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スタートトゥデイ100%子会社のクラウンジュエルは、ファッション通販サイト「ゾゾタウン」内で展開するブランド古着専門店「ゾゾユーズド」が高成長を続けている。足もとでは、ユーザーがゾゾで新品を購入する際に古着の下取りを申し込むことで新品アイテムが割引となる「買い替え割」が仕入れ全体の約4割を占めるなど、調達面で貢献している。同社の宮澤高浩社長に、事業環境や急成長の背景などについて聞いた。

価値を伝えたり、トレンドを押さえた場作りが大事

――不用になったファッション商材を買い取ったり、販売するサービスが増えている。

フリマアプリの定着で古着の売買が大衆化してきているのは感じるし、新規参入もあるが、それぞれのサービスによってニーズの発生のさせ方が異なっている。当社のように古着を丸ごと買い取るサービスは“お片付け需要”に強い。片付けは誰もが喜んで行うものではないし、重たい思いをしてまで店舗に古着を持って行っても残念な値段を提示されることは少なくないが、『ゾゾユーズド』は自宅にいながら簡単に不用になった服を片付けられる」

――他社サービスは。

「フリマアプリは、どちらかというと不用な物がお金になるサービスで、しかも、けっこうカジュアルな商品まで手軽に売れるメリットがある。ブラケット創業者の光本さんが始めたサービス『キャッシュ』の場合はすぐにお金が欲しい人向けのサービスというように、同じ土俵にいるように見えて異なるサービスだ」

スタートトゥデイ傘下の「ZOZOUSED」が好調な理由は? クラウンジュエル社長 宮澤高浩氏に聞く
好調な「ZOZOUSED(ゾゾユーズド)」(画像は編集部がサイト画面をキャプチャし追加)

――古着を買う消費者の視点ではどうか。

買う側からすると、『ゾゾユーズド』で買うのも『メルカリ』さんで買うのも楽天さんや店頭で買うのもそんなに差を感じないため、売り場としての勝負はし烈になるが、各社が切磋琢磨してサービス水準も上がればもっと便利になり、古着市場の拡大につながる」

――どこまでが競合になるのか。

「消費者が古着を買うことに抵抗がなくなると、価格帯が近いファストファッションと古着のどちらを選ぶかということになる。そのため、古着であってもしっかり価値を伝えたり、トレンドを押さえた服が入りやすい場づくりが大事になる

――「ゾゾタウン」の平均商品単価が下がっているが、古着のお得感は失われていないのか。

「お客様は『ゾゾタウン』だけで買い物をしているわけではなく、ファストファッションも含めて世の中のブランドの価格帯をちゃんと分かっている。世の中のファッション商材と比べて『ゾゾユーズド』の価格や品ぞろえに価値を感じてもらえるかが重要だ」

――前期の売上高は前年比61.8%増の128億円強となった。

「リユースバッグを開発した15年以降、買い取りが非常に増えていることが増収の一番の理由だ。古着を買い取る際のキットを従来の段ボールからポストに入るサイズのバッグにした。利用者が家を空けていても受け取ることができ、梱包用のテープも使わずに服を詰めて送るだけという簡単なステップにした。前々期は、調達力を高めることに重点を置いて商品を集めるだけ集めたが、商品選定が不十分だった。前期は、買い取りの基準をどこに置くかに神経を使った。当たり前のことだが、お客様が欲しいと思う商品を買い取って、適正な値段を付けて販売するということを地道に続けた。商品力が高まれば、売り上げも伸びる」

――ユーズドで売れる商品の特徴は。

「基本的に、売れる商品は新品を扱う一次流通とほとんど変わらない。一次流通で売れたアイテムは二次流通でも売れる、一次流通で売れなかった商品は二次流通でも売れない。当社としては売れる商品を仕入れ、それがいくらで、何日以内に売れたかということを突き詰めていくことが大事で、昨年はこのサイクルがうまく回った」

――前期は利益面も大きく改善した。

「前々期は経常損失、当期純損失ともに1億円強を計上したが、前期は経常利益が11億円強、当期純利益が7億円強となった。買い取りがものすごく伸びた前々期は、社内のスタッフだけでは間に合わず、一部で外部企業を使ったものの負荷がかかり過ぎて業務効率が悪化した。そのため、ユーザーからの買い取りを制限しながら、オペレーションを組み立て直した。前期はオペレーションの改善と、売れる商品を利益が出る水準で買い取ることに専念したことが利益に大きく貢献した」

