あなたの会社はきちんと利益を管理していますか? ネットショップは売り上げに焦点を当てて運営している企業が多く、利益をきちんと管理しているネットショップはそう多くはありません。売り上げ重視のため売上高は大きくなっているけど、ふたを開けてみたら赤字経営。倒産したネットショップは珍しくありません。EC事業者のみなさん、「利益の管理」という言葉を聞いてどのようなことを思い浮かべますか? ネットショップだけに特別な“何か”が存在するわけではありません。

売り上げアップだけに着目する店舗から脱却しよう

今回は売り上げアップだけに着目する店舗から脱却するための数字管理を説明します。ポイントを押さえながらネットショップを運営することで、ネットショップの成長性・収益性・安全性(企業体力)を高めることができます

利益管理に着目して店舗運営をするためのポイントを3つご紹介する前に、少し損益計算について少しご説明を。利益と名がつく項目は大きく5つです。

売上総利益(売上高-売上原価)、営業利益(売上総利益-販売費管理費)、経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)、税金等調整前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)、当期純利益(税金等調整前当期純利益-税)です。

どの利益に着目するのか? によって視野が変わることを押さえておきましょう。たとえば、最後の当期純利益に着目すると、日本の法人税の税率は高いので外国へ本社を移転するなどという話はよく聞きますよね。

3つの数字を見れば利益管理のできるネットショップになれる

ネットショップで見るべき数字で重要な順に挙げると、売り上げ、仕入れ、在庫、販売管理費となります。売り上げ目標を立てているネットショップはたくさんありますが、その売り上げ目標の根拠を語れるネットショップはほぼ皆無です。

そこでまずは見るべき数値の1つ「売り上げ目標」についてご説明を。

売上目標は運転資金から逆算して設定しよう

ネットショップは「なぜその売り上げ目標なのか?」を説明できるようになることがまず、利益をきちんと管理するための最初のスタートとなります。主な売り上げ目標の根拠例を挙げてみます。

財務的な視点からは、手持ちの運転資金からの逆算となります。売り上げ目標が決まるということは、それに対応して仕入れ額の目標が決まります。そうすると、手持ちの運転資金で賄えるのかどうかという問題がありますので、まずは運転資金から売り上げ目標を設定するというのが無理のないネットショップ運営となります。

そこで、売り上げ目標を作る1つのたとえを示してみましょう。

  • 市場規模の推計から売り上げ目標を立てる。対象は日本人なので、日本の総人口が総母数とする。
  • 見込み客はその商品を使ってもおかしくない年齢層・男女・地域性(都市や田舎)
  • 期待の購入パターンで年間何回くらい買うのか?いくらくらい消費するか?
  • ネットで買う比率はどれくらいなのか?

などの予測をして絞り込んでいくと、大まかな市場規模(売り上げの可能性)が予測できます。現実的には、今年の実績から●●%アップするぞ! といった売り上げ目標にするというのもありだと思います。

ほとんどのネットショップは売り上げ目標だけを設定して走り出してしまいます。ここでもう一歩踏みとどまりましょう。

仕入れ額や在庫額、販売管理費の目標とた立てると、各利益項目の目標まで計算できるようになります

毎月月末で締めるとき、最初に見るべき数字は利益ですよ。各利益項目を最初に見る癖をつけましょう

運転資金の増減に注意して支払い、回収などのサイクルを回そう

利益項目の次に見るのは、運転資金の増減です(売り上げはその次くらいの重要度です)。

運転資金は、売上金の回収と支払いの間に立て替えるお金のこと。支払いを立て替えている間、ほとんど商品は在庫となります。運転資金を増やすのは、売上金の回収を早めるか、支払いを遅らせるか、在庫を減らすかのどれかになります。

ネットショップの経営で重要視されることは、資金をうまく回転させることです。その回転を持続させるには、“適切な”運転資金を確保しなければなりません

運転資金は機能的な観測で用意するのではなく、不測の事態にも耐えることを考えておくことが必要です。常に運転資金に注視し、運転資金に対する銀行預金残高がどれくらいあるのか? を年頭に入れて仕事をすることが求められます。

銀行残高と運転資金の差は、フリーキャッシュフローの「営業キャッシュフロー」という言葉で表現されます。誤解を恐れず乱暴にざくっと解釈すると、結局のところは「ネットショップの商売でお金がいくら増えたのか? 」という金額です。銀行残高から運転資金を引いた差額(ネットショップの運転で儲かったお金)となります。

まずは、「自分のネットショップで運転資金がいくら必要なのか? 」という数字を把握しないと、いくら儲かったのかがわからないのです。

「運転資金」の増減に注意しながら、回収、支払いなどのサイクルを回していくことが、ネットショップの運営に求められます

売れるかどうかではく利益の増減で考える利益曲線(粗利曲線)

新商品を販売すると、ライバル店は「そのお店で売れている」と見るやすぐに似たようなことをしてくるのがネットショップの世界です。ライバル店が増えて価格競争になると、商品単価を下げる、つまり利益率を落とさなければ売れなくなってきます。価格競争の始まりです。

ここで大事なのは、売れるかどうかで頑張るのではなく、利益が確保できるかどうかで考えましょう。競争が激しくなり「売り上げが減ってきた!」と感じる前に、「競争で利益が減ってきた!」と感じることができるかどうかの判断が必要です。それができるネットショップの数値管理です。

ネットショップの利益が確保できるかどうかを重視するので、販売している商品の利益が減ってきたら撤退タイミング、と思うくらいがちょうど良いです。

一度利益が落ちてきた商品で利益が確保できるようにするのと、新商品で利益を作るのとでは、どちらが効率的であるかを考えることも重要です。

利益を減らさない工夫は、一般的には新商品に切り替えるかリニューアル、リパックしたり、ネーミングを変えるといった方法で販売価格を維持するという調整を行います。

ライバル会社の商品開発スピードがより速く進化しているという認識を持ち、対策を練りながら自社の商品開発や販売に取り組めば、一定の期間利益は減らさないといったこともできるようになるでしょう。

また、販売商品の切り口(便益や活用シーン)を変えて新しいマーケットに商品を投入することも検討してみましょう。マーケットが変われば新商品となります。お客さまにとってはとても新鮮な商品となるのです。

このように利益に関係する数字を常に見る癖をつけましょう。ネットショップを運営する視点ではとても大切なことです。


一般財団法人日本電子商取引事業振興財団(J-FEC)のお知らせ

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     【博多久松】 有限会社久松 松田健吾様
     
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    【博多やきとり・もつ鍋 若杉】 株式会社Skyward 松尾直幸様
     
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