仲庭 拓也 2016/6/13 7:00

効率的に通販の売り上げを伸ばすための方法を、①商品(在庫)②既存顧客(顧客管理)③売上アップ施策――の順で検討していきます。「なぜ売り上げが伸びないのか」「「もっと売り上げを伸ばす方法はないのか」「予算を達成するためにはどうしたらいいのか」「効率よく売り上げを伸ばすためにはどのようにしたらいいのか」。こんな悩みを抱えているEC事業者さんは必読です。

売れている商品は何か。売れている商品に在庫切れはないかを確かめる

売り上げを伸ばすために、一般的には「売上=アクセス人数×転換率×客単価」と考え、それぞれの要素を高める方法を取ります。しかしながら、売れる商品がなければ、売り上げを伸ばすことはできません。

「売れる商品がない」「人気のない商品ばかり余っている」「売れない商品を、売れるようにするのが通販部の力だ」「どうにかして余っている商品を売らなければならない」といったことを経験したことがある人は多いでしょう。

こうしたことへの対応は重要な事ですが、売れる商品がない問題を根本的に解決すること、つまり「売れている商品の在庫を、売れる数だけ、売れる時期」に用意できる環境を作る必要があります。

売れない商品が余っている場合、セール販売することは商品やブランド価値を下げるマイナス要因になってしまいます。

上記の詳細は、連載第1回「通販の基本は『必要なもの・情報を、必要な量だけ、必要な時に、お客様へお届けする』」をご参照下さい。

どのような商品が売れるのかわからない、どのような商品を仕入れたら良いのか不安がある場合は、連載第2回「商品を見ただけで適切な仕入数がわかる『センス』を身につけよう」をご参照下さい。

顧客を育成するために表を作って分析

売り上げを伸ばすためには新規顧客を獲得するよりも、既存顧客へのアプローチ(集客、転換率、客単価のアップ)を行った方が、労力は少なく、効果も期待できます。そこで、アクセス人数や転換率を高める前に、既存顧客へのアプローチ方法を検討してみましょう。

既存顧客へのアプローチの方法は複数ありますが、既存顧客の現状を分析するのが良いでしょう。分析は難しそうにも思えますが、まずは、下図のように、縦軸に購入者、横軸に購入月、値に購入金額合計(月)の表を作成しましょう。

簡易FMクロス集計表

この表で確認したいのは、以下1~5です。上顧客をいかにキープし、育成していくのかを確認するための情報です。

  1. 上顧客は誰か:上顧客の特性を確認し、上顧客に合わせた販売方法、商品を用意できないか検討する
  2. 上顧客が売上高に占める割合:上顧客の大切さを数値で確認する。多くの店舗で購入金額上位10%Wの顧客で、店舗全体の大部分の売上を占める
  3. 上顧客で購入を止めている人がいないか:上顧客を逃すことは売り上げが下がる原因となる。上顧客が、ある時から購入を停止しているのであれば、その原因と対策、戻ってきてもらうための施策を行う必要がある
  4. 上顧客になり得そうな人がいないか:通常顧客を上顧客に育てることは売り上げを伸ばすことができる。上顧客になりそうな顧客(購入金額、頻度)を見つけ、上顧客に育てる方法を検討していく
  5. 購入頻度:顧客の購入頻度を確認することで、購入頻度ごとに区分分け、それぞれへの購入頻度アップ方法を検討する

これらの情報をもとに、上顧客を中心とした既存顧客にアプローチ(商品・販促提案)を行い、また、消費者が購入した商品情報を分析。クロスセリング、アップセリング、節目需要などを活用した商品提案を行っていきましょう。

転換率を高める施策から始めるべき

売り上げを構成する3つの要素「アクセス人数」「転換率」「客単価」の中で一番簡単に上げられるのは、アクセス人数です。しかしながら、転換率が悪い中でアクセス人数を増やしても、売り上げを伸ばす効果が低い。まずは転換率を上げる方法を検討しましょう。

転換率を上げる施策を行う場合、「売れている」商品・商品ページ・それに関するカテゴリページから改善を行っていきましょう。売れていない商品を売れるようにするよりも、売れている商品をより売れるようにする方が効果が高いためです。

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今回のまとめ

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