「動画広告には興味があるけど、直接的な売り上げにはつながらないんじゃないの」と二の足を踏んでいませんか? そんなことはありません。認知と購買の両獲りを狙える新タイプのYouTube動画広告「TrueView for Shopping」は、EC事業者にお勧めの販促方法。注目を集める背景とその仕組み、効果を出すための活用ポイントを紹介します。

成果を上げた「TrueView for Shopping」活用事例

まずは「TrueView for Shopping」を活用した国内外の事例を紹介します。

海外事例(家庭用品のEC事業者「Wayfair」)

「True View For Shopping」を活用したWayfairでは、導入前と後に行ったキャンペーンの成果を比較したところ、インプレッション(広告の掲載回数)あたりの収入が導入前と比べて3倍に拡大しました。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント①
スマートフォン上での「TrueView for Shopping」広告の掲載イメージ(出典はIntroducing TrueView for shopping、編集はフィードフォース)

国内事例(Zoffオンラインストア)

新商品(2015年11月末に発売)の販促キャンペーンとして活用した水原希子さん登場のCM動画上に、出演者がかけている眼鏡やサングラスなどの商品情報を表示しました。このキャンペーンでは、計画よりもCPCを低く抑えながら購買までつなげることができたという成果が出ています。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント②
PC上での「TrueView for Shopping」広告の掲載イメージ(右側の商品情報が配信された商品情報の広告。クリックするとZoffオンラインストアの商品詳細ページへと移動します)

両サイトとも、「商品名をコピーし、検索画面を開いて検索する」というユーザーの手間を省くことで、商品を購入したいという視聴者の負担を軽減、購買までをスムーズにサポートしています。

「TrueView for Shopping」の仕組みを理解しよう

前回に引き続き、「TrueView for Shopping」広告について、もう一度概要を説明します。

「TrueView for Shopping」とは、YouTubeの動画広告(TrueView動画広告)上に、動画に関連する「商品の情報」を表示し、そこから自社ECサイトに誘導できる仕組みです。これは2015年の5月に発表された広告形式で、またの名を“ショッピング向け TrueView キャンペーン”と言います。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント③
「TrueView for Shopping」を使った誘導の仕組み

動画を見て商品に興味を持ったユーザーは、カード形式でオーバーレイ表示された商品情報をクリックすると、ECサイトの商品詳細ページに移動することができます。消費者へのアピールの仕方という点ではテレビショッピングによく似ています。

「Googleで商品を検索する」という手間を省き、購買までのアクションを簡略化するのが大きな特徴。先行している海外ではすでに従来施策比で3倍の収入につながったという事例も出てきています。

「TrueView for Shopping」はなぜ注目されているのか?

理由は大きく2点。環境の変化によるトレンドと、これまでになかったタイプの広告であることです。

動画視聴機会の増加で、動画広告に注目が集まる

まず1つは、「動画視聴」が一般的になったこと。そして、それに伴う「動画広告」への期待があります。

2015年のニールセンの調査では、YouTubeのスマートフォンからの利用者は3000万人超と発表されており、これはスマートフォンでインターネットを利用するユーザーの80%が利用していることになります(ニールセンの調査結果)。

いつでもどこでも持ち歩ける小型デバイスの登場で、空き時間に動画を閲覧する行動が増えています。そして、テレビ以外の端末で動画を視聴することが一般的になってきていることも踏まえると、肌感覚としてもしっくりくるのではないでしょうか。

この動画人気を受け、動画というメディアを活用した広告も注目されています。スマートフォン向け動画広告の伸びが期待されていて、2017年には1093億円、2020年には倍増となる2009億円(うち、スマートフォン向けで57 %を占める)に達するという調査結果(サイバーエージェントの調査結果)もあります。

1つの広告で認知と顧客獲得の両取りが狙える

これまでは「認知獲得手段」というイメージが強かった動画広告ですが、「TrueView for Shopping」はその概念を打ち破りました。商品情報とセットで訴求することができるのです。従来の広告にはなかった「認知と購買の両獲り」が狙えるようになり、まさにEC事業者向きの動画広告といえるでしょう。

次のような悩みを抱えるEC事業者の課題を解決する策として期待されています。

  • リスティング広告で集客し、リターゲティング広告で刈り取る、というだけではどうしても先細りしてしまう
  • 動画は成果までつながったのかがはっきり見えにくいのが不安

合わせて、Googleが大事にしているマイクロモーメントという観点からも、理にかなった広告です。マイクロモーメントとは、「人が何かを知りたい、見つけたい、観たい、買いたいと思ったときに、反射的にスマートフォンやタブレットに向かう、その瞬間のこと」。スマートフォンの利用頻度が高い世の中では、消費者が“買いたい”と思った瞬間にリーチできているかどうかが、広告の効果に大きく影響してくると考えられています。

