訪日外国人の消費が3.4兆円に拡大した2015年、けん引役はやっぱり中国人の“爆買い”
アジア地域の訪日外国人は買い物代に支出が高くなっているが、欧米諸国などは宿泊料金が高い
観光庁によると、2015年の訪日外国人全体の旅行消費額が初めて3兆円を突破し、速報値ベースで3兆4771億円となったことを明らかにした。
前年の実績は2兆2789億円だったため、前年比で71.5%増の大幅な増加となる。中国人の買い物支出がけん引した。
訪日外国人旅行者数は1974万人(速報値)となり、前年比で47.1%増。1人当たりの旅行支出は17万6168円となり、同16.5%増加した。1人当たりの消費額が増加したことで、訪日外国人の旅行消費額が大きく伸びた。
国籍・地域別の旅行消費額では、中国だけで初めて1兆円を突破。金額ベースでは1兆4174億円となった。中国だけで全体の4割を占めた。
費目別に旅行消費額をみると、買い物代の構成比(41.8%)が前年(35.2%)と比べて大きく拡大。国籍・地域別の費目別旅行消費額では、中国の買い物代が8089億円と突出している。
訪日外国人の1人当たりの旅行支出を費目別で見た場合も買い物代が7万3663円で最も高くなった。宿泊料金は4万5465円を大きく上回っている。
買い物代を国籍・地域別にみた場合の上位の国籍・地域は次の通り。
- 中国 → 16万1974円
- ベトナム → 7万5164円
- 香港 → 7万2145円
- シンガポール → 6万415円
アジア地域の訪日外国人は買い物代が目立っているが、欧米諸国などは宿泊料金が高い。観光庁は次のように分析している。
アジア諸国は買物代が最も高い国が多いのに対し、欧米豪諸国は宿泊料金が最も高い国が多い。これは、アジア諸国は、比較的短期間の滞在で買い物を目的として来訪する旅行者が多く、欧米豪諸国は、比較的長期間の滞在で、日本の歴史・伝統文化体験などを目的として来訪する旅行者が多いためと考えられる。
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