再配達削減に向けた基本的な考え方や具体的対策などを公表した。
公表資料では、社会的損失と今後取り組むべき内容を取りまとめた。主な内容は次の通り。
宅配再配達による社会的損失
- 営業用トラックの年間排出量の1%に相当する年約42万トンのCO2が発生(山手線の内側の2.5倍の面積のスギ林の年間の吸収量に相当)
- 年間約1.8億時間・年約9万人分の労働力に相当
今後取り組むべき内容
- 消費者と宅配事業者等との間のコミュニケーション強化
- 消費者の受取への積極参加の促進
- コンビニ受取の地域インフラ化
- 鉄道駅等での受取インフラ整備の促進など
【関連記事】なぜ通販の再配達は起きる? 不在時間帯は午前中が最多で、約7割が時間指定していない
【関連記事】年間9万人の労働力、1.8億時間分が宅配の再配達に費やされている。国交省調査
具体的な取り組みのトピックとして、次のようなこともあげられた。
たとえば、「21時以降への配達時間の延長や時間指定の枠の合理的な範囲での細分化を可能とする体制の整備」。検討会は、「消費者のライフスタイルの多様化が進む中で、宅配事業者において、これらのきめ細かい配達サービスへの要求に応えることは、消費者における受取の確実性を向上させることから望ましいものである」としている。
また、再配達を経験した消費者を対象にしたアンケート調査によると、回答者のうち約5割がポイントなどのメリット付与があれば1度で受け取る努力をすると回答。加えて、約9割が100円以下相当のメリット付与、同じく約5割が100円相当のメリット付与が適切との答えた。このことを受け、検討会は通販事業者などの関係者がポイント付与といった仕組みの導入検討を進めることが望まれるとまとめた。
これは広告です