スマホでのクレカ決済などを容易にするモバイル決済サービス「ZNAP」とは?

通販サイト、実店舗などあらゆるシーンで、簡単にスマートフォンを用いて決済することが可能

中川 昌俊

2014年6月30日 11:10

モバイル決済サービスのMPayMe Japan が提供するスマホ決済アプリ「ZNAP(ズナップ)」。通販大手のスクロールが運営するスマホEC特化のブランド「Spiege(スピージュ)」に導入されるなど注目を集めている。一般的な決済のほか、クーポンや入場管理など、さまざまなソリューションに対応したサービスが特徴という。人気とともに利用企業を増やすズナップはネット通販のECサイト運営にどんなメリットをもたらすことができるのか。使い勝手の良さがあるのか。

アプリにクレカ情報などを事前登録、専用QRコードを通じ簡単決済

ZNAP」は、QRコードを活用することが特徴の決済アプリケーション。専用のアプリにクレジットカード情報などを入力することが必要となる。アプリに登録した情報と、QRコードを通して得る支払い情報を紐付け、モバイル端末を通じて容易に決済が行える

通販サイトでは、消費者をQRコードから通販サイトへ誘導し、その決済手段として「ZNAP」を選択してもらうと、事前に登録しておいたクレジットカード情報などを利用して、決済が完了できる仕組み。

住所情報や氏名なども「ZNAP」の専用アプリに登録しているため、ユーザーは初めて利用するECサイトでも、決済時にあまり手間をかけることなく、商品を購入することが可能になる

「特にスマホの場合、新会員登録作業が面倒なため、新しいサイトで買わないケースが多いと聞いている。また、普段利用するサイト以外でクレジットカード情報を入力すると流出するのではないかというユーザーの不安も大きいが、ZNAPではそうした不安も取り除くことができる」(山路幹営業部長)

加えて、便利に利用できるのが実店舗などリアルでの活用だ。最近では、コイニーやPayPalHereなどスマートフォンを利用した決済サービスが増えているが、こうしたサービスとの最大の違いがQRコードの利用。例えば、レジで商品を購入する場合、ZNAPのシステムとPOSシステムを連携させることで、レジで登録した支払い情報を、リアルタイムで通信。レジの横に設置したQRコードを読み取るだけで、決済が完了できる

また、飲食店ではテーブルごとにQRコードを置けば、ユーザーはテーブル上にあるQRコードを読み取るだけで、決済が行える。

さらに、最近問題となりつつあるコンサートチケットなどの転売。ZNAPを利用することで、クレジットカード情報と連携した本人認証が行えるようになり、入場管理が可能になる。クレジットカード情報と紐づいたNFC(近距離無線通信)内臓のリストバンドを発行することも可能で、イベントなどで販売されている商品を、リストバンドをかざすだけで購入することができるようになる。

さらに、マーケティングにも利用可能だ。ユーザーの購入履歴を管理することができ、アプリを通じてクーポンなどを発行することで、ユーザーの購買促進にもつなげることができる

「ZNAP」で利用されるQRコード。「ZNAP」のアプリをインストールせずに読み込むとダウンロードサイトに遷移する

大手の導入増加で、認知度とECサイトへの普及が広がる可能性も

現在、「ZNAP」が利用できる店舗やECサイトはまだ少なく、多くの消費者が「ZNAP」のアプリを利用している状況ではない。

「大手企業で採用されれば、顧客の認知度も高まり、さらに導入が進むと考えている。システム自体は高い評価をいただいているので、他社が始めれば当社も導入したいという企業が広がっていくだろう」(山路氏)

MPayMe Japanは20134月に決済業務のビリングシステムと業務提携。料金面でも安価に提供することができる。決済手数料は3.24%、既にカード会社加盟店契約をしている場合、その契約を利用することも可能となっている。

今後、さらにアプリのアップデートを進めて使い安さを高め、サービスの認知度を高めていく。「飲食店などの店舗で利用する際、慣れていないお客さまは、時間がかかるケースがある。使い易さを目的に改良を施し、多くの消費者にアプリをダウンロードしてもらえるようにしたい。イベントへの参加、媒体や電車の中刷り広告などで告知を行い、認知を高めていこうと考えている」(同)。

ZNAP」は国内に加え、海外でも利用することが可能。すでに米国や東南アジアでは利用が広がっており、使用できる店舗も増えているという。

「日本人が海外に行ったときに日本と同じ仕組みで支払いができるようになれば、とても便利。逆に、海外のユーザーが日本に足を運んだ時も同様の環境を作りたい。特に東京五輪の際は多くの外国人が訪れるので、それを見越して多くの店舗に提案をしていきたい」(同)

MPayMe Japan2014年に大手20社への導入を目指している。まずは、大手を中心に加盟店を拡大、早期に100万人以上の消費者に利用してもらいたいとしている。利用できる店舗とユーザーが増えれば、店舗が導入するメリットが高まる。スクロールが導入したことで、ネット通販サイトで利用が広がる可能性がありそうだ

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