GMOペパボが運営するネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、今回で8回目となる「カラーミーショップ大賞2022」を開催した。オフラインでの実施は3年ぶりとなる。

4万を超えるショップのなかから大賞に選ばれたのは、フェアトレードの洋服やファッション雑貨などを販売する「sisam FAIR TRADE(シサムフェアトレード)」。大賞を受賞した「sisam FAIR TRADE」はどのような点が評価されたのだろうか。

GMOペパボが運営するネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、今回で8回目となる「カラーミーショップ大賞2022」を開催

大賞は「sisam FAIR TRADE(シサムフェアトレード)」
https://sisam.shop-pro.jp/

カラーミーショップ大賞2022 sisam FAIR TRADE シサムフェアトレード
「sisam FAIR TRADE」のTOPページ(画像は「sisam FAIR TRADE」からキャプチャ)

「sisam FAIR TRADE」は、1999年4月25日に京都の郊外で小さなフェアトレードショップとして生まれた「シサム工房」のECサイト。創業以来、オリジナル商品を開発。商品の質、デザイン、提案する空間にこだわりながら、チャリティではなく一貫してフェアトレードで事業に取り組んでいる。

インドの村で1点ずつ刺繍を施したワンピース、ネパールで作った手編みのセーターなど、途上国の人々による手仕事で制作した物を販売している。

カラーミーショップ大賞2022 sisam FAIR TRADEで扱っている商品
「sisam FAIR TRADE」で販売している商品(画像は「sisam FAIR TRADE」からキャプチャ)

コロナ禍による作り手への打撃を抑えるため、実店舗で使用できる「未来チケット」をネット販売するなど、逆境への対応力が評価された。また、フェアトレード、ひいては社会課題の解決という自社コンセプトをECサイト上でも貫く姿勢が評価され、大賞に選出された。「カラーミーショップ大賞2020」では優秀賞を受賞している。

ECサイト運営は「強く“人”を感じる仕事」

「sisam FAIR TRADE」の店長 谷初花氏は、受賞に際して次のようにコメントした。

ECサイト運営は、注文を受けて商品を届けるという一見システマティックでシンプルな仕事に見えますが、その分強く「人」を感じる仕事だと日々思っています。

会場で他店舗の方の話を聞いて、場所も販売している商品もまったく違いますが、皆さんそれぞれ大切に思うものを大切に販売されていて、顔の見えない誰かを大切にしている仕事なんだと思いました。(谷氏)

カラーミーショップ大賞2022 sisam FAIR TRADE 大賞受賞に際しコメントする谷氏
「カラーミーショップ大賞2022」大賞受賞に際し、コメントする谷氏

大賞受賞店舗に聞く、ECサイト成長のポイントとは?

「sisam FAIR TRADE」の店長である谷氏に、注力している施策や今後の展望などについて話を聞いた。

「ユーザーに来てもらえる場所作り」がECサイト伸長の理由

――授賞式で「一時期店舗の売り上げが下がってしまった」とお話していましたが、ECサイトの売り上げが伸びたきっかけは何でしょうか?

谷 初花氏(以下、谷氏):それまでは店舗とオンラインがそれぞれ情報を発信していましたが、「今はオンラインという場しかない」と一丸となったことが伸びた要因の1つとしてあると思います。

コロナ1年目のピーク時、ECサイトを知らなかったお客さまが一気に集まって下さったのですが、「本当は来店したいお客さまにECサイトで購入していただくために、どういう環境にしたらなるべく店舗に近い環境になるのか」を考えてさまざまな施策を行いました。

たとえば、普段大阪のお店で購入しているお客さまがECサイトで購入した際に大阪の店舗名を書いていただきました。そして、その店舗の店長やスタッフに書いてもらった手紙を商品と一緒に届けてつながりを持たせました

将来店舗で買い物ができるようになったら使える「未来チケット」など、商品を買っていただきたいという思いはありました。しかし、コロナで大変な時期は皆が家にいて外出できない状況で「果たして服は必要なんだろうか?」というところから考え始めました。

そこで、実際の売り上げには直結しませんが、スタッフがそれぞれの暮らしのなかで楽しんでいる趣味や読みたい本などのコラムをECサイト上で出し続け、人に来ていただく場所を作ったことがオンラインを一気に加速させたと思います。

カラーミーショップ大賞2022 sisam FAIR TRADE 店長
「sisam FAIR TRADE」店長の谷 初花氏

一期一会の商品がECサイトでは人気

――ECと店舗で売れている商品に違いはありますか?

谷氏:ヒット商品のようなものは大体似ていますが、やはり店舗が強くてオンラインは弱いということが多いです。

特に私たちは手仕事のものを販売しているので、人によっては買うのが難しい価格のものもありますし、たとえば手織りのショールだと触ったり巻いたりしてみないとわからないことも多い。そういうものをオンラインで購入してもらえるかというとなかなかお店とは違います。

そこに追いつくために動画を撮影したり、返送料無料の試着キャンペーンを行ったりして、店舗に追いつけるようにしています。

――ECサイトだと売れやすいものはありますか?

