“データフィード元年”と呼ばれた2015年、そして2016年はその利用や認知は大きく飛躍すると考えられます。データフィードとは、自社で保有している商品データを配信先のフォーマットに変換して送信する仕組みのこと。今回は、次から次へと登場する新しい広告手法の中から、「動画と商品情報」を合わせた新しいタイプの広告「TrueView for Shopping」を例に、その肝となる技術要素であるデータフィードの概要をご紹介。また、そのデータフィードを活用したダイナミック広告の代表的なサービスの特徴も合わせて解説します。

YouTubeの新タイプの動画広告は「データフィード」の利用が必須

2015年の年末から年始にかけて、「Zoffオンラインストア」で珍しい動画広告を利用したキャンペーンが行われていたのはご存知ですか?

YouTubeのEC用向け動画広告「TrueView」の利用に必要な「データフィード」って何?① 「Zoffオンラインストア」で展開された「TrueView for Shopping」
「TrueView for Shopping」広告の掲載イメージ

これはYouTubeの動画に登場する眼鏡商品の詳細情報を、動画内に「カード形式」で表示するものです。

動画内の商品が気になったユーザーは、わざわざ検索することなく、この動画上の商品情報をクリックすると「Zoffオンラインストア」の商品詳細ページへと直接移動できる仕組みになっています。

YouTubeのEC用向け動画広告「TrueView」の利用に必要な「データフィード」って何?② 「Zoffオンラインストア」で展開された「TrueView for Shopping」の画面移動
「TrueView for Shopping」広告クリック時の移動

これは「TrueView for Shopping」と呼ばれる広告で、米国では2015年5月から開始された比較的新しいタイプのものです。

印象的な動画広告に、商品へのダイレクトなWeb導線を結び付けることで、認知と購買の両立を図ることができるため、注目を集めています。

新タイプの広告を実現するデータフィードという技術

この「TrueView for Shopping」 広告の肝になっているのが「データフィード」と呼ばれる技術的な仕組みです。

データフィードとは「企業が保有している商材データを、定期的に、広告配信先などのフォーマットに変換して送信する技術的な仕組み」。データフィード自体は専用のサービスを利用するか、自社開発でシステムを用意するのが一般的です。

YouTubeのEC用向け動画広告「TrueView」の利用に必要な「データフィード」って何?③ データフィードによる商品データの配信イメージ
データフィードによる商品データの配信イメージ

「TrueView for Shopping」広告の例でいうと、動画の上に表示されているカード形式の部分すべてが、データフィードによって提供されている情報です。

具体的には「商品画像」や「価格」、「商品名」「カテゴリ」といった商品に関する情報と、「広告をクリックしたときの遷移先URL」情報などの部分です。場合によっては割引価格や売れ筋商品などの情報が含まれることもあります。

このようなデータフィードで送信される商品情報を軸に、広告の内容を自動的に変更するものは「ダイナミック広告」や「データフィード広告」と呼ばれています。

一言にダイナミック広告と言っても、それぞれにさまざまな特徴があるのですが、リスティング広告や、静的なディスプレイバナー広告と比べると、次のような特徴があるといえます。

  • 広告クリック時にトップページやカテゴリページではなく、商品詳細ページに直接遷移できるので、コンバージョンまでのページ遷移が少なくなり、従来型広告よりも高い効果が出やすい
  • データフィードは定期的に更新された最新の商品情報を使って広告画像や広告文が作成されるので、キーワード入稿作業やバナー作成作業が削減できる
  • 在庫がなくなった際に商品情報が広告掲載されないようにする対応や、商品画像が変更になった際の差し替え対応など、広告運用上たびたび必要になる作業も、データフィードを使って自動化することが可能

こうしたダイナミック広告の高い効果や自動化しやすい仕組みなどが話題になり、2015年はデータフィードの利用、普及が一気に加速した年となりました。

大手プラットフォーマーからは新たなダイナミック広告や関連するマーケティング手法が次々と発表され、データフィードに関するプレイヤーも続々と登場してきています。

2015年9月に「データフィード元年」を掲げて当社が主催した日本初のデータフィード専門イベント「FeedTech」でも、データフィードだけという狭いテーマにも関わらず、800人以上の申込があるなど、その注目度はかなり高まっています。

データフィードを活用した有名な広告

データフィードが注目されている詳細な背景については次回以降に詳しく紹介します。まずはその一番の活用手法であるダイナミック広告、中でもよく目にする有名広告を2つ解説します。ざっくりと活用イメージをつかんでください。