「ZOZOTOWN」の強みを生かした「買い替え割」

スタートトゥデイ傘下の「ZOZOUSED」が好調な理由は? クラウンジュエル社長 宮澤高浩氏に聞く
クラウンジュエル宮澤高浩社長

――査定業務の効率化も大事になる。

「査定のノウハウを持つスタッフもいるが、経験がない人でも判断できるように独自の自動査定システムを運用していて、アルバイトの査定スタッフを増やして買い取りの増加に対応している」

――昨年11月に「買い替え割」を始めた。

「『ゾゾタウン』で商品を購入する際、過去に購入した商品から『下取りに出したいアイテム』を選択すると、その場で下取り金額分を割り引くサービスで、利用者は購入商品と一緒に届く下取りアイテム送付用のバッグに、下取り商品を詰めて送るだけだ」

――新品と古着を同じ売り場で販売するサイトならではの発想だ。

「『ゾゾタウン』で一次流通に取り組む強みを生かしている。新品の販売時期や定価、当時の人気度合、売れた数などさまざまなデータがあるため、買い替え割では利用者から古着が届く前に買い取り価格を提示できる。従来は買い取りバッグを開けるまで何が入っているか分からなかったが、買い替え割は『これを買い取ります』というオファー式で、『ゾゾユーズド』で販売が見込める商品だけを対象に価格を提示している。そのため、引き取った時点で利益を確保できることが大きい

――新品の販促にもつながりそうだ。

「買い取り割は『ゾゾユーズド』の仕入れをしつつ、『ゾゾタウン』の新品が値引きになるため、消費者にとってはもちろん便利だし、商品が売れやすくなるという意味では『ゾゾタウン』やブランドさんにとっても価値があるのではないか」

――買い替え割の利用状況はどうか。

「『ゾゾユーズド』の買い取り商品のうち、買い替え割経由の買い取り分が4割程度になっている。実際の商品を確認する前に下取り価格を提示しているが、サービス開始前にしっかりとテストを行い、未回収率や買い取り品のコンディションによるロス率も加味して値決めをしている」

――買い替え割は商品の見せ方も違う。

「『ゾゾユーズド』のサイトでは、例えばトップスはハンガー掛けの画像とモデル着用画像の2種類があるが、モデル着用画像を使っているのは買い替え割の商品で、『ゾゾタウン』で新品を販売したときの商品情報とコーディネートを含む画像を再利用しつつ、新品の発売時期や定価、商品のコンディションなどを記載している。これまで古着で実現できなかった着用画像のハードルを越えられるのは大きい」

――新品の画像を再利用することで購入者からクレームはないのか。

「『このアイテムは古着商品です』という注意書きはもちろん、各商品のコンディションについて、数回使用した程度のきれいな商品は『A』、使用感が少ない商品は『B』などと記載しており、トラブルは生じていない。新品の画像を使うことで古着のコンディションが伝わらないのではという議論が社内でもあったが、問題は起きていない」

――買い替え割以外の商品についても業務フローが変わる可能性も。

「変えていかないといけない。買い替え割の商品と同様にコーディネート画像を付けることなどはあり得る」

――急成長で倉庫の保管能力などに余裕はあるのか。

「千葉県内の物流施設『プロロジスパーク習志野3』の4階1フロアを利用しているが、まだ拡張できる。古着は縦積みで売る商売ではなく、回転率が大事だ。また、買い替え割は撮影やデータ入力の手間が省けるため、効率化につながっている。必要な業務は検品くらいだ。買い替え割経由の買い取り商品のシェアが増えれば増えるほど物流は軽くなる

――18年3月期の売上高は4割増しの180億円を見込んでいる。

「けっこう攻めた数字だと思っている。よく、『ゾゾタウンと一緒に展開していれば自然成長するでしょ?』と言われるが、『ゾゾタウン』に売り場があることで新客を開拓できたのは最初の2年くらいの話。今は討って出ないと新客は獲得できない。その背景には、フリマアプリの登場もあるだろうし、『ゾゾタウン』ユーザーの属性も昔とは変わってきた。以前は本当にファッション好きが集まっていたと思うが、今はマス化している」

――中長期的なターゲットや新たな挑戦は。

「リユースファッションが当たり前になるようにしたいという思いで、お客様に喜んでもらえることにはどんどんチャレンジしていきたい。当社として500億円くらいは目指したいという思いはある」

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