2018年12月のボーナスシーズン前、良くも悪くも注目を浴びたスマートフォン決済サービス「PayPay」。サービスリリースと合わせて実施した100億円還元キャンペーンはマスメディア、SNS上を騒がせ、特にビックカメラでの家電購入を口コミするシーンが目立ちました。

「PayPay」以外にも、「LINE Pay」や「Origami Pay」などキャッシュレス時流が流れる中、戦国時代の様相を示しています。

今回、筆者が所属するビルコムが提供しているPR効果測定ツール「PR Analyzer」を使って、「PayPay」のメディア露出の効果を数値的に可視化すると同時に、他キャッシュレスサービスとの露出比較を実施してみました。

「PayPay」とは

ソフトバンクとヤフーが2018年6月に設立した合弁会社PayPay(東京都千代田区)は7月27日、バーコードやQRコードを活用したスマートフォン決済サービス「PayPay」の提供を2018年秋から始めると発表しました。

参照記事

2018年12月4日から、「100億円あげちゃうキャンペーン」を2019年3月31日まで実施すると発表し、大きく話題になりました。

「100億円あげちゃうキャンペーン」を起点に大きく盛り上がり

「PayPay」のWeb記事の掲載数推移を「PR Analyzer」で取得
「PayPay」に関するWeb記事の掲載数推移

「PR Analyzer」は、クラウド型のPR効果測定ツールで、ブランド名を登録することで、Webやテレビ、新聞、雑誌の4マスの露出効果をクリッピングして一覧化するものです。

まずはトレンドの反映が早いWeb記事の掲載数推移を、「PR Analyzer」で取得してみました。

ここは予想通り、100億円あげちゃうキャンペーンのメディア露出量が突き抜けていました。その後、システム障害やクレジットカードの不正などが発覚。一気に社会ごととされ、キャンペーン発表時の2倍以上の露出量となっています。2018年7月以降でみると、約3,700件のWebメディア記事数(一部言及も含む)がありました。(ネガティブ記事も何%か含まれるという前提ですが)Web露出量を広告換算費に計算すると、約45億円でした。

また、同様に「PR Analyzer」で取得したテレビクリッピングデータを元に集計すると、テレビ露出(※1)の広告換算費は約58億円(コーナー単位で約130件)ありました。ただし、クレジットカード不正利用などネガティブ露出も24%(換算費ベース)あり、論調については課題が残りました。とは言え、WebとTVの露出量だけでも、広告換算費100億円を超えていることになります。

※1 「PR Analyzer」で取得したテレビ露出データは首都圏キー局を対象

なお、「PR Analyzer」で新聞・雑誌をより正確に測定をするには事前のクリッピング稼働が必要なので今回は省きますが、日経テレコンの「新聞トレンド」検索機能を使って、簡易的に新聞の露出推移も確認してみました。WebやTV同様に12月に大きく露出数を伸ばしています。

次に、Web記事掲載量とTwitter投稿数の相関性を見てみると、キャンペーン開始直後にはそれほど大きく口コミされていないようでした。その後、障害等に関する報道が盛り上がったタイミングで、PayPayに関する口コミも大きく反応していました。

「PayPay」に関するWeb記事掲載量とTwitter投稿数の相関性
【図2】Web記事掲載量とTwitter投稿数の相関性

最後に、図3、図4にて競合3社(LINE Pay、Origami Pay、楽天ペイ)と比較した推移を見てみました。競合含めた4社比較をすると、各社コンスタントにメディア露出していますが、10月以降、PayPayのメディア露出が突出していることがわかります。LINE Payも還元キャンペーンで追随するなど、12月にメディア露出量が伸びています。Origami PayやLINE Payはコンスタントに露出をしているものの、それぞれの露出記事の中身を見てみると、キャッシュレス市場に関する記事の中で並びとして紹介されている傾向にありました。

「競合3社(LINE Pay、Origami Pay、楽天ペイ)と比較したメディア露出量
【図3】競合3社(LINE Pay、Origami Pay、楽天ペイ)と比較したWebメディア露出量
競合3社(LINE Pay、Origami Pay、楽天ペイ)と比較したWeb露出量の広告換算費
【図4】競合3社(LINE Pay、Origami Pay、楽天ペイ)と比較したWeb露出量の広告換算費

本キャンペーン期間中、PayPayの認知度が大きくアップしたと仮定するならば、100億円還元キャンペーンの内容云々だけではなく、伴って発生したシステム障害や事件が起きたから、結果的にアップしたと捉えることがもできるかもしれません

「100億円あげちゃうCP」のニュースはSNSの反響が強い傾向

PRの世界では、単に報道に関する量・質の検証だけではなく、その後のSNS波及まで含めてPR効果を測る動きが広がりつつあります。「PR Analyzer」でもWeb記事ごとのFacebookいいね・シェア数ランキングを見ることができます。

今回のPayPayに関連する報道についても、SNSへの波及について見てみましょう。上位15位を並べてみましたが、反響が大きかった記事傾向が分かります。

反響が大きかった内容は「100億円還元終了」のニュースでした。100億円がわずか10日で消化されてしまった驚きや残念さなどが影響しているのかもしれません。

「PayPay」に関連する報道についてのSNSへの波及

「PayPay」のマーケティングは成功だったのか?

今回のマーケティングでは、キモとなる「PayPayを使った購入」が促進されたことは自明でした。全額キャッシュバック等は含まれるものの、20%還元がほとんどだとした場合、約2週間で約500億円の流通額があったということになります。

PR的な視点からみた効果を「PR Analyzer」で検証しても、広告換算費が100億円超えていること、競合に比べ大きな露出シェアを獲得した点など、「PayPay」の認知率アップという点では大きく伸展したといえるでしょう。ユーザー還元やコンテンツに投資をすることで、メディア露出や口コミ波及に影響を与えるのは現代のマーケティングトレンドかと思います。

後半ではシステム面での課題に議論が集中してしまったものの、ユーザーへの補償や速やかな改修が行われることで、ユーザビリティは進化されることが期待されます。

今後は、玉石混交のキャッシュレスサービス市場において、ロイヤルユーザーの確保に向けた動きが始まるでしょう。今後も、メディア露出や口コミ動向を見ながら、ウォッチしていきたいと思います。

終わりに

今回紹介した「PR Analyzer」ですが、競合他社との露出シェアを簡単に比べられる「シェア・オブ・ボイス」機能を追加しました。

ビルコムでは、toCからtoBまで幅広いお客様のPR支援を行うために、デジタルの力で効果測定を簡単に・効果的に行えるPR Techの推進や、インフルエンサー活用なども含めた戦略立案など、最新動向を踏まえたPR支援を行っています。

PRにお悩みで相談できるパートナーが欲しいという企業の方はもちろん、PR会社で働きながら広報やマーケティングのスキルを伸ばしたい、多様な情報に触れられる環境で企業のPR支援を行いたいという方も大歓迎です。ぜひご連絡ください。

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