通販・訪販の倒産件数が過去最多に迫る勢い、最多原因は「販売不振」[2018年]

東京商工リサーチが、通信販売・訪問販売企業の2018年1~10月における倒産件数を公表

渡部 和章

2018年11月15日 6:00

東京商工リサーチによると、通信販売や訪問販売を手掛ける小売企業の2018年1~10月における倒産件数は、前年同期比33.3%増の56件だった。

破産が55件、民事再生法は1件。1~10月の倒産件数としては3年ぶりに前年を上回り、通年で過去最高の件数に迫っているという。

東京商工リサーチが実施した通信販売・訪問販売小売業の倒産調査
通信販売・訪問販売小売業の倒産件数(2018年は1~10月)

調査を開始した2009年以降、年次ベースで最多だったのは2015年の77件。2018年は10月時点で、年次ベースで2番目に多かった2013年に並んだ。

2018年1~10月に倒産した企業の倒産原因は「販売不振」が39件(前年同期比39.2%増)、「事業上の失敗」が7件(同40.0%増)、「他社倒産の余波」が5件(同25.0%増)、「運転資金の欠乏」が3件だった。

東京商工リサーチが実施した調査 通信販売・訪問販売小売業 原因別倒産状況
2018年1-10月通信販売・訪問販売小売業 原因別倒産状況

倒産企業の負債総額は1033億2700万円。前年同期の27億3000万円と比べて約38倍に拡大した。過去10年と比較しても突出して多い。9月に破産したケフィア事業振興会の負債が1001億9400万円で、全体の約97%を占めている。

東京商工リサーチが実施した調査 通信販売・訪問販売小売業の倒産 年次推移
通信販売・訪問販売小売業の倒産 年次推移

従業員5人未満が9割以上

商品ジャンル別の倒産件数は、「各種商品小売」が19件、インテリア用品や美術工芸品などの「その他」が15件、アパレル関連などの「衣服・身 の回り品小売」が14件、家電などの「機械器具小売」が2件。

従業員数5人未満の企業が51件で、全体の約9割を占めた。設立5年以内の事業者が約3割を占めた。

通販会社の主な倒産事例

通販会社の主な倒産事例は、ケフィア事業振興会(食品など、負債総額1001億9400万円)、ちゃいるどふっと(ベビー用品など、同3億7000万円)、マップショップ(地図、同3億円)、イマジン(ブランド商品など、同1億2000万円)、エスカプロダクト(プラモデルなど、同6500万円)、ファシーノ(雑貨・アクセサリーなど、同5000万円)、MEISTER(バイク用品、同4000万円)、デジナビ(パソコン、2000万円)、アキバスタイル(総合通販、負債総額2000万円)。

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