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LINEが新機能を発表した8月27日。このリリースの裏側では、通販・EC、小売業などのBtoC企業が「LINEモール」に出店できる条件が着々と緩和され始めている。EC企業のなかには「LINEモール」に出店したいという声が多いが、今後どのような出店条件が必要となるのか。どうすれば出店できるのか。LINEモールへ出店するために、通販・ECなどのBtoC企業が知っておきたいLINEの戦略を探ってみた。

LINEモールのユーザーやサービスとマッチするといった条件が合えばBtoC企業の出店は可能

「LINEスタンプは、最初は大きい企業から始まって、一般向けにオープンしていった。LINEモールも、(新たにリリースしたサービス)それぞれでユーザーのニーズが異なり、マッチングのさせ方が違う。ただ、入り口を閉じるているわけではない」

8月27日に開かれたLINEモール新サービス発表会の席で、舛田淳上級執行役員はBtoC向け企業のLINEモールへの参加について、このように言及した。「LINEモール」のリリースから8か月、LINE側が厳選した通販・EC企業といったBtoC企業だけが「LINEモール」に出店できる状況が続いてた。こうしたなか、舛田上級執行役員はBtoCのモール参加について、徐々に広げていく考えがあることを明らかにした。

LINEモールの新機能追加の発表会

8月27日に開いたLINEモールの新機能追加の発表会で、今後の戦略が語られた

ただ、出店条件について詳しく言及されなかったため、会見に出席していたLINE広報に突撃取材を試みた。

会見後の取材で分かったのは、LINE側の事業計画では最終的にECといったBtoC企業の出店を増やしていく方針はスタート時から掲げているということ。楽天のような出店モデルを目指すのか否かは不明だが、ある程度BtoC企業の参画を目指しているのは確かだ。これまで、厳選したEC企業の出店にとどめてきたのは、「質の向上に努めてきたため」(広報)。出店条件を緩和し始めたのは、LINEモールが事業拡大に向けた次のフェーズに進んできたことを意味する。

今回新たに発表したのは「グループ購入機能」「ギフト機能」「LINEマルシェ」「LINEセレクト」など。LINEモール内で展開される各機能で売り主や取扱商品を増やすためには、ECなどBtoC向け機能の参加が欠かせない。こうしたことから、LINEモールへの出店条件を広げる意向を持っていることを確かめることができた。

まず、前提条件として「LINEモール」ユーザーと親和性の高い商品であることLINEモールは、人との“つながり”によって商品との出会いを最大化し、「つながりによる消費」をコンプセプトとしているためだ。ただ、全ての門戸を閉ざすわけではなく、LINEモールのユーザーや新機能で展開する商品とユーザーの親和性が高い商品といったことを条件に、BtoC企業の参加を募っていくという。

この条件を満たせると考えるネットショップなどは、パートナー申請などを行う「LINEパートナー」 から申し込みができ、条件がマッチすれば出店することができるようだ。

今回の新機能追加は売り手と買い手のマッチングを増やすのが目的。だが、マッチング機会を増やすためには、商品の拡充が求められるため、ECなどBtoC企業の参加を増やす方針があるとみられる。

新機能追加で食品や日用品のECなどを手掛けるBtoC企業の出店が増える?

LINEモールが段階的にBtoC企業の参加を進めていく必要があるのは、新機能の内容からも推測できる。

例えば「グループ購入機能」。LINEでつながっている複数の友人間で、商品をまとめ買いすることができる機能で、ドリンク類やパスタ、缶詰などの食品や日用品類の販売を予定しているという。複数人で購入することを想定すると、ある程度の在庫を抱える企業が出店しなければ販売を継続していくことは難しい。そのため、食品や日用品類の取り扱いにはBtoC企業の参加が欠かせない。

「ギフト」機能も同様で、対象となる商品数が多ければ、ユーザーにとって魅力的な売り場に映る。それにはやはり、BtoC企業の参加が必要となる。出店企業が増えれば多種多様なギフトが並び、ユーザーの購入意欲を喚起、LINEが求める「商品との出会い」の創出にもつながる。

「LINEマルシェ」は産地直送の商品が購入できるのが大きな特徴。ただ、個人が販売する商品だけでは品ぞろえを拡充するのは難しい。島村上級役員は参加条件として、「誰でも(出店できる)ということはない。鮮度と質を担保できるところが最低条件」と言及。個人にはハードルが高く、法人の出店が必要となりそう。

また、「LINEセレクト」は実店舗を運営しているセレクトショップが条件となる。「自宅や職場にいながら、店頭でしか出会えない商品を直接購入できる」のが特徴。都内のアパレルや雑貨といったセレクトショップを参加店舗として拡充する方針だ。その後は、全国各地のセレクトショップが集まる仮想ショッピングモールの構築を目指すという。

こうした新サービスを拡充し、「商品とのマッチング」を増やして“つながり”による消費を創出するためには、多くのBtoC企業の参加が欠かせないのは明らか。LINEは企業が参加していることを踏まえ、BtoC企業が出店した際は売り上げに対して手数料を課していることを明らかにした。

「LINEモール」はこれまで主流だった検索型ECではなく、出会いによって新たなニーズを創出していく「Push Commerce(プッシュ型EC)」サービスを目指しているが、現在はまだ「テスト段階」(広報)。本オープンまでまだ時間がかかりそうだが、“つながり”による消費を創出しグランドオープンを迎えるためには多くのBtoC企業の力が必要となる。

LINEが目指すのはPush型のコマースだという

「Push Commerce(プッシュ型EC)」サービスとして展開し、新たな需要を創出するという

出店を検討するBtoC企業は「LINEモール」のユーザーや出品されている商品、各機能を調査し、自社の製品やサービスと照らし合わせて審査に通過できるか検討することをお勧めしたい。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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