大都がカインズと業務提携した背景と狙い
DIY用品のECを手がける大都とホームセンターチェーン「カインズホーム」のカインズは9月26日、業務提携したと発表した。DIYによるライフスタイルの提案を強化し、DIYを文化として根付かせることが目的。
まずは、大都のオリジナル溶接機「DIY FACTORY sparky(スパーキー)」を、カインズの一部店舗で販売。大都は全国に約200店舗を運営するカインズの店舗網を活用し、大都製品を手に取る機会を増やし、売上拡大につなげる。
カインズは商品開発のほか、自社オリジナルのDIYサークル「CAINZ DIY Style」を運営している。大都もDIY製品の体験型実店舗「DIY FACTORY」を運営しており、今後はこうしたコミュニティの連携も検討するとみられる。
近年、DIYに関心を持つ消費者が増加。特に女性のDIY関心層は58%に達しているが、「DIYのやり方が分からない」「作業できる場所がない」などの理由で、実践している消費者は14%にとどまっているという。
大都とカインズはこうした課題を解決するために業務提携。DIYの実践の場を供給するといったマッチングを図っていく。
大都の主力事業はECだが、日本初というDIYのアパレルブランド「DIY FACTORY IDY(アイディ)」など、近年はオリジナル商品の開発に力を入れている。
EC企業からモノ作りも手がけるSPA(製造小売)型企業への転換を進めているが、1社単独の販売網では生産ロットの限界などが課題となる。
大都はカインズとの連携を含め、さまざまな企業とのコラボを模索。販売網を広げることで生産能力を拡大し、オリジナル製品の普及などを進める狙いもある。
大都の山内拓也取締役は編集部に、次のようなコメントを寄せた。
拓ちゃんは、経営戦略的にアライアンスを活用していくつもり。物販事業に限定して言えば、カインズとの事業提携は、お客さまに提供する情報、体験などすべての商品力強化、および店舗力、集客力も含んだ包括的な提携と考えている。
急激に拡大しているDIY市場は、新大陸の発見のようなもの。この急成長市場で「DIY FACTORY」ブランドは支持されるトップブランドとなった。
今後は市場の拡大にあわせて異業種との幅広いアライアンス提携を開始していく。たとえば、自動車やバイク業界、建設不動産業界、食品飲食業界、レジャーエンタメ業界、美容ファッション業界、ブライダルやイベントサービス業界など。
新市場に興味のある世界のトップブランドと広くアライアンスを検討する。多くのTOP企業と一緒に、誰も見たことがない景色を見に行きたい。