松原 沙甫[執筆] 4/15 9:00

消費者庁は4月9日、サプリメントなどのネット通販を手がけるオルリンクス製薬に対し、特定商取引法(特商法)に違反(誇大広告、特定申込みに係る手続きが表示される映像面における表示義務)したとして、3か月間(4月10日から7月9日まで)の一部業務(広告、申込受付および契約締結)命令を出した。

誇大広告について

少なくとも2023年11月7日から同12月19日までの期間、健康食品の定期購入を促進するランディングページにおいて、「24時間365 日自動音声で解約可能」「限られた時間内でしか解約のできない不便さは一切ありません 面倒な手続き・解約阻止の説得などもゼロ」などと、簡易な手続で定期購入契約を解除できるかのように表示していた。

しかし、実際の定期購入契約の解除方法は煩雑な手続きが必要だったという。まず、消費者が商品を受け取った後、次回発送日の7日または14日前までに解約・休止専用窓口に電話。自動音声による案内が終わった後にショートメッセージサービスにより送信されたURLからメッセージアプリの専用アカウントに登録した後、氏名などの入力による本人確認などを行い、10問以上の質問に回答する必要があった。

その後、オルリンクス製薬が入力内容を確認し、その結果を消費者がメッセージアプリで受け取ることで解除が完了するという煩雑な手続を経る必要があり、定期購入契約を容易に解除できなかったとしている。

消費者庁は4月9日、サプリメントなどのネット通販を手がけるオルリンクス製薬に対し、特定商取引法(特商法)に違反(誇大広告、特定申込みに係る手続きが表示される映像面における表示義務)したとして、3か月間(4月10日から7月9日まで)の一部業務(広告、申込受付および契約締結)命令を出した
定期購入契約の解除に関する表示

特定申込みに係る手続きが表示される映像面における表示義務違反について

2022年6月1日施行の改正特定商取引法では、「申し込み直前の画面に注文内容を表示」「注文内容や契約の申し込み手続きに関して、消費者を誤認させる表示の禁止」「申し込みの撤回や解約をさまたげる不実告知(嘘)の禁止」などを義務づけている。

最終確認画面では、商品の分量や販売価格、支払い時期・支払い方法、引き渡し時期、申し込み期間、申し込みの撤回・解除に関する事項をわかりやすく表示することが義務付け。申し込みの撤回・解除に関する事項では、その条件、方法、効果などについて表示する必要がある。

オルリンクス製薬は、少なくとも2023年11月7日から同12月19日までの期間、ランディングページにおいて、解除方法の一部しか表示しなかったという。また、LPに「初回限定送料無料 1980円定期コースのお申込みを開始」などとポップアップ表示されたバナーをクリックして遷移するチャットボットページ上でも、解除方法の一部しか表示していなかった。

◇◇◇

消費者庁はオルリンクス製薬に対し、一部の業務停止命令に加え、法令順守体制の整備、その他の再発防止策を講ずることなどを指示。オルリンクス製薬の元代表取締役である北川雅人に対しても一部業務の禁止命令を出した。

オルリンクス製薬は2月、売れるネット広告社の傘下に入った。それを踏まえ、「今まで以上に名古屋市薬務科及び行政機関との連携を強化し、よりコンプライアンスを最重要視する売れるネット広告社グループにて法令遵守を徹底していく」とコメントしている。

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