動画ECはいつやる? 今でしょ! EC売上を伸ばす動画広告のメリットと活用法
動画の可能性はさらに高まり、効果測定も今まで以上に正確にできるようになっています。効果的に活用すれば、業界問わず、どのブランドもかつてないほどの付加価値を得られる可能性があります。
プレロール(編注:動画コンテンツの前に挿入される動画広告)やインバナー広告(ディスプレイ広告枠に配信される動画広告)、YouTubeの広告に限らず、2018年は動画広告が驚くべき速さで伸びています。右肩上がりのトレンドのなか、広告主はようやく動画の多大な可能性を理解し始め、ますます細分化されていく市場のなかで、ターゲット層のブランド認知を高めるための活用法を考えています。
メディア環境は様変わりしています。ケーブルテレビを解約する人たち、そもそもケーブルテレビを申し込んだことがない人たちに象徴される今の時代、伝統的なテレビの広告効果は薄れています。
動画の可能性はさらに高まり、効果測定も今まで以上に正確にできるようになっています。効果的に活用すれば、業界問わず、どのブランドでも、かつてないほどの付加価値を与えられる可能性があります。
なぜ動画に価値があるのか?
ビジュアルで消費者に訴求することによって、ブランド構築や認知度アップにつながります。動画メディアは、短時間で詳しい物語を伝えたり、多くの情報を盛り込んだりすることが可能で、視聴者の心に響くメッセージを伝えることができるのです。デジタル上で動画を使えば、ターゲティングや嗜好別の広告、戦略的なオンライン広告によって、テレビ広告よりもより良い結果が得られるでしょう。
戦略を立てる際は、ターゲット層がどのようにメディアと接触しているかを見極めることが大切です。多くの場合、広告主は、近年大きな課題に直面している新聞やラジオといった媒体に多くの予算を割くという過ちを犯します。テレビでも現は同じような状況に陥っています。
実際、消費者がテレビを見る時間と、テレビに使われている広告費を見てみると、明らかにギャップがあります。過去3年間で、視聴時間と広告費が減ってきているにもかかわらず、テレビの広告費は依然として非常に高いままなのです。
まったく逆の状況にあるのがオンライン動画です。消費者の視聴時間に比べ、オンライン動画への広告費は、いまだにとても低いままです。近年、オンライン動画の視聴時間も広告費も増加していますが、まだ大きな隔たりがあります。
オンライン動画広告はテレビよりも安く、細かいターゲティングでき、さまざまなトラッキングも可能です。広告主は消費者のメディア消費行動に合わせるためにも、オンライン動画広告により多くの予算を割くべきです。
視聴者の動向を見ても、その動きが正しいことがわかります。より多くの時間が電話、タブレット、パソコンなど、テレビ以外のデバイスに使われています。アメリカのインターネット視聴者の実に85%が動画をオンラインで視聴し、アメリカの消費者の半分はネット動画サービスに加入しています。
全米の大きなテレビ局が30日間で制作するコンテンツよりも多くのコンテンツが、30日間でインターネットにアップロードされているのです。毎日、5億時間分の動画がYouTubeで視聴されています(編注:Googleの2017年2月発表によると、世界のYouTube動画視聴時間は1日あたり10億時間を突破)。
いうまでもなく、マーケターにとって、オンライン動画は最も成長しているメディアなのです。動画を活用しているマーケターは、活用していないマーケターより49%も早く売り上げを伸ばすことが可能です。
オンライン動画を活用すべき3つの理由
どうして今が動画を活用するのに良いタイミングなのでしょうか? 理由は3つあります。「コスト」「ターゲティングとレポーティング」、そして「他のデジタル広告との親和性」です。
- コスト
テレビ広告は高額になることが多く、多くの広告主は避けて通ります。幸運にも、オンラインの動画広告はテレビと比べて非常に低コストです。今後、さらに競争が激しくなり、動画広告も増えていくことから、コストはさらに下がるでしょう。
広告主が動画広告を行わない大きな理由は、動画素材がない、もしくは動画制作コストを払いたくない、というものでしたが、動画制作のコストも下がっているため、今後は制作費が議論の対象にならないでしょう。
- ターゲティングとレポーティング
動画でもそれ以外のメディアでも、オンライン広告の良いところは、ターゲティングが可能で、トラッキングができることです。事前にプログラムを組んでおけば、ターゲット層に向けて、最も良いタイミングに、適正な価格で動画メッセージを配信することができます。その後、視聴者をトラッキングして、ブランドサイトの商品やサービスに対して何らかのアクションがあったかどうかを確認できるのです。
