渡部 和章 2017/11/8 8:00

2000年代に入ると量販店やメーカーによるEC参入が相次いだ。楽天市場やYahoo!ショッピングなどECモールの出店者も急増。自社ECサイトを構築するASPサービスも普及し、ECの裾野は急速に拡大していく。

2000年(平成12年) ユニクロや良品計画がネット通販に参入。EC専業企業も次々誕生

2000年にはユニクロ良品計画コメ兵がECを開始したほか、イオンが通販子会社イオンビスティー(現、イオンドットコム)を設立するなど、量販店大手による通販参入が活発化した。

ユニクロ公式サイト(2004年11月頃)
ユニクロ公式サイト(2004年11月頃)
出典:INTERNET Watch、2004年

多くのEC専業企業も誕生した。工具ECのモノタロウ、オフィス用品のカウネット、医薬品の爽快ドラッグ(現、Rakuten Direct)、家電のストリーム、エクステリアのデジタルアライアンス(現デジアラホールディングス)、アウトドア用品のナチュラム(現ミネルヴァ・ホールディングス)などが設立された。

ナチュラムのトップページ(2000年8月頃)
ナチュラムのトップページ(2000年8月頃)
出典:INTERNET Watch、2000年

2000年(平成12年)Amazonの日本語サイトがオープン

2000年11月、Amazonの日本語サイトがオープンした。日本語サイトはドイツ、イギリス、フランスに続く4番目。洋書と和書を約170万タイトル取り揃えたオンライン書店としてスタートした。

日本語サイトがオープンする以前から、Amazon.com(英語サイト)を利用していた日本人ユーザーは19万3000人、日本における年間売上高は3400万米ドルに達していたという。

2001年以降、取扱商品は「音楽」「DVD」「ビデオ」「ゲーム」「エレクトロニクス」「ホーム&キッチン」などにも拡充。そして2002年11月には出店型の「Amazonマーケットプレイス」を開設し、Amazonは直販と出店型の2つのビジネスで急成長していった。

amazon.co.jp(2003年7月頃)
amazon.co.jp(2003年7月頃)
出典:INTERNET Watch、2003年

「セサミン」「にんにく卵黄」「ヌーブラ」「アブトロニック」など、2000年代前半の通販市場では多くのヒット商品が次々と誕生した。健康食品ジャンルではロフティ(現えがお)の「にんにく卵黄」、ファンケルの「カロリミット」、サントリー(現サントリーウエルネス)の「セサミン」、エバーライフの「皇潤」、健康コーポレーションの「豆乳クッキーダイエット」など、現在もロングセラーとなっている健康食品が発売された。

また、低反発マットレス「トゥルースリーパー」、機能性下着の「ヌーブラ」、腹筋マシン「アブトロニック」、掃除ロボット「ルンバ」など、ユニークなヒット商品も生まれた。

2002年(平成14年)楽天市場が5年で6000店舗突破

楽天市場の出店数は開業から5年目となる2002年10月に6000店舗を突破した。EC市場の拡大とともに楽天市場も成長し、モールの流通総額は2001年12月期で360億円となった。

2003年(平成15年)自社ECサイト構築システムが普及

自社ECサイトを構築するクラウド型プラットフォームサービスも登場した。2003年にはフューチャースピリッツ(現フューチャーショップ)が「FutureShop」(現「FutureShop2」)の提供を開始。翌2004年にはGMOメイクショップが「MakeShop」の提供を本格的に始めた。

2004年(平成16年)迷惑メール規制の導入

迷惑メールが社会問題化したことを受け、政府は特定商取引法を改正し、メールの受信拒否の意思を示したユーザーへのメール送信を禁止した(オプトアウト規制の導入)。

この規制は2009年にさらに強化され、あらかじめメール受信を承諾していないユーザーに対する電子メール広告の提供が原則禁止となった(オプトイン規制の導入)。

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]