川村トモエ, 湯鳥ひよ+トレンド・プロ(マンガ) 2014/10/8 7:00
この記事は「マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営」の一部を、特別に公開しているものです。

登場キャラクター

みずぞうさん

みずぞうさん キッチン用品専門の通販サイトを運営している。

スタッフ4スタッフ5スタッフ6スタッフ7

スタッフたち みずぞうさんの通販サイトのスタッフ。

みずぞうさん「ほー!! これはいいHPだ。コピー1つでほかの店とは一味違う感じがするなあ。……よし!! わが「ぞうさんキッチン」も店のコンセプトを考えよう! いいか、コンセプトはQPC(キューピーちゃん)のうちどれが優位かで考えるんだ」
スタッフたち「自分はPのプライス重視で「どこよりもお買い得!ぞうさんキッチン用品」なんていいと思います!」
スタッフたち「利便性重視で「全国どこへでもぞうさんキッチン用品」でどうですか?」
こうもりくん「じゃあボクはクオリティで「当社社長の厳しい目が認めた! ぞうさんキッチン用品」」
みずぞうさん「それ採用!」
スタッフたち「見え見えのお世辞じゃん!」
スタッフたち「コウモリ君うまいなぁ」
スタッフたち「採用されてるし」
スタッフたち「社長も自分大好きだからね」

「店舗コンセプト」って何?

「コンセプトってよく聞くけど、実際何のこと?」と密かに疑問を持っている方も意外と多いはずです。辞書で調べると、「概念」と出てきますが、一般的に「コンセプト」というと「全体を貫く基本的な概念」を指すようです。ネットショップで言えば「お店全体を貫く、考え方や思想」といったところでしょう。

この本ではもう一歩踏み込んで、店舗コンセプトを「他店より当店で買うべき理由(強み)を端的にまとめたもの」と定義してお話しします。なぜなら、ネットショップのお客さんは、一度にたくさんのお店を見比べるので、常に「他店と比べてどうか」を意識する必要があるからです。

ページを作る前に「店舗コンセプト」を決める

ですから、店舗ページをじっくり作り込む前には、まずコンセプトを決めておきましょう。最初にコンセプトを決めておけば、あとの試行

錯誤の時間も短くなり、しかも芯の通った統一感のあるネットショップが作れるはずです。

そして、ネットショップのお客さんは一瞬で通り過ぎていくので、店の強みは「一瞬で」伝える必要があります。小さな文字でいろいろと書いても伝わりません。「大きな文字と端的なアピール」が必要です。

そのために、店舗コンセプトを伝わりやすい1フレーズにまとめておくと非常に便利です。これを「キャッチフレーズ」と呼びます。例えば、「熟練の革職人が作る皇室御用達の逸品」「東京23区内なら、○時までのご注文は当日配達」など。このキャッチフレーズは、店舗ページを開いた瞬間に見えるよう、ページ上部に掲載するのがおすすめです。

みずぞうさん「ほー!! これはいいHPだ。コピー1つでほかの店とは一味違う感じがするなあ。……よし!! わが「ぞうさんキッチン」も店のコンセプトを考えよう!
店舗コンセプトを決めておけば、商品ページを増やしても統一感のあるネットショップにできる。

本業での風景からコンセプトを想像する

もし、実店舗がある場合は、常連さんの顔を思い出してみましょう。その人は「どんな人」でしょう? 年齢は? 家族構成は? そして、「どんな商品」をよく買っていますか? 似たような店がほかにもあるのに、「なぜ」あなたの店で買ったのでしょう? どんな人が、どんな商品を、なぜあなたの店で買ったのか。これらをじっくり考えましょう。

例えば、お肉屋さんであるあなたの店に、わざわざ遠くから買いに来る常連さんがいるとします。いつもA5ランクのすき焼き用牛肉を2キロ買っていきます。「なぜ遠くから来るのか」と聞いてみると、「父がすき焼きと言えば近江牛しか食べない。近所に近江牛で、しかもA5ランクを扱っているお肉屋さんがないから、この店に通っている。月1回はすき焼きの日と決まっているので。」といった感じで、理由を聞けるかもしれません。

お店の強みは、実は常連さんに聞くことが一番早いのです。

QPC分析で自店舗の強みを見つける

店舗の強みは「キューピーちゃん」で考えましょう。「品質」(Quality:クオリティ)「価格」(Price:プライス)「利便性」(Convenience:コンビニエンス)で、QPCです。強みの考え方として、大抵このQPCのうちどれか1つ(もしくは2つ)に当てはまるはずです。次ページの表を参考に、どの要素が一番強いかを考えてみましょう。

ただ、「ウチは味で勝負」といったような主観的なものではお客さんにうまく伝わりません。競合他店と比べると、必然的に自店舗がQPCの中のどれが一番強いかが見つかります

もちろん競合はネットショップに限りません。お客さんの周囲にある実店舗も想定しましょう。そして浮かび上がってきた強みに、その「論拠」を書き加えると、伝わりやすく説得力のある店舗コンセプトができます。

みずぞうさん「いいか、コンセプトはQPC(キューピーちゃん)のうちどれが優位かで考えるんだ」
競合店はネットショップだけとは限らない。実店舗も含めた上で、自店舗の強みを考えよう。

 

品質	手作り、天然、無添加
売り手/作り手	パティシエ、医者、世界チャンピオン、職人
人気	行列ができる、雑誌掲載、皇室御用達、○○受賞
伝統	老舗、明治○年創業、この道○年の店長
本場感	北海道、イタリア、代官山、南の島、オホーツク海
鮮度	水揚げしたその日に発送、注文を受けてから職人が手作り
価格(Price)の要素
仕入れ	問屋直販だから安い、産地直送、現地買い付け
裏事情	アウトレット、規格外サイズ、業務用品だから安い
利便性(Convenience)の要素
納期	即納、翌日発送
品揃え	全○品の品揃え
専門性	卓球用品なら何でも揃う店
店の強みを見つけるヒント

 

・品質をアピールする例
人気パティシエが作る、雑誌で話題の北海道スイーツ専門店
ノルウェー在住○年の店長が選んだ、北欧家具&雑貨の店 ・価格をアピールする例
問屋直販で中間マージンカット! テレビで話題の生活応援ショップ ・利便性をアピールする例
メーカー直販だからできる即日配送! 厨房機器が全○品の品揃え
QPCのいずれか1つに絞らなければならないわけではない。複数の強みを「要約しつつ組み合わせる」のがコツだ。
QPCを踏まえたキャッチフレーズ例

こんにちは、著者の川村トモエです。

マンガで納得! インターネット販売 売れるネットショップ開業・運営』は、ネットショップ運営に役立つ、52のコツが全て読みやすいマンガになっている書籍です。

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