谷氏:写真にもよりますが、パキッとした色のものはオンラインだと凄く映えて売れています。ただ、私たちも売れる商品の傾向が読めるわけではないので、探り探りでやっている状態です。

1つひとつ模様が違う商品があるのですが、店舗だとそれを全種類陳列して手に取れる環境が当たり前だと思います。けれど、オンラインでは1つひとつ個別の商品として限定数で販売しているので購買意欲が変わってくる、お客さまにとって「一期一会の商品なんだ」というのがオンラインの強みになっています。

「sisam FAIR TRADE」ユーザーを主人公にしたコラムを発信

――「カラーミーショップ大賞2022」では、一般ユーザーからの投票もありました。どのような点がユーザーに支持されたと考えていますか?

谷氏:「sisam FAIR TRADE」のお客さまとは買い手と売り手という関係ではなく、応援して下さっている方が多い

扱っている商品がフェアトレード商品ということもあり、購入を通じて生産者を応援したい、きちんとつながりたいと思っている方が長年私たちを支えてくれている。そういった点に共感して投票していただけたと思っています。

――「ユーザーとのつながりは買い手と売り手だけの関係ではない」とのことですが、ユーザーとのつながりやコミュニケーションのために行った施策はありますか?

谷氏:スタッフが書いたコラムをECサイトに掲載したり、メルマガを配信したりしているのですが、メルマガでは冒頭の挨拶でスタッフが自分の生活のことなどを書いています。

カラーミーショップ大賞2022 sisam FAIR TRADE スタッフが書いたコラム
「sisam FAIR TRADE」スタッフが好きな本について書いたコラム
(画像は「sisam FAIR TRADE」からキャプチャ)

コロナ禍の時、メルマガを見たお客さまから「自分の日常ではなく、他の人の日常が見れることでとても元気が出ます」というメールが届いたことがありました。

「他のお客さまが普段どんな生活をして、どんなことを思っているのかを知れる機会があったら嬉しいです」というアドバイスをいただき、お客さまを主人公にしたコラムを書いています

普段どんな物を購入して、どんな物が好きかというアンケートをお客さまに募ったら、700名以上の方がアンケートに答えて下さいました。そこからランダムに「この方に話を聞きたいな」と思った方にオンラインでインタビューを行い、その方を主人公にした物語、コラムを定期的に配信しています。

そういったコラムを見ていただくことで、他のお客さまにも凄く自分事化しているような感覚を持っていただけるのではないでしょうか。それが大きな特徴の1つかなと思います。

カラーミーショップ大賞2022 sisam FAIR TRADE ユーザーを主人公にしたコラム
「sisam FAIR TRADE」ユーザーを主人公にしたコラム
(画像は「sisam FAIR TRADE」サイトからキャプチャ)

――今後取り組んでいきたい、注力したいECサイト上の施策はありますか?

谷氏:先ほどのお客さまのコラムにもつながりますが、私たちだからこそできるオンラインショップというものがあるのではないかと思っています。

それは、どんな人たちが作っていてどんな手仕事をしているのかなど、全商品の背景をしっかり伝えて自信を持って売れるところはなかなかないんじゃないかなと。

私たちが間に入っていますが、現地のアジアには約1000人の生産者の方々がいて、その人達と誰かの日常をどんな風につなげていけるのかという可能性はたくさんあると考えています。その可能性を広げていけるようなショップにしていきたいです。

「カラーミーショップ大賞」とは

「カラーミーショップ」利用ショップのなかから、ネットショップの構築・運営において独自の創意工夫を凝らしているショップを発掘・表彰するコンテスト。

審査方法は、一次審査の対象とする「オファー制」を実施。「カラーミーショップ」のスタッフが、「デザイン」「PR」「成長率」の一定基準を満たした上位800店舗を選出。選出した店舗にオファーを行い、引き受けた374店舗をノミネートショップとして決定。その後、一般のインターネットユーザーからの投票を受け付け、その結果を踏まえて最終審査を実施している。

優秀賞や地域賞、新人賞なども発表

審査基準をバランスよく満たしている上位10ショップを選出した「優秀賞」は、情報が整理されて見やすいサイト設計を評価された「かわしま屋」や、初受賞となる「カタカナ」など計10ショップが受賞した。

カラーミーショップ大賞2022 優秀賞を受賞したかわしま屋
「優秀賞」を受賞した「かわしま屋」(画像は「かわしま屋」サイトからキャプチャ)
カラーミーショップ大賞2022 優秀賞を受賞したカタカナ
初受賞となる「カタカナ」(画像は「カタカナ」サイトからキャプチャ)

そのほか、国内7つのエリア(北海道・東北、関東(東京除く)、東京、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄)を代表する各地域から選出されたショップに贈る「地域賞」(20ショップ)や、特別賞(全6賞、10ショップ)、にっぽん文化奨励賞(2ショップ)、Amazon Pay賞(1ショップ)を発表した。

「スタッフの顔が見える」「動画活用」が今回の特徴

GMOペパボ 常務取締役の星隼人氏は、今回の「カラーミーショップ大賞」の傾向について、「ショップスタッフの顔が見える店舗が増えた。たとえばファッションならスタッフがモデルをして、撮影した写真をSNSにアップする。また、コラムなどで気持ちを伝えることが増えたと思う。20年前は商品を登録したら売れる時代だったが、今は商品への愛をユーザーに伝えることが重要。もう1つは動画を使ったサイトが増えた。商品詳細を動画で紹介するサイトが非常に増えた」と分析した。

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