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ECサイトを訪れる多くのユーザーは、「商品を探す」「商品を見る」「商品を吟味する」「商品をカートに入れる」というプロセスを経て購入します。今回は「商品を探す」ために誰もが使う「サイト内検索」にフォーカスし、前回ご紹介した1つ目のKPI「商品詳細到達率」を向上させるためのサイト内検索のチェックポイントと改善方法を紹介します。

スマートフォンの利用率が増えている昨今では、サイト内検索の最適化は特に優先すべき課題になりつつあります。

なぜなら、PCと違ってスマートフォンでは、

  • 文字入力の打ち間違いが多く、思い通りの検索結果が出ない
  • 画面が小さいため検索結果で確認できる商品数に限界がある

以上のような制約を受けるからです。

商品を探しやすいサイト内検索にするには、下記の3つのステップがあります。

①ちゃんと検索されるようにする
②ちゃんと検索結果を表示する
③ちゃんとクリックさせる

それぞれを順にご説明します。

①ちゃんと検索されるようにする
─視認性、絞り込み、ソートの改善

まず、はじめにチェックすべきはサイト内検索の「利用率」です。利用率は高いほうが望ましいです。なぜなら、サイト内検索の利用ユーザーの方が、非利用ユーザーよりもCVRが高いという事実があるからです。

サイト内検索を使うユーザーは具体的に“欲しいもの”のイメージがあるため、訪問者の中でも購入意欲の高いユーザーであることはイメージしやすいと思います。

サイト内検索の利用率はGoogleアナリティクスで確認できる

サイト内検索の利用率が上がらない原因は、検索ボックスやカテゴリ検索の視認性が悪いということに尽きますが、意外にこの点に無頓着なEC事業者が多いのも事実です。

40代後半より上の女性ユーザーが多く、またカタログの商品名や商品コードを見ながら注文されることが多い、とあるECサイトでは、フリーワードと商品コードの検索ボックスの大きさを1.5倍にしただけで、売上が15%増えたという事例もあります。

利用率は、「検索される/されない」以外に、「より詳しく検索される/されない」という観点でもチェックする必要があります。

具体的には、例えば「ワンピース」で検索した際の検索結果が500件超あるにも関わらず、絞り込み機能やソート機能が不十分な場合、不便を感じて商品を探すのをやめてしまうかもしれません。

ユーザーのニーズに沿うのならブランド、カラー、素材、柄、丈などでの絞り込みや、レビュー評価順や値引き順などでのソートができるほうが便利でしょう。

②ちゃんと検索結果を表示する
─表記ゆれの解消

購入意欲の高いユーザーがキーワードを入力して検索してくれたにも関わらず、「検索結果ゼロ件」を返してはいないでしょうか?

絶対に取り扱っているはずの商品を検索したのに「あなたがお探しの商品は取り扱いがありません」と言われ、がっかりした経験がある方も多いでしょう。

サイト内検索を最適化する前の「検索結果ゼロ件率」は平均で30%~40%です。検索結果ゼロ件になる原因はいくつか存在し、それぞれにあったケアをする必要があります。

検索結果ゼロ件の原因別の解決方法
検索結果ゼロ件の原因別の解決方法

まず、取扱いのない商品を検索された結果、検索結果ゼロ件になる場合。これは結果の出しようがないですが、検索回数が多いようであれば、新たなニーズとして商品企画部やMD部にエスカレーションすると良いでしょう。

商品と関連するキーワードがあるのに検索結果がゼロになる場合は、表記方法のミスマッチが原因になっている場合がほとんどです。

「brandA」というブランド名だったら、「ブランドエー」でも「BRANDA」でも「ブランドa」でも自動でヒットするようなエンジンに切り替える必要があります。ミスマッチに法則性があれば、表記ゆれを自動吸収できます。