つまり、動画を見て「この商品がほしい」と思ったときにすぐ購買ページへ移動できるという体験の重要性が高まっているということです。もちろん「TrueView for Shopping」はモバイル上でも同様に表示されるため、ユーザーの「買いたい!」という瞬間をしっかりと捕まえることができます。

こうしたスマホ時代の消費者行動は今後も加速していくと考えられるため、Facebookなどの他媒体でも、同様の広告フォーマットが登場する可能性があります。

「TrueView for Shopping」の利用に必要な5点

「TrueView for Shopping」を実際に使用するためには、下記の5点が必要になります。

  1. 自社商品情報の「マスターデータ」
  2. 商品情報を提供する「データフィード」
  3. Google マーチャントセンターアカウント
  4. AdWordsアカウント
  5. 広告動画

まず、「自社商品情報のマスターデータ」を社内システムのデータベースから抽出します。そのマスターデータを広告に適した形に加工し、配信する仕組みが「データフィード」です。データフィードにより「Googleマーチャントセンター」に配信された広告用商品データは、Googleの審査後に広告として活用できるようになります。あとは「AdWordsアカウント」で自社の「広告動画」とひも付けて広告キャンペーンの設定を行っていきます。

広告キャンペーンの詳細設定方法についてはAdWordsヘルプもご参考ください。

この各要素と、全体の仕組みとの関係を図で説明すると次のようになります。

YouTubeでEC向け動画広告を簡単配信。 「TrueView for Shopping」の活用ポイント④ 商品マスターデータ データフィード Googleマーチャントセンター Google AdWords
「TrueView for Shopping」を利用するために必要な要素

「TrueView for Shopping」の広告効果を左右するのは「データフィード」です。というのも、広告の商品画像やタイトルなどの広告クリエイティブに関する情報は、すべてデータフィードによって決まるからです。

データフィードを効果的に活用して、広告の成果を高めるためには2つのポイントを抑えておきましょう。

商品データを広告に適した形に加工する

Googleマーチャントセンターに商品データを登録するためには、まずGoogleが規定する仕様に沿った必須項目を用意する必要があります。その上で、広告効果を高めるためにデータそのものの調整(チューニング)が重要になってきます。たとえば、商品のタイトルの先頭にブランド名をつけ、目に付きやすくするなどの加工です。

フレッシュな情報を配信する

広告運用を開始ユーザーが興味を持って商品情報をクリックしたのに、ECサイト上では在庫切れ表示が……という状況になると、せっかくの広告が無駄になってしまいます。そのため、可能な限りサイト上の情報と合わせていけるように、データフィードの配信頻度がポイントになります。理想的には1日1回以上の更新をめざしたいですね。

成功のカギ、データフィードを用意する方法

広告効果の重要なカギを握るデータフィードですが、その構築・運用に関しては大きく3つの選択肢があります。それぞれにメリット/デメリットがあるため、自社の状況に合わせて適切なものを選択する必要があります。

  1. 手動で商品情報を加工して、定期的に登録する
  2. 加工・自動更新する仕組みを自社で開発する
  3. データフィード専門ベンダーに依頼する

商品点数がそれほど多くない場合や、これからデータフィードを使った広告を試してみようとしている担当者の方は、まずは手動による加工からスタートしてみてもいいでしょう。その後、より成果を上げるための改善策としてシステム化、外部化を検討するという方法です。

商品点数が300点以上あったり、在庫変動が多い場合などについては、手動での対応では本来の広告パフォーマンスが発揮できない懸念がありますので、最初からある程度の自動化を視野に入れた計画をおすすめします。

外部のベンダーに依頼する場合は、業界ごとのベストプラクティスを活用して運用を開始することができるため、比較的早い段階で結果の判断を下すことができます。また、近年では広告代理店がデータフィードベンダーと協業しているケースも増えてきていますので、悩んだ場合は広告運用をお願いしている広告代理店に相談してみるのもよいでしょう。

よろしければこちらもご覧ください

【フィードフォースからのお知らせ】

フィードフォースは2016年9月6日、国内最大級のデータフィード専門イベント「FeedTech2016 “Datafeed Everywhere!”」を開催します。

今回は広告領域のほか、分散型メディアやチャットボットといった今後関連が予想される周辺領域にもテーマを拡大。3会場同時並行での講演・パネルディスカッション、展示エリアを併設する予定です。

  • 名称:FeedTech2016 “Datafeed Everywhere!”
  • 会期:2016年9月6日(火)
  • 時間:10:30~17:30(10:00開場)
  • 会場:御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター 2F
  • 料金:無料(事前申し込み制)
  • 詳細と申し込みhttps://feedtech.net
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谷垣 進也

株式会社フィードフォース

谷垣 進也(たにがき・しんや)

知財系ベンチャー企業にて事業企画・マーケティングに従事後、MAベンダーでのマーケティングコンサルタントを経て、2015年より現職。フィードフォースでは主にデータフィード最適化サービス「DF PLUS」のマーケティングおよび広報を担当。

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