検索結果に画像付きで広告を掲載する - Googleショッピング広告

Googleショッピング広告(旧:Google商品リスト広告)」は、その名の通りGoogleの提供する広告サービスの1つ。検索結果の上部に画像付きで商品の広告を掲載することができます。

リスティング広告と比べて2~3倍の効果があり、モバイルではさらに効果が高いと言われています。モバイル対応が必須とされる昨今では強力な味方になると言えるでしょう。

主な特徴

  1. 表示場所は検索結果画面の上部
  2. 新規獲得にも利用可能な広告
  3. リスティング広告と比べてクリック率が2~3倍高い※
YouTubeのEC用向け動画広告「TrueView」の利用に必要な「データフィード」って何?④ 商品リスト広告の広告表示イメージ
ショッピング広告の広告表示イメージ(※の出典はAdWords ヘルプ:ショッピング キャンペーンとショッピング広告について

1人ひとりに合わせた広告バナーを自動で作成する「Criteo(クリテオ)」

Criteoはダイナミックリターゲティング広告で有名な広告です。ユーザーが一度閲覧した商品ページの情報などを生かし、1人ひとりに合わせた商品情報を含むバナーを自動的に作成、配信することができます。

それ以外にも多くの高性能なアルゴリズムを搭載しており、「クリックして購入する可能性の高いユーザ」を予測し、「入札単価を適切に算定」することができます。

YouTubeのEC用向け動画広告「TrueView」の利用に必要な「データフィード」って何?⑤ Criteo広告の表示イメージ
Criteo広告の表示イメージ(ブログのサイドバーに表示)

主な特徴

  1. Yahoo! JAPANを含む、日本のインターネットユーザーの92%にリーチできる豊富な配信先を保有
  2. 機械学習する最先端のアルゴリズムを搭載して最適化
  3. ユーザー一人ひとりに最適なバナーを自動で生成

※出典はCriteo公式サイト
※こんな事例があります(「ユーザーに最適な広告を自動で生成。CVR約2倍を実現するCriteoのリタゲ広告」)

ダイナミック広告はEC業界との相性が良い

ここまで紹介したダイナミック広告、実は「多くの商品データを保有し、かつ商品データの更新頻度が高いEC業界」との相性が特に良い広告となっています。

第一には、ダイナミック広告も、その他多くの広告と同じくEC業界をターゲットに提供されている広告が多いということがあげられます。先ほど紹介したGoogleショッピング広告も、最近でこそ他業種での利用が進んでいますが、もともとはEC業界でしか利用できない広告でした。

成功事例も各広告サービス提供会社からたくさん公開されていますので、安心して取り組める手法でしょう。

また、ダイナミック広告の「ユーザーや商品情報に応じて動的に広告内容が変化する」特徴により、これまで人手では対応が難しかったロングテール商品まで網羅的に訴求することができるようになるという利点もあげられます。

まとめ

これまでの情報をまとめると、

  • 高い効果のダイナミック広告を支えるデータフィードという技術的な仕組み
  • Googleショッピング広告とCriteoといった、有名なダイナミック広告の概要
  • EC業界とダイナミック広告は相性がいい!

データフィードを活用したダイナミック広告は、Googleショッピング広告やCriteo以外にも続々と増えてきています。特に、Facebookのニュースフィードに配信するようなインフィード領域のダイナミック広告が最近では話題です。こちらは今後の連載でもう少し詳しくご紹介できればと考えていますので、もう少しお待ちください。

第2回は、冒頭に登場した動画活用広告「TrueView for Shopping」について、広告の特性や強み、利用に必要な準備物など、もう少し詳しくご紹介できればと思います。

【フィードフォースからのお知らせ】

フィードフォースは2016年9月6日、国内最大級のデータフィード専門イベント「FeedTech2016 “Datafeed Everywhere!”」を開催します。

今回は広告領域のほか、分散型メディアやチャットボットといった今後関連が予想される周辺領域にもテーマを拡大。3会場同時並行での講演・パネルディスカッション、展示エリアを併設する予定です。

  • 名称:FeedTech2016 “Datafeed Everywhere!”
  • 会期:2016年9月6日(火)
  • 時間:10:30~17:30(10:00開場)
  • 会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター 2F
  • 料金:無料(事前申し込み制)
  • 詳細と申し込みhttps://feedtech.net
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谷垣 進也

株式会社フィードフォース

谷垣 進也(たにがき・しんや)

知財系ベンチャー企業にて事業企画・マーケティングに従事後、MAベンダーでのマーケティングコンサルタントを経て、2015年より現職。フィードフォースでは主にデータフィード最適化サービス「DF PLUS」のマーケティングおよび広報を担当。

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