Amazon最強の対抗馬「Jet」、ウォルマートが3400億円で買収
「Jet」は「オンライン上のどこよりも低価格で商品を提供する」というビジネスモデルをECで展開
世界最大手の小売企業であるウォルマート・ストアーズは8月8日、会員制のECマーケットプレイス「Jet」を運営するジェット・ドット・コムを33億ドル(約3400億円)で買収すると発表した。
約30億ドルは現金で、3億ドルはウォルマートの株式で支払う。
「Jet」は2015年7月、正式にサービスの提供を開始。「オンライン上のどこよりも低価格で商品を提供する」というビジネスモデルをECで展開している。
「Jet」のビジネスモデルのポイント
- 出店者から徴収する手数料は、商品価格をさらに下げる目的に利用し、顧客に利益を還元
- 買いたい商品については、ベンチマーク価格として「Amazon」での販売価格をサイト内に表示
- 配送関連の利便性を犠牲にして価格面での競争力を優先
- 単なる値引きではなく、さまざまな買い物方法によってディスカウントする仕組みを構築
- 1つの店舗で購入するほど割引額は大きくなる
◆「Jet」の詳しいビジネスモデルについてはこちらをご参照ください ⇒ 「Amazonへ価格競争で逆襲か? コストコ的ビジネスモデルで勝負を挑む「Jet」とは」
マーケット界隈では、Amazonの最強の対抗馬とされた「Jet」。サービス開始1年間の流通総額(GMV)は10億ドルを突破。月間の新規顧客は40万人、1日あたりの注文数は2万5000件を超えるという。マーケットプレイスに参加している小売企業・提携企業数は2400店。
「Jet」の創設者Mark Lorie(マーク・ロア)氏は、ベビー用品のECサイト「Diapers.com」を立ち上げ、アマゾンに5億5000万ドル(約660億円)で売却。アマゾン傘下となった後、2年ほど勤めて2012年に退職した。
その後、2014年11月に「Jet Insiders」をローンチし、ベータ版のマーケットプレイスを試運転していた。
米国最大級のEC専門誌InternetRetailer社によると、ウォルマートの2015年におけるEC売上高は137億ドルで、前年比12.3%増だった。
ウォルマートは「Jet」を取り込み、EC事業を拡大させる。
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