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どのような危機にも当てはまることですが、企業は急速に変化する状況に適応し、消費者に最高のサービスを提供するために、マーケティング、オペレーション、ビジネスモデルを変更しなければなりません。誠実な対応は現代のビジネスにとって重要な基盤であり、危機的状況への計画的な対応を確実に実行することが最も大切です。

ウイルス対策カテゴリー商品売上、前年比817%に急増

COVID-19(新型コロナウイルス)に対する懸念が高まり、ネット通販での消費行動に大きな変化が起こっていることが、米国の上位100社の小売事業者のうち80社のECサイトをモニターしているアドビのデータから明らかになっています。

消毒液、手袋、マスク、抗菌スプレーなどのウイルス対策カテゴリーの商品の売り上げは、1月から2月にかけて前年比817%と急増。この2か月間の市販薬の購入額は、風邪薬やインフルエンザ治療薬が198%、鎮痛剤が152%の増加。トイレットペーパーのオンライン販売は186%と急増し、非生鮮食品の缶詰や保存性の高い食品の売り上げは69%増加しています。

コロナ危機を受け売り上げが伸びている商品カテゴリ。2020年1-2月、%は前年比
コロナ危機を受け売り上げが伸びている商品カテゴリ。2020年1-2月、%は前年比(画像は、DigitalCommerce360「How to modify your ecommerce strategy during the coronavirus crisis」より編集部が作成)

ウイルス感染の危機が、これらの商品購入を後押ししています。現在、世界中の政府がコロナウイルスの感染拡大を遅らせようと、国民に屋内へ留まることを推奨しているため、緊急時用の備蓄商品も急激に売れています。この傾向は今後も続き、多くの消費者がオンラインでの購入パターンを新しく確立していく中で、この消費行動が恒久的なパターンになっていくでしょう。

危機的状況に対応しながら顧客に最高のサービスを提供し続けるには?

どのような危機にも当てはまることですが、企業は急速に変化する状況に適応し、顧客に最高のサービスを提供するために、マーケティング、オペレーション、ビジネスモデルを変更しなければなりません

誠実さは現代のビジネスにとって非常に重要な基盤であり、情報の透明性とソーシャルメディア上での共有化が進む現代においては、このような状況への計画的な対応を確実に実行することが最も大切です。

COVID-19のような危機下では、明確で事実に基づいた声明を発表し、顧客にコミットし、事業と運営の継続性を確保することが、これまで以上に重要になります。以下に、EC戦略を変更する際に考慮すべき重要なポイントを解説します。

コロナ対策のEC戦略で重要な8つのポイント

① 即効性のある行動:コミュニケーションとマーケティング

消費者はCOVID-19の影響を個人的に、経済的に、そしてビジネス面でも受けています。そんな中、信頼を築き情報の正確性を確保することが、これまで以上に重要になっています。信頼できるアドバイザーとしてブランドを確立するために、事実に基づいた適切な情報を提供しましょう。

必要に応じて、シナリオや顧客の考え方に合わせて、適切に伝え方を変更しましょう。また、これまで大人数のグループや公共の場で使用していた画像を別の画像に差し替えるなど、サイトの微妙な修正も共感を得るのに役立ちます。パンデミックに対処するために直接サービスを提供し、サイトのコンテンツを変更する場合は、メタデータも更新することが重要です。

② 自社の経験を共有する

消費者に心を開き、自社の話をしましょう。危機があなたの会社に与えている影響、それがあなたの会社の業務にどのような影響を与えたか(ネガティブな面もポジティブ面も両方)を説明しましょう。社長からのビデオメッセージをホームページに掲載しても良いでしょう。実店舗は閉鎖されていても、会社は健全で、この嵐を乗り切ることができると消費者に確信してもらいましょう。

倉庫やコンタクトセンターなどの事業を継続するために、どんな事をしているのか説明しましょう。オフィスや倉庫に残っている従業員を守るために行っている事を必ず説明してください。今起きていることがサプライチェーンにどのような影響を与えているかを説明し、いつ在庫を確保できるか現実的なタイミングを伝えながら、売り切れについて謝罪します。消費者の共感を得ることを目標にしましょう。

米Amazonはトップページ上で、自社の新型コロナウイルス対策や寄付先情報を掲載(画像は編集部が米Amazonよりキャプチャ)

