瀧川 正実 2018/8/8 6:00

「楽天市場」出店者は2018年末までに求められる、第1商品画像の「テキスト要素20%以内」「枠線なし」「画像背景は写真背景または単色白背景のみ」への対応について、楽天は出店者に対し「商品画像登録ガイドライン」の改訂概要などを通知した。

この記事では「サポートニュース」で掲載された情報を中心に、改訂内容や対応策のヒントを伝えていく(随時更新)。出店者は「サポートニュース」で掲載された情報に加え、この記事で追加情報をチェックしてほしい。「サポートニュース」を閲覧できない周辺企業、楽天の動向をチェックしているEC事業者は、画像対応に関する情報をこの記事で確認していただきたい。

商品画像登録ガイドラインで定める規定について

楽天は7月19日、商品画像登録ガイドラインの改訂を実施。第1商品画像は「テキスト要素20%以内」「枠線なし」「画像背景は写真背景または単色白背景のみ」といった内容を盛り込んだ。

ガイドラインの改訂の目的は、商品自体の仕様や魅力が伝わりやすい画像、視認性の高い画像を出店者に出店してもらうため。ガイドライン改訂の柱は次の3つ。

① テキスト要素占有率

商品画像内に配置するテキスト要素の占有率は20%以下とする。

② 枠線

枠線なしの商品画像を登録。枠線とは画像の4辺を囲う線のほか、L字・帯状などの要素も含む。

③ 背景

商品画像の背景は、写真背景か単色白背景のみ使用可能

商品画像登録ガイドラインの必須化に伴い、ガイドラインを順守しなかった場合、2018年10月1日(月)から、違反点数の加点対象に加える。ただ、2018年中は加点猶予期間とし、2019年1月から違反画像を掲載した店舗には違反点数の加点を始める

スタート時の判定ロジックは3段階

 「テキスト要素占有率」「枠線」「背景」に対し、次の3段階の評価・判定を行っていくという。

評価・判定基準
評価・判定基準(画像は「サポートニュース」からキャプチャ)

判定の定義

……ガイドラインの基準を満たしている画像。「◎:OK」の判定が出た商品は、「楽天市場」内での露出が向上する可能性がある。

……形式的にはガイドラインの基準を満たしているものの、NGに近しい画像がある場合は「△:要改善」と判定する(例:枠線を使用していないが、枠線に近しい表現を使用している画像)。

× ……「テキスト要素」「枠線」「背景」のガイドラインに1つでも違反している画像は「×:NG」と判定する。2019年1月時点で「×:NG」となった画像は違反点数の加点対象となる。

ただ、楽天によると「商品数の多い店舗などではヒューマンエラーで掲載されてしまったなどのケースも考えられる。ユーザーの変化にあわせて、サイトも進化していく必要があり、そのために店舗さんに画像を改善してもらいたいという意図がある。店舗さんの状況にあわせて絨毯に対応していきたい」としている。

楽天ではこの評価・判定基準に沿って、8月時点で店舗が掲載している第1商品画像を審査。9月に配付予定のレポートで、判定結果を案内するという。

なお、商品画像が存在しない「サービス提供」商品などは別途ガイドラインを設け、その中で判定を行う予定。

また、評価・判定ロジックについては、定期的に見直しを実施する。スタート段階では「◎:OK」「△:要改善」「×:NG」の3つで、2019年内はこのロジックで進める方針。将来的に、「◎:OK」「×:NG」の2つに集約する計画という。

判定ロジックのアップデート
将来的な検証・判定ロジックは「◎:OK」「×:NG」とする(画像は「サポートニュース」からキャプチャ)

これまでの取り組みと今後のスケジュール

これまでの取り組みと、今後のスケジュール
これまでの取り組みと、今後のスケジュール(画像は「サポートニュース」からキャプチャ)

楽天は2016年、「楽天市場」の品質向上を目的とした違反点数制度を導入。ユーザーに支持されるために守るべき店舗運営のポイント明文化した。違反点数に応じた措置を公開、その点数に達した場合には必要な措置を行い、改善施策を供に検討するなど、同施策を通じて品質向上につなげている。

違反点数が年間累計で35点に達した場合、7日間のランキング掲載停止、検索表示順位のダウンといった措置がある。

なお、2019年1月から、商品画像登録ガイドラインに違反した場合は違反点数の加点対象とする予定。ガイドラインを遵守していない画像を使う店舗を対象に、違反点数への加点を開始するとしている。具体的な開始日、違反点数などの詳細は改めて案内するという。

ちなみに、違反点数については、連絡が困難など軽微な違反に対しては5点、各種表記のガイドライン違反に関しては20点、検索文字列を過剰に記入したり、消費期限切れの食品を販売するなど深刻な違反に対しては35点、店舗関係者によるレビューの書き込みなどより深刻な違反の場合は80点となっている。

商品画像登録ガイドライン制定の背景

「楽天市場」では店舗の個性を生かすために「にぎやかな商品画像」を推奨してきた。だが、近年の急速なモバイルシフト・高機能カメラ搭載スマートフォン所持率の増加、SNS利用の増加に伴い、ユーザーが商品画像に対して求める内容が急激に変わってきたと楽天は説明する。

「楽天市場」へユーザーの声が多く寄せられているのが「商品画像内の情報量が多く、商品を探しにくい」というもの。定期的に実施しているユーザー調査、全数10項目の中において「商品が探しにくい」という項目は、最も改善が求められているものの1つという。

ユーザーのインターネット利用環境の変化・嗜好の変化への対応、商品の探しにくさの解消に向けて、楽天は2017年春から約1年間、商品画像について定性・定量調査・ABテストなどさまざまな調査を実施した。

その結果、商材ジャンルによって多少差異はあるものの、すべての調査において、以下の画像のように[B](本ガイドラインに則した商品画像)[C](テキスト要素なし・白地背景の商品画像)が最も良い結果となったという。

商品画像に関する定性・定量調査・ABテスト
[A]楽天市場にて多く見られる商品画像
[B]本ガイドラインに則した商品画像
[C]テキスト要素なし・白地背景の商品画像
(画像は「サポートニュース」からキャプチャ)

従来のにぎやかな画像は、ほぼすべてのテスト結果で、「見にくい、安っぽい感じがする」という評価があがった

楽天に聞いてみました

Q. 楽天では楽天ブックス、楽天ダイレクトといった自社でECも展開している。他の店舗と同様に、文字要素が多い画像なども多い。

A.もちろん、楽天も対処していく。

Q. テキストではなく、ロゴなどを写真画像として使用するといった曖昧なケースについては?

A. ユーザー視点に立ち返って、スマートフォンの小さい画面からでも、「探しやすいどうか」という観点で画像を作ってほしい。

Q. グルメなどは白地背景の商品画像を使った場合、あまりシズル感が出なくなってしまうのではないか。

A. 写真画像は背景OKなので、うまくシズル感が出るような写真を作ってもらいたい。

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