- 他のデジタル広告との親和性
動画の良い点は、広告主の全体のデジタル戦略に容易に追加できることです。ブランド認知を高め、検索結果やSNS施策にも貢献します。さらに、ラップトップ、スマートフォン、タブレット、ネットにつながっているテレビなど、既存のテレビ広告ではできなかった、デバイスをまたいだターゲティングが可能なのです。
オムニチャネルアプローチ
一般的な認識とは違い、動画は認知拡大のためだけのツールではありません。購入決定プロセス全体に影響を与え、クロスチャネル戦略の有効な要素にもなるのです。
5年前は、動画のチャンネル数も少なく、動画視聴用のプラットフォームも少なかったため、テレビ番組に視聴者の注目を集めるのは簡単でした。時代は変わり、今の視聴者は細分化され、さまざまなデバイスでいつでもオンデマンドでコンテンツを見ることができるのです。
広告主にとって難しいのは、視聴者がどこにいても接触できるようにすることです。ですから、いつでも、デバイス関係なくリーチできるように、オムニチャネルアプローチを取ることが非常に重要です。
動画を活用したオムニチャネル戦略を成功させるためには、オウンドメディアでも外部メディアでも、RTBプレロール(動画本編前の広告)や、YouTube検索結果広告、SNS、アドレス可能なテレビ、コネクテッドテレビなど、さまざまデジタルフォーマットを組み込むことが必要です。
多くの企業は動画を単体で考えていますが、動画は検索広告やSNS広告、ディスプレイ広告にも使えるのです。ですから、動画があれば、通常の検索やSNS、ディスプレイ広告同様、最適化してキャンペーンを行うことができます。
オムニチャネルキャンペーンを始める前に、「どんな人たちに届けたいのか?」をしっかり確認しましょう。伝統的な広告媒体と比べて、デジタル広告ではこの質問をより詳細に検証する必要があります。テレビは視聴率などの指標を使ってターゲティングを行いますが、デジタル広告では視聴者をターゲティングするさまざまな方法があり、それぞれに利点があります。
- ファーストパーティデータ
Webサイトから得られるファーストパーティデータは宝の山です。すでにブランドのことを知っていて、購入意向が高そうな消費者を集めることができます。
- サードパーティデータ
サードパーティデータを使ったターゲティングは、年齢別や、男性、女性、興味の対象などによって選別できます。個人情報保護の観点から、これらのデータを利用する時は安全かつ、匿名化されていることを確認してください。
- ルックアライクモデリング
ファーストパーティデータで得られた情報をもとに、似た消費者にアプローチする方法です。たとえば、過去の購入者に似た消費者のリストを作り、購入につながりそうな人達に広告を出すこともできます。
- リターゲティング
リターゲティングは、色々なデバイスでウェブサイトやプラットフォームを閲覧した消費者に、再度アプローチする方法です。オムニチャネルアプローチを利用して、ブランドメッセージを連続して提供することが可能です。
購入プロセスごとに最適なメッセージを伝える
オムニチャネル戦略を立てる時、消費者へ発信するメッセージは、購入プロセスのそれぞれのステージで異なるべきだということを理解することが大切です。
たとえば、認知獲得の段階であれば、良い第一印象を残すことが重要です。その後の購入検討段階では、追加情報や割引について詳しく伝えましょう。
次に、決定段階では、あなたのブランドを選ぶ理由を伝えます。ケーススタティや利用者の声を見せてもいいでしょう。すでに何度も購入してくれているロイヤルティ段階の消費者には、感謝の気持ちを伝えましょう。
メッセージは短くしてください。最適な動画の長さは、1~15秒。消費者の約半数が、それ以上長い広告を望んでいません。消費者の時間は限られているのです。動画が短ければ短いほど、最後まで見てもらえる可能性が高まります。
最終的に、デジタルマーケティング戦略のなかで動画を活用することで、カスタマージャーのどの段階にいるターゲット層とも適切にコミュニケーションを取ることができます。このような方法でオムニチャネルアプローチを進めれば、購入ファネルのなかのターゲット層に効果的にリーチし、コンバージョンを促すことができるのです。
現代のデジタル世界では、動画を使って細かくターゲティングし、コスト面でも有利な広告を展開できます。凄まじい可能性を追求するなら、今なのです。