ミスマッチの法則性がなく自動吸収が難しい場合は、同義語登録をします。例えば「ソックス」でも「靴下」でも同数の結果がヒットされるようになります。

関連キーワードの登録がない場合はアイテムデータの再設計が必要です。関連キーワード登録後のよくある落とし穴として、商品名と説明文ではヒットするものの、カテゴリ名をインデックス対象としておらず検索結果ゼロ件、または検索結果件数がかなり減ってしまう、といったことがあります。

ここまで、検索結果ゼロ件になった場合の対応方法を整理しましたが、実は抜本的に検索結果ゼロ件問題を解消する方法があります。それは、サジェスト(オートコンプリート)機能を実装し、検索結果ゼロ件を招くキーワードの入力を回避することです。また、カテゴリの絞り込みにおいて検索結果ゼロ件になるカテゴリをあらかじめ非表示にすることも有効です。

③ちゃんとクリックさせる
─商品詳細ページに誘導する仕掛け

サイト内検索の利用率が上がり、検索結果の表示もちゃんとできたら、次は「ちゃんと商品をクリックしてもらい、商品詳細ページを見てもらおう」という話です。当たり前の話ですが、商品がクリックされないことには『商品詳細到達率』を上げることはできません。

「システムとしてサイト内検索が機能している」のと、「検索の精度や操作性が優れていてよく使われている」のは全く別の話ですが、前者で満足しているEC事業者は多いです。

例えば「液晶テレビ」で検索するとテレビ台やコード類が上位表示される。「ベルト」を探しているのに時計やバッグ、ワンピースが上位表示される。そのようなことはよくあることです。

そこだけ見ると笑い話のようですが、よく検索されるキーワードを把握していても、そのキーワードの検索結果でどんな商品が並んでいるのかまで把握していますか?

実際に検索結果を見た上で、その妥当性を確認するのは必要ですが、そこで「初見では妥当なものが出ていそう」という判断だけでは不十分で、検索結果に「接客」の要素が反映されているかどうかが重要です。

例えば、「ロジック」の観点からは、検索結果を作るインデックスの中にアイテムの閲覧数、販売数、レビュー評価点、お買い得度など、ユーザーの購入可能性を高める要素を加味した検索結果を作ることで、クリック率を上げることが可能です。

「操作性」の観点からは、一般的な新着や価格順のソート軸以外に、人気順や商品レビューの点数や件数も追加したり、検索結果一覧のデザインをリスト型とボックス型に変更できるようにしたり、検索結果の各商品にカラーバリエーションや商品レビューを表示したりすることも有効です。

最後に、実は検索結果一覧を通過せずに商品詳細ページへ遷移させる方法があります。それにはサジェストを使います。サジェストされた候補キーワードをマウスオーバーした際に商品画像を出すというやり方です。

候補キーワードのマウスオーバーで商品画像を表示している例
候補キーワードのマウスオーバーで商品画像を表示している例

販売中の商品のみを出すようにすれば、0件ヒットにもならず、また検索結果一覧から該当商品を絞り込むなどして選択する手間も省け、離脱も防げるようになります。

◇◇◇

「商品詳細到達率」のKPIを改善するためのサイト内検索のあるべき姿について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

サイト内検索ひとつとっても様々な現状把握の仕方、改善のポイントがあります。まずは、サイト内検索の現状を把握することをお勧めします。

次回も「商品詳細到達率」を向上させるための施策になりますが、レコメンドの活用方法を改めて整理します。

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高橋 敏郎

ナビプラス株式会社

高橋 敏郎(たかはし・としろう)

ナビプラス株式会社 執行役員 セールス&マーケティング部 部長

大学卒業後、インターネット広告代理店にてIT関連メディアやリスティング広告、サイト構築の営業に従事。その後、人材紹介会社におけるインターネット関連企業の採用支援業務などを経て、2010年の会社設立とともにナビプラス株式会社に参画。

現在は、大手EC事業者への営業のほかマーケティングやアライアンス関連業務などを担当している。

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