自社ネットショップ(独自ドメイン店)を成功に導くためにはどのようなことが必要だと思いますか?モールに頼らない自社サイト作りは多くのEC企業が抱えている課題です。中小規模のネットショップが自社サイトを伸ばすためには、価格競争を避けるための戦術が必要となります。通販・EC企業の経営者・担当者が集まる一般財団法人日本電子商取引事業振興財団が現場の声を基に、成功するネットショップを作るためのアドバイスをお伝えします。

零細ネットショップが価格で戦ってはいけない3つの理由

  1. 零細ネットショップはスケールメリットが出せない
  2. ポイント付与や値引きの方法が少ない
  3. 広告予算の投下額が少ない

商品の仕入れでスケールメリットを出すことができない中小零細企業は、大企業に比べて致命的にコスト競争力で劣ります。ある程度の物量を仕入れることができる体力がなければ、商品原価の引き下げはもちろん、物流費や手数料などすべてにおいてコストダウンは難しい。大企業とコスト面で対等に戦うことはできません

ポイント付与も値引きも同じようなこと。大企業はここでもレバレッジを利かせることができますが、零細企業は難しいですよね。

そもそも、広告予算が少ない中小零細のネットショップは、大企業のようにたくさんの人に自社の製品などを見てもらうチャンスが少ないです。そのため、同じ土俵で戦う以前に、認知やインパクトという面でも劣っています。

仮に零細ネットショップが価格で勝負したとしましょう。価格が安いというのは相当の武器になります。しかし、ただ利益を削って販売価格が安いだけでもダメです。それは、そもそも体力に劣る中小零細のネットショップでは長続きしにくいからです。

一般論になりますが、ネットショップは「価格を安くすれば売れる」という土俵で戦うと、アリジゴクのように泥沼に吸い込まれていきます。某大手モールに出店するお店では、売り上げを求め過ぎて、赤字経営に。そして結局は、夜逃げをする店舗が後を断ちません

ECのマーケティングの目的は、「販売を不要にすること(押し売りしないでもお客さまが買いに訪れること)」にあります。そうなるために一番重要なことは、「顧客創造」という視点です。

例えるなら、そもそも顕在化しているお客さまの購入したいという欲求に応えるのではなく、お客さま自身も気が付いていない潜在的な行動欲求に応えるために、商品を販売するということです。

価格を安くすれば売れる「モール」や「アマゾン」はまさに仕入れ力で勝負する売り場です。仕入れ価格を安くするには仕入れ量を増やすこと、工場からの直接仕入れなど、商品調達に関する無駄を省くということに力を注ぐことが必要となります。

ただ、無駄を省くことには限界があります。だから、中小零細のネットショップは潜在している顧客の行動欲求に応えなければならないのです。顕在化しているニーズに対応するネットショップはまさに販売価格勝負となってしまうのです。

中小の零細ネットショップが価格で勝負しないで勝つ3つの戦法

  1. マーケティング技術を駆使して、「お客さまが自然に集まってくるネットショップを作る」
  2. マーチャンダイジング技術を駆使して、「お客さまが探している商品の最安値で販売する」
  3. ソーシャル技術を駆使して、「お客さまからお客さまへ伝わるネットショップを作る」

顕在化していない顧客のニーズを開拓するにはどうしたらいいのでしょうか。この点について解説していきます。

モールやアマゾンの弱点を攻めよう

1. の考え方は、アマゾンやモールの苦手な部分だけを市場と捉えます。つまりモールやアマゾンの弱点を攻めるという考え方です。アマゾンやモールの苦手な部分とは、「お客さまが何を買えばいいのか分からないけど何かを買うときであり、行動ニーズで何か買う商品を考えているとき」からお客さまと接するということです。

お客さまの消費行動を分析すると、段階があります。
「認知 → 興味 → 欲求 → 動機 → 機会 → 検索 → 比較 → 購入 → 利用 → 愛情」といった流れです。

この購入までの行動心理段階で、欲しい物が決まっているとします。価格を比較する段階になってからを得意とするのが、アマゾンやモールです

例えばコンサートに行くことになったとしましょう。観覧席がステージから遠いため、うまくステージが見えないのが課題。そんなとき双眼鏡の購入を考えます。「どんな双眼鏡がいいのかな?」「双眼鏡っていくらくらいするのかな?」・・・など、双眼鏡を買ったことがないので、どこに売っているのかが分からず、まずはネットで調べるでしょう。

検索エンジンに「双眼鏡」と入力して検索。しかし、思うようなアンサーページが見つかりません。「双眼鏡 コンサート」で検索します。「うぅ~ん微妙」・・・というように、自分の欲しい情報を探すのは一苦労です。

ここで、お客さまが思いつく限りの検索ワードがすべて検索結果で表示されると、やっと自社のECサイトに訪れてくれるというのが現実です。

SEOというのは、検索エンジン対策ではなく、お客さまが検索するワードのアンサーコンテンツ制作ということなのです。

双眼鏡の品番まで分かったり、自分で何を買えばよいのかわかる人は価格比較サイトやモールで安いものを探す傾向が高いです。しかし、それを面倒くさいと感じる人は、友人がお勧めする商品を探したりして購入します。こだわりを持っている人ほど自分で購入することをとことん楽しみ、こだわりを持っていない人は、検索で商品が見つからなければ他の要素で商品購入を決める傾向があるのです。

お客さまが求める商品には、最低でも「松竹梅」の3種類を用意しよう

2.の「マーチャンダイジング技術を駆使して」を説明しましょう。「お客さまが探している商品の最安値で販売する」というのは、いわゆる品揃えの技術のこと。巨大モールはとにかく商品データを蓄積し、多くの商品数を用意することで客さまをおもてなしします。

しかし、それは「お客さまへのお店からの提案」という意味では全くお客さまを向いていないということを意味します。マーチャンダイジングの基本は、お客さまの欲しい商品を、最低でも3種類(松竹梅)を用意するところから始まります

例えば、高級品が欲しいという方、たまにしか使わないので使い捨て感覚で買えるお手軽なモノが欲しい方・・・など、お客さまが欲しい商品に対してそれぞれに「松竹梅」の提案を用意するというようなこと。毎日入るお風呂でも、石鹸・シャンプー・洗顔・オイルなどたくさんの商品があり、お客さまごとにニーズが異なります。ユーザーごとに好みの商品を「松竹梅」で用意し、安いものもあれば高い商品も販売することで、お客さまの選択肢を増やすということが一例です。巨大モールではお客さま自身が、目的の商品を探さなくてはいけないという手間と不満があるのです。そこを解消していきましょう。

お客さまにまず、店舗を覚えてもらおう

3.の「ソーシャル技術を駆使し、お客さまからお客さまへ伝わるネットショップを作る」とは、「●●を買うならこの店」というように、まずはお客さまに覚えてもらうこと。そして、それをどのタイミングでどんな会話の中で、どんなSNSのシーンでたくさんの人に広げてもらうか? これが必要です。商品ではなく品揃えでこうした認知や話題を作っていくことも必要です。

つまり、これら3つのことを徹底することこそが、巨大モールと戦う方法になります。この凡事徹底の強い意志や姿勢こそが、お客さまに信頼される基になることは、間違いないでしょう。

安く売ることに挑戦することももちろん素晴らしいことですが、そこは激戦区。零細の中小ネットショップは、価格を安くすることはもちろん、顧客を創ることを考え、戦っていきましょう


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