【通販・EC市場規模】2023年は約16兆円、2035年は19兆円でEC化率は18.9%に
富士経済が実施した通販市場の最新動向調査によると、2023年の国内通販市場規模は約16兆円で、2035年には約19兆円、EC化率は18.9%にまで拡大すると予測した。
2023年の国内通販(物販)市場規模は15兆9124億円。内訳はECの市場規模が14兆1662億円、カタログ・テレビ・ラジオ・その他の通販が1兆7462億円。
「Amazon.co.jp」「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」といった大手ECモールの拡大、カタログ・テレビ通販からのECシフトによって市場規模は拡大。コロナ禍で生鮮品や消耗品をECで購入する消費者が増え、利用の定着化が進んだ。また、小売事業者によるOtoO(Online to Offline)施策の推進も市場拡大に寄与している。
国内EC市場は今後、日常の購入手段として活用され、メーカーや通販事業者におけるECの注力度が高まっていくと予測。即日・翌日配送、AR・VR技術を用いた商品シミュレーション、チャットやライブコマースといった販売手法も浸透するという。
一方、カタログ・テレビ・ラジオなどは、注文方法のECへのシフト、コスト削減のためカタログの発行部数減、SNSマーケティングやライブコマースへの注力などにより、市場は長期的に縮小するとしている。
2035年のEC市場規模は2023年と比較して25.4%増の17兆7668億円まで拡大する予測。カタログ・テレビ・ラジオ・その他通販市場予測の1兆5513億円を加えると、通販市場は19兆3181億円規模に達するとしている。
EC化率について2023年の数値に言及はしていないが、2019年時点では10.9%。新型コロナウイルス流行の影響を受けて、2020年のEC化率は13.3%に上昇したという。今後もECの利用率は高まると予想しており、2035年のEC化率は18.9%に拡大する見通し。
対象の商品カテゴリは、「食品・生鮮品」「健康食品」「化粧品」「医薬品」「生活雑貨」「アパレル」「家電製品・パソコン」「書籍・ソフト」「家具・インテリア・寝具」。
ネットスーパーの市場規模については2023年は3040億円と推計。オンライン購買に対する需要の増加で、利用者数や利用頻度、客単価が増加していると見ている。
ネットスーパーについては近年、「楽天全国スーパー」(楽天グループ)や「Stailer」(10X)など、ネットスーパー事業を支援するプラットフォームや流通企業向けサービスを活用によって事業規模が活発化。2025年の市場規模は2023年比22.0%増の3710億円に拡大すると予測している。