通販新聞 2022/7/14 7:00

消費者庁の「景品表示法検討会」は、違反行為を繰り返す悪質事業者に対する制裁効果の強化を念頭に、課徴金の算定基準の見直しを検討する。今後の会合で、悪質事業者の判断要素について検討するとみられる。消費者庁は、「独占禁止法の規定は参考にできる」(景品表示法検討プロジェクトチーム)としている。

独禁法は、「不当な取引制限」(課徴金10%、中小企業は4%)、「私的独占」(課徴金は支配型が10%、排除型が6%)に繰り返し違反で課徴金が割り増しされる規定がある。いずれも10年以内に違反行為を繰り返した場合、課徴金額は1.5倍になる。

談合やカルテルなど「不当な取引制限」は、複数の企業で行われるため、主導的役割も考慮される。主導的役割を果たし、かつ繰り返した場合、課徴金額は2倍になる。

通販新聞 消費者庁 景品表示法検討会 独占禁止法の課徴金制度について
独占禁止法の課徴金制度について
(画像は消費者庁の「景品表示法検討会」資料から編集部がキャプチャし追加)

19年改正では、繰り返し違反の割増算定率について、企業グループ単位でコンプライアンスが求められていることを背景に、過去10年以内に、①完全子会社が課徴金納付命令等を受けている場合、②課徴金納付命令を受けた違反事業者の事業を譲受したり承継している場合についても割増算定率を適用するよう変更した。

一方で、同時並行で2つの違反行為を行っていた場合、1回目の課徴金納付命令を受けた時点で調査の有無に関わらず、2つ目の違反行為を取りやめていた場合は、繰り返し違反とカウントしないよう改正された。「不当な取引制限」では、主導的役割と判断する行為について従前から追加された。

景表法検討会においても、期間を定めた上での繰り返し違反など、悪質性の考慮要素を検討することで、要件を定めていくとみられる。

また、悪質事業者への対処では、個人に対する業務禁止命令を規定する特定商取引法との連携も図る。このほか、検討会では、不当表示の早期是正を目的にした確約手続きの導入に向けた検討を進める。

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