③ コロナウイルス危機の中でのオペレーションの継続性

オンラインショッピングへの移行によって、フルフィルメントと配送業務への負荷が大きくなったため、安定的なオペレーションの継続がますます大きな課題となっています。消費者の期待値を正しく設定し、安全な在庫レベルを確立して、確実にコミットすることが大切です。

店舗での商品受け取り(BOPIS)を最適化し、定期的な受け取り、路上での受け取り、配送オプションを検討することで、ウイルスにさらされる危険を低減することができます。需要の高い商品には購入制限を設けることも検討し、公平な流通を確保することで、転売を抑制しましょう

④ 消費者に先の見通しを考えてもらう

多くの大手事業者やマーケットプレイスは、フルフィルメントの負担をさらに軽減するために、一般的なカテゴリーよりも重要な商品や消耗品を優先しています。消費者に今後のニーズを予測した上で複数の商品を一度に注文してもらい、同じ住所への配達を減らすことを促してください

これによってフルフィルメントへの負担を軽減することができます。消費者には、必要な時にその都度注文すれば良いという、「Amazonプライム」的な考え方を避けてもらいましょう

⑤ オンライン注文が安全であることを消費者に伝える

配送過程でのウイルス対策について、消費者に詳しく説明するようにしてください。ほとんどの場合、輸送中に荷物がウイルスに感染するリスクは非常に低いことや、配送ドライバーとのソーシャルディスタンス(社会的距離)を保ち、開封前に消毒液で荷物を拭くなどの方法を伝えます。

また、一次輸送業者や配送ネットワークへの負荷が過剰になってきている今こそ、サードパーティロジスティクス(3PL)や配送パートナーをよく検討すべき時かもしれません。店舗からのラストマイル配送を専門としている物流会社は、迅速かつ効果的に店舗から出荷したり、広大な配送ドライバーネットワークを活用したりすることができます。

⑥ 代替決済

銀行口座を持たない消費者など、新たな消費者層もオンラインを利用し始めています。こうした消費者にサービスを提供するには、Venmoのような現金ベースの取引をサポートすることが不可欠です。消費者の短期的なキャッシュフローの懸念や今後の自動車、家賃、住宅ローンなどの支払いに関しては、複数のオプションを提供することを検討してください。

そうすれば、消費者はより高額で、贅沢な商品を購入することに前向きになり、危機の脅威が去って、経済が回復モードに入った今年の後半に支払いを行うことができます

⑦ COVID-19に対応したカスタマーサポートの拡大

流入と注文量が増加すると、消費者からの問い合わせに対するサポートを増やす必要が出てきます。コールセンターが一度に対応可能なキャパシティーに達したり、検疫のために一時的に閉鎖したり、在宅勤務モデルへの移行が必要になったりすると、これらの需要を管理することはますます困難になります。

こんな時は、ECサイト上の商品情報とFAQの強化が大切なポイントとなります。たとえば、チャット機能は、このような状況ではより重要になるでしょう。

また、このような時に、ブランド支持者のコミュニティをどのように活用できるかを考えてみてください。従業員やコンタクトセンターの負担を軽減するために、既存の顧客が見込み客からの質問に答えるのを助けることができるコミュニティを開設することを検討してみましょう

⑧ デザインよりもユーザビリティに(短期的に)焦点を当てる

COVID-19は、インターネットとモバイルネットワークにかつてないほどの負担をかけており、その結果、ネットの速度が低下しています。

モバイルやウェブの全体的なサイトパフォーマンスを優先してください。高解像度のホームページバナーを減らし、閲覧や購入ができるという基本的な動作が、苛立ちにつながるほど遅くならないようにしましょう。

◇◇◇

消費者が緊急事態に備えてデジタルを利用するケースが増えている現在、ECサイトやモバイル・アプリケーションにおいて、スムーズでストレスのない高速なサービスを提供することに注力する必要があります。

このような非常時に、消費者のニーズに応えることは必須です。消費者を失望させれば、間違いなく他の場所で買い物をすることになります。小売事業者は消費者のニーズを満たし、長期的なロイヤルティを構築することに焦点を当てるべきなのです。

※【4/16】記事中の一部社名に翻訳の誤りがありました。該当箇所を「アドビ」に訂正いたしました。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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