企業間の取引で最も多い受注方法はFAXなど「アナログ」が86%、BtoB-EC導入率は14%

アイルの調査によると、中堅・中小企業の85.8%が、FAX・電話など転記作業を伴う「アナログ業務」で受注している。企業間取引における受注方法の割合は、FAXが37.2%、電話は16.7%、対面営業が15.6%

石居 岳

2020年12月1日 10:00

企業向け業務管理システム開発・提供のアイルは、企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態を調査した。対象は、年商10億円未満から100億円以上までの700社を超える中堅・中小企業で受注業務を担当する734人。

「業務のデジタル化」の重要性が高まる現在、中堅・中小企業の85.8%が、FAX・電話など転記作業を伴う「アナログ業務」で受注している実態が浮き彫りとなった。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 企業間取引での受注方法と割合
企業間取引での受注方法と割合

企業間取引における受注方法の割合は、FAXが37.2%、電話は16.7%、対面営業が15.6%。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 受注方法の割合
受注方法の割合

取引先と自社でのWeb受注システム(BtoB-EC)の導入について聞いたところ、導入済みは14.3%。検討中は9.5%、興味あり(情報収集中)が18.1%で、予定なしが58.0%。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 Web受注システム(BtoB-EC)の導入について
Web受注システム(BtoB-EC)の導入について

BtoB-EC導入の不安は、検討有無にかかわらず「得意先に使ってもらえるか」が最も多く55.2%を占めた。BtoC-EC予定なしの企業でも「得意先に使ってもらえるかどうか不安」が43.9%となっている。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 企業間でのWeb受注システム(BtoB-EC)における不安と課題
企業間でのWeb受注システム(BtoB-EC)における不安と課題

Web受注システム(BtoB-EC)導入への業務課題を聞いたところ、「単価設定が複雑」が28.9%、「商品管理が複雑」が26.2%、「配送や送料計算のルールが複雑」が21.4%。

アナログ受注が大多数を占める背景には、得意先のEC利用への不安や、複雑な商習慣の懸念などがある。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 企業間でのWeb受注システム(BtoB EC)導入への業務課題
企業間でのWeb受注システム(BtoB-EC)導入への業務課題

企業間での受注業務におけるEC化率を聞いたところ、「91~100%」は4.8%、「81~90%」は5.7%、「71~80%」は9.5%、「61~70%」は1.0%、「51~60%」は3.8%。4社に1社は得意先の利用率が50%以上という結果となっている。

一方、得意先利用率が20%以下も目立ち、得意先への利用促進の取り組み方や業種によって差が見られる。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 企業間での受注業務におけるEC化率
企業間での受注業務におけるEC化率

BtoB-EC(Web受発注システム)導入企業の約8割が、入力作業などの業務時間を削減できているという。1人あたり1日計算で、約8割が1~2時間以上業務を短縮できたと回答。EC化の効果は「入力作業の軽減」が32.9%で最多となっており、電話対応時間の短縮が21.8%と続いている。

アイルが実施した企業間取引(BtoB取引)における受注業務の実態調査 企業間取引の受発注をEC化したことによっての業務効率
企業間取引の受発注をEC化したことによっての業務効率
◇◇◇

インプレスでは、BtoB-ECの専門書『BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]』を販売しています。BtoB-ECについてもっと知りたい方は、ぜひ本書をご購読ください。BtoB-ECの基本的な解説から市場全体の動向、ユーザー企業がBtoB-ECに取り組もうとするときに参照できる導入手順までを解説しています。また、製造業や卸売り業の企業にアンケートを実施し、ユーザー企業の取組状況も掲載しています。

もっとBtoB-ECのことを知りたい方へ

BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]』は、インプレス総合研究所で販売しています

BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]

BtoB-EC市場の現状と販売チャネルEC化の手引き2020 [今後デジタル化が進むBtoBとECがもたらす変革]

  • 監修:鵜飼 智史
  • 著者:鵜飼 智史/森田 秀一/公文 紫都/インプレス総合研究所
  • 発行所:株式会社インプレス
  • 発売日 :2020年3月24日(木)
  • 価格 :CD(PDF)版、ダウンロード版 90,000円(税別) 、
    CD(PDF)+冊子版 100,000円(税別)
  • 判型 :A4判 カラー
  • ページ数 :200ページ

この記事をシェアしてほしいタヌ!

人気記事トップ10

人気記事ランキングをもっと見る

企画広告も役立つ情報バッチリ! Sponsored

「サムソナイト」「グレゴリー」のEC改善事例。CVR改善+購入完了率が最大45%増の成果をあげたアプローチとは 11月12日 7:00 スマホゲーム「モンスト」ファンがお得にアイテムを購入できる「モンストWebショップ」はなぜ「Amazon Pay」を選んだのか。導入効果+UI/UX向上に向けた取り組みを聞いた 10月30日 7:00 アンドエスティが「3Dセキュア2.0」の超効率的運用に成功したワケ。オーソリ承認率大幅改善、売上アップにつながった不正対策アプローチとは? 10月28日 7:00 EC業界で市場価値を最大化する――「全体を見渡せる人材」になるためのキャリア設計 10月27日 7:00 転売ヤーが引き起こすEC市場の混乱に立ち向かう! Shopifyパートナー・フラッグシップが提案する最新対策 9月29日 8:00 14か月で累計売上30億円超え。 韓国のネイルブランド「ohora」の急成長を支えたEC戦略とは 9月22日 8:00 生成AI検索が変える消費者の購買行動。UGC活用でサイト流入を最大化する 9月10日 8:00 ほしい商品が見つからないイライラを解消し、CVRを向上! 検索機能強化と顧客満足度アップを実現するBtoB-ECサイト改善のポイントとは? 9月9日 7:00 B向けEC担当者必見。BtoBビジネスを成功に導くサイト内検索の最適化戦略 9月3日 8:00 クリック率3倍、セッション数2.3倍を実現したECサイトの取り組みとは? リアル店舗のような“ワクワク感”を再現するPLAZAの事例 9月2日 7:00