ECサイトの広告予算はいくらが目安? 計算方法や決め方まとめ
リスティング広告、リターゲティング広告、Googleショッピングなど、ネットショップを運営するために集客・広告ツールの利用を検討している方も多いでしょう。ですが、広告を出そうと思っても「広告費にいくらかければいいのか」迷ってしまいますよね。少なすぎて効果が出ないのは避けたい一方で、不要に広告費をかけすぎると経営を圧迫しかねません。
そこで今回は、広告費をいくらに設定すればいいのか悩んでいる方向けに、カラーミーショップが考える「広告費の目安の決め方」をご紹介します。必要な数値や計算方法を詳しく解説しているので、簡単におおよその広告費を出すことができます。
ネットショップの広告を出したいけど、広告にいくらかければいいのか、どうやって決めたらいいんだろう?
広告費の予算は、広告経由で獲得したいアクセス人数や売り上げをベースに計算して算出します。今回は、その手順をわかりやすく解説します。
広告費の予算を決めるための準備
広告費の予算を出す前に、必要な数字の確認や広告の目的を決めましょう。
準備1:計算に必要な数字を確認する
広告費の予算を決めるには、まずは現状を把握します。ご自身のネットショップの以下の3つの数字をチェックしましょう。
- アクセス人数
- 購買率
- 平均購入単価
これらの数字は、Googleのアクセス解析ツール「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」で確認が可能です。
準備2:アクセス人数か売り上げか、伸ばしたい数値を決める
予算を決めるにあたり、次に「どの数値を伸ばすために広告を出すのか」、広告の目的を決めましょう。ネットショップの広告は、大きく分けて2つの目的に分かれます。
- アクセス人数:知名度をあげたい・新規顧客を増やしたい場合(全店舗向け)
- 売り上げ:売り上げを伸ばしたい場合(ある程度購入者がついている店舗向け)
このように、目的によってどの数値を伸ばせばいいのかが決まります。ご自身のネットショップが今どの段階にあるのかを考え、目的を決めましょう。
広告予算の決め方
準備ができたら早速、広告費の予算を決めていきます。まずは、アクセス人数を上げるために広告を出す場合の予算の決め方を見てみましょう。
アクセス人数を伸ばしたい場合の広告予算
アクセス人数(訪問顧客数)を伸ばしたい場合、広告予算の目安を出すのは簡単です。広告ツールには大体のクリック単価が出ていますので、まずその単価を確認します。
例えば訪問顧客を1か月あたり300人増が目標で、広告のクリック単価が100円の場合は以下の計算式になります。
1か月の広告予算
目標訪問顧客数×クリック単価=広告予算
300人×100円=30,000円
※手数料などが含まれる場合はそれも加算します
このように、アクセス人数を伸ばしたい場合の広告予算は、目標とするアクセス人数とクリック単価を元にすればすぐに出せます。
売り上げを伸ばしたい場合の広告予算
売り上げを上げることを目的に広告予算を決める場合は、ある程度信用できるくらいの購入データとアクセスデータがそろっている必要があります。そのため上記にもあるように、ある程度の購入者がついてから広告による売り上げアップをめざしましょう。データがそろっている場合は、以下の手順で広告予算を出していきます。
1.売上目標を決める
いくら売り上げを伸ばしたいのか、まずは売上目標を決めましょう。今回は広告経由の売り上げを1か月で10万円にすることを目標とします。
2.顧客平均購入単価を確認する
次に、顧客の平均購入単価を確認します。顧客のデータは、多いほうが信頼性は高くなります。過去の売上単価の平均値を出すことで求めることもできます。
3.目標金額の達成に必要な購入顧客数を計算する
顧客の平均購入単価がわかったら、何人が購入すれば目標金額の10万円になるか、必要購入顧客数を以下のように計算します。今回は、仮で平均の顧客購入単価を4,000円とします。
1か月の必要購入顧客数
目標金額÷平均購入単価=必要な購入顧客数
100,000円÷4,000円=25人
これで10万円という売上目標を達成するためには、1か月あたり25人の顧客に購入してもらう必要があることがわかりました。
4.必要な訪問顧客数(アクセス人数)を計算する
さらに、何人にサイトへ訪問してもらえれば、先ほど出した購入顧客数(25人)を達成できるのか、必要な訪問顧客数(アクセス人数)を計算します。
まずは、購買率を確認します。仮に購買率を5%とすると、以下のように計算できます。
1か月の必要訪問顧客数(アクセス人数)
購入顧客数÷購買率=必要訪問顧客数
25人÷0.05=500人
これで、売上目標10万円を達成するためには、1か月あたり500人にサイトに訪れてもらう必要があることがわかりました。
5.訪問顧客数から広告予算を設定する
集客すべき訪問顧客数(アクセス人数)がわかったので、これに対してどのくらい予算がかかるかを計算していきます。
まずは広告ツールで、大体のクリック単価を確認します。今回は、仮でクリック単価を60円とします。
1か月の広告予算
訪問顧客数×クリック単価=広告予算
500人×60円=30,000円
※手数料などが含まれる場合はそれも加算します
これで1か月あたりの売上目標を達成するための広告予算の金額がわかりました。
6.広告予算を調整する
以上の計算から10万円を売り上げるための広告予算は30,000円であることがわかりました。一方で、一般的には「広告費は売上目標の30%程度」ともいわれています。
今回はちょうど売上目標の30%の金額になりましたが、計算した結果、もし広告予算が売上目標の30%を大幅に超えてしまうような場合は、少し予算を抑えるなど調整しましょう。
広告費が経営を圧迫しないためにも、まずは売り上げの30%程度を広告予算の目安とすることをおすすめします。
売上目標を達成するための計算式のまとめ
上記の計算を1つの式にまとめると以下のようになります。
1か月の広告予算
((目標金額÷平均購入単価)÷購買率)×クリック単価=広告予算
((100,000円÷4,000円)÷0.05)×60円=30,000円
広告の売り上げ効果はLTVで考える
広告コストに対する売り上げ効果としては、LTVで見ましょう。LTVとはライフ・タイム・バリューの略で、日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれます。LTVは簡単にいうと、リピートも含め、お客さまが生涯にわたってどれくらいの利益をもたらしてくれたかの指標です。
できれば数年単位で見るのが望ましいですが、データが集めにくいため、年単位で概算を見積もることをおすすめします。
まず顧客の1年あたりの平均購入回数を出します。例えば平均単価4,000円で年間の平均購入回数が3回、広告経由の購入者数が25人とすると、以下の計算ができます
1か月の広告コストに対する売り上げ効果の見方
平均購入単価×平均購入回数×広告経由の購入者数(1カ月間)=広告経由の売り上げ
4,000円×3回×25人=300,000円
1か月分の30,000円の投資に対しての売り上げは概算で300,000円となりました。このように、顧客のリピート売り上げも踏まえて、広告投資をすると良いでしょう。
まとめ:目標に合わせて広告費を決めよう
今回は、ネットショップの広告費の予算の決め方についてご紹介しました。広告予算は、目標とする売り上げやアクセス人数をベースに計算するのがおすすめです。
また、広告を効果的に使うには、自社のネットショップの状況に合った目標を設定することが重要です。ぜひ、この記事を参考にネット広告の予算を立ててみてください。
この記事はカラーミーショップの公式Webメディア『よむよむカラーミー by GMOペパボ』の記事を、ネットショップ担当者フォーラム用に再編集したものです。