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1980年代に入ると、ファンケルやオルビス、ふくや、財宝など、特定のカテゴリーに特化した通販会社が台頭した。総合通販や百貨店、テレビ通販といった既存のプレーヤーの事業拡大も相まって、通販の市場は一気に拡大していく。国内の市場規模は1987年に1兆円を突破した。

1980年(昭和55年) ファンケル創業

創業者で現代表取締役会長の池森賢二氏は、当時多発していた化粧品による皮膚トラブルの原因として添加物に着目。皮膚トラブルを起こさない化粧品の提供を志し、1890年4月に化粧品メーカー ファンケルを創業した。

防腐剤なしで使い切れる小型の密封容器に入った無添加基礎化粧品を開発し、1982年より販売を開始した。

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1982年に販売を開始した初代の無添加化粧品
資料提供:ファンケル

当初は訪問販売など、さまざまな販売手法を模索しながらの船出だったが、試行錯誤の末、化粧品の販売にはチラシが効果的だと判断。

チラシには皮膚科学にもとづく話題を盛り込み、化粧品に関する当時の常識に対して指摘を行うなど消費者に有益な情報を盛り込み、『素肌美ニュース』として池森氏自らが配布した。後に、新聞販売店などを通じて配布数を増やし、顧客を獲得していった。

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池森賢二氏が制作から配布までを手がけた『素肌美ニュース』。
資料提供:ファンケル

1980年代の通販市場の特徴は、特定の商品カテゴリーに特化した通販会社が台頭したことにある。

ファンケルのほかに、ハーバー研究所(1983年)、オルビス(1984年〜)、食品業界ではティーライフ(1983年)、水の財宝(1986年)などが創業したほか、1983年からDHC(ディーエイチシー)が、また1948年創業の明太子のふくやも1985年から通販を開始した。

これらの通販会社の成功は、現在に至るまでさまざまな単品通販が登場するトレンドを作った。

1983年(昭和58年) JADMA発足

1983年10月には日本通信販売協会(JADMA)が設立された。

通販の市場が急拡大する中で、誇大広告や契約の不履行といった消費者被害も問題化。通商産業省(現、経済産業省)の指導や、業界内部からの組織結成の動きを受け、JADMAが発足した。

初代会長には、フジサンケイリビングサービス(現ディノス・セシール)の三嶋正憲社長が就任した。

虎ノ門のホテルオークラで行われた設立総会。
出典:『JADMA20年史』(発行:社団法人日本通信販売協会、2003年)

通販関連の業界団体としては、1988年に日本コールセンター協会も発足している。

1986年(昭和61年) セシールが国内売上高トップに

通販業界の専門紙「通販新聞」がまとめた企業別の売上高によると、1983年から85年まではフジサンケイリビングサービス(現ディノス・セシール)が売上高600億円前後で首位だった。その後、1986年にセシール(現ディノス・セシール)が売上高1位の座を奪うと、その後10年以上業界トップに君臨した。

1986年度「通販・通教売上高ランキング」『通信販売年鑑2013年版』(通販新聞社刊、2013年)をもとに編集部で作成  ※=推計
セシールの前年比が128.1%とめざましい。上位30社のうち12が生活協同組合。

セシールは1974年に東洋物産株式会社として設立、1883年にセシールに商号を変更した。ストッキングの大ヒットで成長し、テレビCMを積極的に活用して知名度を広げた。

“Il offre sa confiance et son amour. (イロッフル・サ・コンフィアンス・エ・ソナムール)”というフランス語のナレーションを入れるようになったのも「窓辺の女」からである。これは当社が創業時から使用している「愛と信頼をお届けする」というキャッチフレーズを仏訳したもので、その美しい響きが若い人たちの間で話題になり、「何と言っているのか教えてください」との問い合わせが相次いだ。

─出典:『セシール30年の歩み』(編:セシール社史編纂事務局、2003年)

「窓辺の女」とは、セシールへの商号変更のために全国放送されたテレビCMで、初めて海外で撮影された。以後、同社はCMやカタログを数多く海外で行った。

1987年(昭和62年) 通販市場が1兆円を突破

通販の国内売上高は1987年に1兆円を突破した(出典:JADMA「通信販売企業実態調査」)。JADMAが調査を開始した1982年の市場規模は6,400億円だったが、その後、わずか6年で2倍以上の1兆3,200億円へと拡大している。

INDEX

黎明期 1800年代後半開花期(1)1890年代〜1910年代前半開花期(2)〜終息期 1900年代〜1940年代復興期〜始動期 1950年代〜1960年代興盛期 1970年代特化型通販期 1980年代カタログ通販全盛期 1990年代前半 | ネット通販勃興期 1990年代後半 | EC興盛期 2000年代前半 | 競争激化期 2000年代後半 | 成熟期 2010年代

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