渡部 和章 2017/8/21 7:30

企業の省エネ対策のあり方などを検討してきた、経済産業省の「総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 省エネルギー小委員会」は8月4日、通販事業者も「省エネ法」の対象に含める必要があるとする提言をまとめた。

経済産業省は、この報告書を踏まえ、具体的な制度の見直しを進める方針を示した。

企業に省エネ対策を義務付ける「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)は現在、通販事業者を規制の対象に含めていない。

省エネ法が「運輸部門」の規制対象としているのは、①荷物を輸送する企業(輸送業者)②荷物の輸送を依頼するメーカーなど(荷主企業)の2業種。

たとえば、メーカーが工場へ部品を運ぶ際や、工場から商品を出荷する場合は、輸送を行う企業と輸送を依頼したメーカーが省エネ法の対象となる。

一方、ECサイトなどを運営する通販事業者は、「消費者が購入したあとの荷物を宅配している」とみなされることなどから、省エネ法が定義する「荷主」に該当せず、規制の対象外になっているという。

しかし、実態として、通販事業者は配送方法を輸送事業者に指示していることから、「荷主」と位置付けて省エネ法の規制対象に含めることが必要だと、報告書は指摘している。

省エネ法における荷主規制の現状

省エネ法における荷主規制の現状

報告書では、通販を利用する消費者も省エネ対策に協力することが必要だと提言している。宅配ボックスや、コンビニ受け取りなどの利用を促し、再配達を削減する必要があると指摘。そのために、企業や政府が協力して消費者の態度変容を促すべきだとしている。

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