EC企業の担当者の方も、自分でネットショップを立ち上げた方も、ネットショップ運営に携わる方であれば、集客や売上をはじめ、日々さまざまな悩みが出てきたり、課題にぶつかったりすることがあると思います。筆者も自身のネットショップを運営しながら他社のECサイトの立ち上げに携わるなど、ネットショップの運営に奮闘する毎日を送っています。

「思ったより集客が上手くいかない」「売上がなかなか上がらない」「Googleアナリティクスをもっと活用したい」「分析の仕方がわからない」など、さまざまな課題を抱えつつ、日々の運用業務に追われているのが現状です。

そんななか、「ネットショップ道場」を受講できることになりました。「ネットショップ道場」とは、EC事業コンサルタントを手がける株式会社二天紀さんによる1年間の連続オンライン講座。二天紀の代表 山本頼和氏はじめ、各分野で豊富な実務経験を持つ4人の講師陣が講義を受け持ちます。座学よりも実務に活かせるワークショップが中心ということで、課題解決に悩めるEC担当者には好適の勉強会。この連載では、「ネットショップ道場」で学んだことをお伝えしていきます。 イラスト◎995

大事なのはゴール設定。受注1件が成立するまでの流れを知る

第1回の講義のテーマは、「サイト内行動分析編 CVまでの流れをおさえる」。前半では「思考の整理」やCVが成立するまでの流れについての解説を、後半は実際にGoogleアナリティクスを使ったワークショップが行われました。

まず受注1件が成立するまでの流れについて。そもそもこれがわからないと集客に目が行ってしまうとのこと。確かに、売上が伸び悩んでいる時に「集客が上手くいかないから売上が上がらないのかも」と考えて、とにかく集客を増やそうとしていました。

山本氏山本氏

「サイトの回遊性」という言葉もあるが、これも重要とは思わない。一番良いのは最小のフローで決済まで行けること。行動分析で大事なことはお客様にゴールに来てもらうことでゴール設定が大事。ゴール設定がないと回遊性に目が行ってしまう。

「回遊性が高ければ、お客様が色んなページにアクセスしてくれて良いな」と解釈していました……。回遊性は高くなくても良いんですね。いろいろ数字は見ていたつもりでしたが、受注1件が成立するまでの一連の流れは見ていなかったと気付きました。ようやく頭の切り替えができて、スタート地点に立った感じです。

見る数字が多すぎると何が大事かわからなくなる

次に投げかけられた質問は「そもそも成果とは何なのか?」。集客数、アクセス数、UU数、セッション数、PV数、直帰率、売上、CVRなどなど、ネットショップで「成果」として語られる指標はたくさんあります。しかし、山本氏が相談を受けるショップの多くは、「見ている数字が多すぎて何が大事かわからなくなっていることが多い」と言います。

そこで、ネットショップ道場では、成果は「受注件数」もしくは「お問い合わせ件数」のみと定義しています。 受注件数を1件、2件、3件と増やしていくことが、成果アップということ。ショップによっては、お問い合わせ件数も成果と考えられるので、この2つがゴールになると言います。「反論があるかもしれない」と前置きした上で、山本氏は続けます。

山本氏山本氏

成果とはコンバージョンであり、成果を上げるためにはコンバージョンの最大化が必要。ここで大事なのが、あくまでも「コンバージョン」の最大化であって、「コンバージョンレート」の最大化ではない。CVRが下がっても、CVが増えることはよくある

「CVRはたいてい1%」は真実か

ネットショップに関わる方の大半の人が、「一般的にCVR(コンバージョンレート)は1%が平均」という説を聞いたことがあると思います。筆者もその認識でいました。

多くの人が「1件のCVが欲しければ、100件の訪問者が必要」というように考えるのが一般的だった

でも実際は、1%になることはあまりないと言います。実際にGoogleアナリティクスで見ると、例えばお客様がトップページからカテゴリページに行って、商品ページに行き、その中の何人かがカートに入れるといった一連の流れがあります。

山本氏山本氏

実際はこうした過程があって、例えば訪問数100件のうち、カテゴリページに50件行ってそこから20件が商品ページに行って、3分の1が買ってくれたという話かもしれない。そうなると話がずいぶん変わってくる。1%というのは結果論であって、それまでのプロセスがある。プロセスとなる数字を1つ1つスライスして見ていくと、どこにボトルネックがあるのかわかってくる

これには受注に至るまでのプロセスまで追って見ていなかったことに気づかされました。

山本氏山本氏

もちろん集客アップもしてほしいが、競合の問題やGoogleもあれば、いろんな課題が出てくる。一番にできることは、いま来ていただいているお客様にとって、買いやすいサイトに作り上げ、迷わずに買っていただけるようにすること。これは競合もGoogleのアルゴリズムも関係ない。まずサイトに来てからの動きを見て、そこにヒントが落ちてないか探すべき。

扱う商品の価格帯などでも変わってくるそうですが、自分のサイトにある要因を探るよりも、外的影響に目が行ってしまっていたところがあったと反省しました。

CVRを正しく理解してCVRに振り回されないようにしよう

CVR(コンバージョンレート)は大きく2種類あって、CV数 ÷ 訪問者数UU(ユニークユーザー)または訪問数セッション数 × 100 で算出するとされています。

CVR(コンバージョンレート)の考え方

Cookie規制を機に、楽天市場やYahoo!ショッピングでは1年ほど前にこのCVRの計算方法が変わったようで、これまでUUで割っていたところをセッション数で算出するようになったようです。分母が変り、CVRが下がりました。だからこそ「CVRはあまり見なくてもいい、コンバージョンの最大化だけにフォーカスするべき」と強調されています。

山本氏山本氏

誰かが作った公式や数値に振り回されないように、疑って自分自身で考えてみることが大事

まさに私も振り回されていた1人。コンバージョンレートがなかなか上がらないことに悩んでいました。そうではなくて、コンバージョンを増やすことに視点を変える必要があったのですね。

今回の言葉

ECコンサルタントの方は、売上を上げることを前提に「集客を上げて売上を上げましょう」と言うことが多いそうです。しかし、この道場ではそうではないと山本氏は言います。

山本氏山本氏

いまサイトに来ている方に買ってもらうのが一番良い。そしてリピートしてもらうというモデルが一番良いと思っている。いま来ている方をちゃんと見て、ファンを増やしていくという活動が自分たちにできることではないか。

今回の講義では、今まで何となく理解したつもりになっていたCVRをはじめ、何となく認識していた業界の数字が本当に正しいのか、自分のショップの現状はどうなのか、見るべき数字は何なのか、改めて考える機会になりました。

頭の整理からはじまり、ついて行くことに必死だった第1回目を終えて、果たしてこれから自身の力で自分のショップの問題点を分析し、課題解決できる力を身に付けることができるか、次回以降も挑みたいと思います。

つづく
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