ネットショップ流の“おもてなし”とは、消費者に「思っていたより○○だった!」と思わせること
「おもてなし」という言葉を聞いてどのようなことを思い浮かべますか? ネットショップだけに特別な“何か”があるわけではありません。「おもてなし」とは、「人や物事に対する振る舞い方」といった意味がありますが、ネットショップでの「おもてなし」とは、ある程度の期待を抱えてサイトに訪問してきた人に対し、その期待を超える“何か”を提供することでしょう。「思っていたより○○だった」という気持ちを抱いてもらうために心掛けておきたいポイントを解説します。
お客さまの期待を超えることで「おもてなし」が実現する
端的に記しますと、どのように「おもてなし」を提供していくのかは、ネットショップの永遠のテーマです。正解はありません。正解は星の数ほどあります。
しかし、「おもてなし」に必要なことを知っているのと知らないのとでは、大きな差が出てきます。「おもてなし」を実現するためのポイントをお伝えします。
お客さまの立場として、「おもてなし」の様子を真っ先に思い浮かべるのは、高級旅館における女将さんの玄関で振る舞われる笑顔でしょうか。お店側としては玄関の水まきでしょうか――。どちらのシーンでも、お客とお店側が初めて接するシーンを思い浮かべます。予約時間の30分前から玄関の外で、お客をお迎えするという高級料亭は多いです。こうした日本流の「おもてなし」をネットショップで実現するためにはどんなことが必要でしょうか。
お客さまが商品を購入するときに使用する端末は、パソコン、スマホ、ガラケーなどいろいろです。ネットショップもリアルかバーチャルかなど違いはありますが、基本となる「おもてなし」の考え方は同じです。
ネットショップでお店側からお客さまへの“おもてなし”として、最初に思い浮かべるのは、「検索エンジン」や「広告」、「メールマガジン」からの流入でしょう。リンクをクリックしてきたお客さまが「目的」を持って来店してきたシーンを思い浮かべることができるでしょう。
クリックして来店してきたお客さま=目的がある
このことはたたき込んでおきたいポイントです。訪問してきたお客さまがランディングページを見てどう感じるかと考えたことはありますか? お客さまの目的(こんなもんかなという期待も含まれる)を超えるということが、ネットショップにおける「おもてなし」を考える上で重要なことであり、具体的な施策になってきます。
お客さまが「まさか!?」と思われるようにネットショップは施策を行うことが必要です。それはすなわちエンターテイメントであり、サプライズであり、お客さまが感じる楽しさなのです。
では、私たちネットショップ運営者は具体的に何をどのように作りこんでいけばいいのでしょうか? それは、五感(六感)への「おもてなし」を細分化して考えていくということです。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の感覚に加え、「色・声・香・味・触」という“意識”の六感でもアプローチすることです。
ちなみに、意識というのは、五感から感じる心の妄想とも捉えることができます。例えば3人が同じ「白い花」の写真を見て、白い花という認識(瞬間的に白い花だとわかることを考えること)は3人共通です。しかし、その先に生まれる意識(可愛いとか綺麗とか美しいとか考える心)が異なってきます。自分が「美しい」と思っても、相手が「可愛い」と思うような、自分と他人では違うというケースがほとんどです。
心で考えることは、すべて妄想や決め付け、錯覚、誤解などにつながり、ある感情が湧いてきます。それが喜怒哀楽という感情表現になります。
こうしたことを念頭に、目的を持ってクリックし、訪問してきたお客さま(未来の購入者)がサイトを見てどのように感じるのか考えてみてください。
ネットショップのランディングページは、ほとんど視覚だけで「おもてなし」を提供しなくてはなりません。目的を持ってクリックしてきた人にはある程度の期待がありますので、その期待を超えることが「おもてなし」につながることはご理解いただけたことでしょう。
まずは、お客さまがクリックして訪問してきたときの期待を想像し、イメージを膨らませてその期待を良い意味で「裏切る」という初手を成功させることに全力を出しましょう。
それがネットショップにおける「おもてなし」を実現する第一歩となります。
ネットショップのおもてなし実践編
「おもてなし」を実現するための施策はどうすればいいのか。検索エンジンで初めて訪問した人がどんな期待を込めてキーワードに入力しているのか? ということを想像してみましょう。
「商品名○○ 価格」というキーワードには、お客さまのどんな期待が込められているでしょうか?
- いくらで買えるのかな?
- どれくらいの値段なのかな?
- ピンキリを知りたいよね?
- 場所(サイト)でどれくらい値段が違うのもなのだろうか?
こんなイメージは沸きましたか? では、ここからネットショップはどのようにお客さまに「おもてなし」をすればよいでしょうか?
正解は1つではありません。たくさんのパターンがあり、たくさんの正解があります。しかも、その正解をすべて網羅してもお釣りがくるくらいのインパクトのある「おもてなし」も存在します。
スティーブジョブズの有名な名言に「人は形にして見せて貰うまで自分は何がほしいのかわからない」という言葉がありますが、同じような感じです。
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