クックパッドが生鮮食品EC「クックパッドマート」で始める「産直アウトレット」とは

未利用魚など規格外のサイズやキズなどで値段がつきにくい、1回の収穫・漁獲量が一定の出荷量に満たない、鮮度が落ちやすいなどの事情で既存の流通網・販売網での販売が難しい食材などを扱う

石居 岳

2022年3月10日 8:00

クックパッドは生鮮食品EC「クックパッドマート」において、一般販売されない食材を低価格で生活者に販売する新プロジェクト「産直アウトレット」を開始した。

「産直アウトレット」では、未利用魚など規格外のサイズやキズなどで値段がつきにくい食材、1回の収穫・漁獲量が一定の出荷量に満たない食材、鮮度が落ちやすいなどの事情で既存の流通網・販売網での販売が難しい食材などを取り扱う。

「クックパッドマート」の出荷システム、独自の流通網、生活者が1品から必要な分だけ送料無料で購入できる手軽さなどの仕組みを活用し、食品ロスの危機にある食材を生活者に低価格で届けることができると考え、「産直アウトレット」を始めた。

クックパッドは生鮮食品EC「クックパッドマート」において、一般販売されない食材を低価格で生活者に販売する新プロジェクト「産直アウトレット」を開始
「産直アウトレット」の仕組み

「クックパッドマート」では2021年11月以降、カキの剥き方や簡単に食べられるレシピを紹介する「食べ方提案」を含めた企画を実施。2022年2月に廃棄の危機にあった兵庫・室津産の殻付き真牡蠣を実質1キログラム577円で販売したところ、600キログラム以上が12時間で完売したという。

「産直アウトレット」は今後、年間を通じて既存流通網では出回らない新鮮な食材、天候不順や飲食店の休業、休校による学校給食の中止など、何らかの事情で余剰在庫となった食材などを低価格で販売。生産者の支援、食品ロスの削減につなげていく。

クックパッドの調査によると、「新たな食・料理に関する取り組みやスタイルにどの程度関心があるか」を聞いたところ、56.5%が「フードロス削減に関心がある」と回答。「食材の自作(家庭・ベランダ菜園など)」(32.8%)などよりも高い関心を示している。

また消費者庁の発表では、日本の食品ロス量は年間600万トン(276万トンが家庭系、324万トンが事業系)で、毎日大型(10トン)トラック約1640台分が廃棄されているという。生活者が家庭でできる食品ロス削減の取り組みだけでなく、事業者側での食品ロス削減の取り組みが求められるとしている。

クックパッドは生鮮食品EC「クックパッドマート」において、一般販売されない食材を低価格で生活者に販売する新プロジェクト「産直アウトレット」を開始 日本の食品ロス量
日本の食品ロス量(消費者庁の発表資料から編集部がキャプチャ)

 

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